Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


最後まで切れない赤い糸 #1

第一章 『出会い。』

「別れよう。」

数年前に聞いたこの言葉。
私はこの言葉に

「うん、そうだね。」

と、うなずくことしかできなかった。
そして私達の赤い糸はジョキッ...と、静かに音をたてて切れた。

....あの人から見れば、完全に切れたふうに思ってるのかもしれない。
....でも....でも....私からみればあの頃の赤い糸は....

最後までは切れてはいなかった。

───中学1年生の頃の話。

小学校から大人への第一歩の中学校....。
新しい学校からの友達、同じクラスになったことない前の学校の友達...。
新しい出会いがあると思ったらすごくドキドキするし、緊張する。

そんな心を躍らせながら、私は教室のドアを開けた。

───ガラッ。

ゆっくり目を開けてみると....そこに広がってたのは新しい世界。
見たこともない子、昔仲がよかった女の子、中には...私の悪口をいっていた子。
そしてなにより目がいったのは、教室の片隅で楽しそうに話している男子。

すごく心が引き寄せられた。

「っ......。」

つい見つめてしまう....ウットリしてしまっていた。

「亜ぁ美ぃ~!!!」

「うわっ!!!!」

後ろから急に突撃してきたのは私の親友の高橋凪(13)。

「凪っ...ビックリさせないでよ...。」

私は胸をなでおろした。

「亜美っ、今日は記念すべき入学式だぞっ!!
早くカッコイイ男の子見つけて、目つけときなよっ!!」

「なっ!!///何言ってんの!?////」

凪は私と違って明るくて、可愛くて、スポーツ万能の女の子。
女子から結構人気で、一部の男子にはモテモテだった。
(.....頭は悪いけどね。)

「ねぇねぇ、亜美~。このさい自己紹介の練習しとかない??」

「は、はぁ...??(汗)」

「いいからいいからっ!!」

「え、えーと....私の名前は皆川亜美です。」

「へー、緊張せずにいえてるじゃーんっ」

「そ、そりゃぁ、凪の前だからね....」

私の名前は皆川亜美(13)。
すべて平凡の特に何もない女の子。
規則とかも破らないし、勉強だってそこそこだ。
スポーツだってそんなにひどいわけじゃない....と思う。

───ガラッ。

「オーイ、もう入学式始まるぞ~。」

「あっ、始まるって!!行こう!!」

私は凪の手に引っ張られて、講堂に向かった。
校長先生が立って、姿勢をただし、長々と話をし始めた。

「えぇ~新入生の皆様~....」

昔から校長先生の話はすんごく長い。
それだけは本当に心のそこから言える学校あるあるだ。

「はぁ.....」

つい深いため息が出てしまう。

トントン.....

「っ.....??」

後ろからトントン、と2回ほど叩かれた。
クルリと後ろを振り返ると....

「大丈夫っ??さっきからしんどそうだけど....」

後ろに立って不安げな目をしているのは
私を引き寄せたあの男子だった...。

「っ......!!/////」

ふいに顔が赤くなり、答えれなくなった。

「ね、ねえ...大丈夫??」

首をかしげ、顔を近づけながら聞いてきた...。
私の体調を見るためだろうが...

「だっ、だだだっ、大丈夫でひっ!!!」

「えっ....??」

「あっ......。」

慌てて答えてしまったせいで「大丈夫”でひ”」になってしまった。
恥ずかしくて顔を上げられない。

すると、次の瞬間.....

「ウッ.....」

なんだかめまいがした....。
こんなの漫画だけの世界の話と思っていたが....本当にあるんだ。
ドキドキしすぎて、クラクラしちゃうこと....。

意識が朦朧としてきた。やばい...もう...倒れる....。

「っ...........」

バタッ………。

「えっ!?ひっ、人が倒れましたよ!!!!」

「校長先生、話してる場合じゃないですよー!!!」

「やべー、女が倒れやがった!!!」


…………。

そこからの記憶は...もうない....。
目を開けると、私はどこかに寝ていたみたいだ。

「っ.......。」

ゆっくり重い体を持ち上げる。
周りを見渡すと、そこにはほかの子には見えないようにするためのカーテンが...。

どうやらここは保健室のようだ。

「ぃっ.....。」

倒れたときに頭でも撃ったのかな....すごく頭が痛い。

───シャッ。

「あっ.....」

カーテンが開かれ、そこに立っていたのは若くてきれいな女性。

「あっ、起きた??もう大丈夫??」

「ま、まだ少し頭が痛い...です...。」

「そっかぁ....。頭は撃ってないんだけどなぁ。」

「.....へっ??」

私はビックリした。
この頭痛は倒れた時に撃ったのかと思ってたけど。

「あの...倒れた時に撃ったんじゃ....」

「いや、倒れる前に宮城君が体を支えてくれたから....
ギリギリ頭は撃たなかったのよっ」

「え...??宮城君って....??」

「まあ、今日宮城君が送ってくれるって言ってたから...
そのときにどんな子かわかるわ。じゃ、もう帰りなさい。」

「あ、は、はい。」

私は保健室から出て、そのまま門に向かった。
そこで立って待っていたのは....

「あの、宮城君ですか....??」

「そうだけど。」

「っ.....!!!」

私を引き寄せたあの男の子だった....。

「俺の名前一応言っておくね。
俺の名前は宮城猟牙、よろしく。」

「あっ、はっ...はひぃ!!//////」

「えぇ??(笑)」

「あ、すっ、すみませんっ///」

「アハハハッ、いいよいいよ~。じゃ、帰ろうか。」

「は、はいぃ...。」

こうして初めての中学校生活で恋をしてしまった...。
この私のすべてを引き寄せるこの子に.....


※実話ではありません。




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2013/08/14 20:39
やっぱりこれをさきによみます
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2013/06/27 20:40
面白いです♪
将来作家に??
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2013/04/29 17:41


1巻だけ今日は読ませて頂きました
凪ちゃん、菜々美ちゃんと印象似てて読んでると落ち着きます
宮城君の存在気になりますね( ̄▽ ̄)
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2013/04/26 17:22


aichaさん、ごめんなさい!
最近少しin率が下がり気味なので、また改めて小説読ませて頂きますね。
読むの楽しみです♪
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2013/04/25 20:16
広場からですノ

続きが気になる終わり方ですね^^
楽しみです。
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2013/04/20 03:43
新シリーズおめでとうございます。

恋愛物語ですね。
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2013/04/20 00:04
おお 新作ですね!!

なんか面白そうで続き気になります!



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