Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


true love #61

主な登場人物
・森咲莉華…美人で有名なカリスマモデル。真也と付き合う。
・河野真也…学校では王子と呼ばれるほどのイケメン。莉華の彼氏。
・桃宮菜々美…可愛らしい女の子で莉華の親友。スポーツ万能でバッサリ言う。
・村田敦…菜々美と莉華の幼馴染。イケメン。莉華が好き。
・高田翼…莉華達の小学校の頃の同級生。イケメンで第三の王子。莉華の事が好き。
・高峰美穂…翼の彼女。美人でキャラをつくっていた。顔は可愛らしい。


第六十一章 『届かない声』

声が出ないまま....私は肌寒い公園に一人ぼっちで立っていた...。
誰も来ない静かな公園....誰もここの遊具で遊ばない子供達.....。
なんだかこのなんの音も立てないこの公園はどことなく....

私に似ている気がした…。

「っ.......」

発そうとしても、発そうとしても、出ない声.....
それはここの遊具の....遊んでほしくても遊んでほしくても....
遊んでくれない遊具と似ている.....。

私はそっとブランコに触れた....。
そして、静かに泣いた....小さな声でとかじゃなく、
本当に静かに...なんの音も立てずに静かにないた....。

このどこにも届かない声はどこに希望があるのだろうか....??
真也にだっていう勇気が私にはない....。

私は弱虫だ。

ポツ…ポツ…

頭にポツリと水が落ちた....。
どうやら雨が降ってきたみたいだ。

そういえばニュースの天気予報で言ってた。
「今日は大雨なので傘は忘れずにもっていきましょう」って。
でも私....なんかその言葉忘れて持ってこなかったんだったっけ...。

(ハァ.......。)

深いため息さえも出せない.....。
心の中で静かにため息を深く深くすることしかできなかった。

ポツ…ポツ…ポツ…
ザァァァァァァァァァアアッ───!!

小雨だった雨はやがて大雨へと変わり果てた...。
だが今日はなんだかこの雨にぬれていたい気分だ...。
もっと...もっと私をぬらしてほしい....。

この私の体と心がすべて綺麗に洗い流れていくまで....。

その後、私は数十分雨にぬらされ続けていた...。
ブランコの横でうずくまりながら....しゃがみこみながら顔をうつむかせて....。

ザァァァァァァァァァァアッ!!!

雨の音は激しくなっていき、私の体は激しく雨にうたれた....。
それはまるで私を踏み潰すように....。

痛かった....すごく....痛かった...。
いつもなら痛くないかもしれない....でも今日はまったく違う。

私をうつこの激しい雨の一粒一粒が私を殺しているみたいだ...。
私の心を刺していくように....鋭く...鋭く....刺さっていく...。
この雨は皆からの復讐なのかもしれない。

ポツッ…。

この一粒の雨は菜々美の痛さ.....

「敦が莉華のこと好きってことは…昔から知ってたし…」
「なんで莉華ばっかりっ…!?」
「ごめん…もう莉華とは関われない…」
「ごめん。」

菜々美の言葉一言一言がよみがえる...。
そして、雨と共に私の胸に突き刺さっていく....。

ポツッ…。

この一粒の雨は凛ちゃんの痛さ.....

「なんでっ!?なんでそんな事言うの!?」
「じゃあどうするのよ…」
「もういいよ…莉華ちゃんには呆れた…」

表情と共によみがえる凛ちゃんの言葉と怒鳴り声...。

ポツッ…。

この一粒の雨は翼君の痛さ....。

「好きなんだ莉華ちゃん…君が好きだ。」
「なんで俺じゃダメなんだよっ!?」
「…莉華ちゃんの事…忘れられないから美穂と…付き合った。」

翼君の行動はおかしかったけど...そういう風に走らせたのは私だ。

ポツッ・・・。

この一粒の雨は美穂の痛さ....

「翼を奪ったのには変わりないっ…!!」
「うっ…頑張ってキャラ作ってたけどっ…やっぱりダメだよ。」
「じゃあ莉華ちゃんを忘れるために…私…と…?」

美穂ちゃんの絶望した顔が忘れられない....。

ポツッ…。

この一粒の雨は...敦の痛さ....。

「小さい頃からずっと見てたんだ。莉華だけを…。」
「莉華が俺のこと好きじゃないって知ってるけどそれだけで忘れられたら…
ここまで告白せず、ズルズル引きずってないよ。」
「なんで俺じゃダメなんだよ…。」

ずっと一緒にいた幼馴染だったのに....たくさんの傷を負わせてしまった。

ポツッ…。

そしてこの一粒の雨は.....真也の痛さ....

「莉華…俺どうしたらいいんだよ…」
「莉華が好きだ。大好きだ。」
「ごめん…莉華…。」

真也の痛さ....絶望した時のあの顔....そして震えた声...
すべてが胸に刺る....。

真也....あなたが遠くなっていって怖いの....
あなたが私のもとから消えていきそうで....怖い....。

小さく、雨音が鳴り響くこの公園で私はうずくまり...ずっと泣いている...。
もう少しだけなかせてください...。

「............莉華??」


※実話ではありません(続く)

アバター
2013/04/07 12:31
続きすごく気になります!!!!
アバター
2013/04/07 12:27


だ...誰でしょうか!?



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