true love #56
- カテゴリ:自作小説
- 2013/03/30 09:05:48
主な登場人物
・森咲莉華…美人で有名なカリスマモデル。真也と付き合う。
・河野真也…学校では王子と呼ばれるほどのイケメン。莉華の彼氏。
・桃宮菜々美…可愛らしい女の子で莉華の親友。スポーツ万能でバッサリ言う。
・村田敦…菜々美と莉華の幼馴染。イケメン。莉華が好き。
・高田翼…莉華達の小学校の頃の同級生。イケメンで第三の王子。莉華の事が好き。
・高峰美穂…翼の彼女。美人でキャラをつくっていた。顔は可愛らしい。
第五十六章 『さよなら、初恋』
「好き??私のこと??」
抱きしめられたままつぶやく沙希さん...。
「あ、うん....好きなんだ...君の事。」
と、言うと沙希さんは迷わず俺に
「じゃあ付き合おうや!!真也君ってなんかおもろそーやし。」
と、あっさりとOKの答えをだした。
告白したのは俺からなのになんだかこっちがあせってしまった。
「えっ、ちょっ、まっ.....いいの....??」
「はぁ??ええもなにもアンタから言ってきたんやろ??
何??いまさらOKされて腰抜かしてかえろーっていうん!?」
沙希さんは鋭く俺を睨んだ。
「いやっ、違うんだけど....ただいいのかなって....。」
「あー、もう!!じれったいなぁ。ええって言ってるやろぉ!?
OKやっ、OK~~!!!わかる??」
「あ、うん、ありがとうっ....。」
そんなこんなで俺達は付き合うことになった。
俺達はすごく幸せだった....沙希さんの本心はわからないけど
少なくとも俺はすごく幸せだった。
あの日がくるまでは.......
チィンチュン───…。
あれは寒い冬の日だった....。
なんだかんだ言って俺達は2年間付き合った。
だが、中3の寒くて手がかじかむ日のこと....。
普段は俺をあまり呼び出さない沙希に呼ばれた日だった。
ピンク色のマフラーをグルグル巻きにして、
かじかんだ手に白い息を吹きかけながら俺を待っている....。
俺は急いで沙希に駆け寄った。
「真也君っ!!来てくれたんやぁ。」
と、いつまでもとれない関西弁で喜んびの言葉を呟く。
「当たり前だろ??......で、どうしたんだよ。」
「う....うん。 できたら来てほしくなかった....。」
と、小声で呟いた。
俺はその意味を....もう少しで知ることになる...。
「......なんで??」
「あっ、ううんっ!!!気にせんといてっ....。」
と、無理に笑顔をつくった....。
俺がわかるほど、無理矢理だ。
「どうしたんだよ....??」
俺は少し顔をしかめながらたずねた。
すると彼女は気まずそうな顔を見せながら.....
「じっ....実は....ね....。」
と、呟き、髪を少しさわりながら
大きな瞳を少しうるわせて.....
「別れて....ほしいんだ....。」
「えっ....??」
俺は一瞬耳を疑った....。
え...??なんて...??今....”別れてほしい”って....??
俺は少し体が小刻みに震えた....。
沙希と離れるなんて考えもしなかったから...。
「さ.....沙希.....」
俺は歩み寄った....そして沙希の頬に手を寄せると....
「触らないでっ....!!!!!」
バシィッ......!!!!
いい音といえばいいのか.....。
綺麗な”パシッ”というよくアニメで見る音が聞こえた...。
そっと沙希に目をやると.....
「えっ....沙希....」
沙希の頬には一粒の涙を流していた....。
大きな瞳から小さな涙を....一粒だけ...。
「沙希......」
その姿を見ると俺は何も言えなくなった。
口を開くことさえできそうにない。
すると次に口を開いたのは
「ごめん....真也君.....。」
沙希だった....。
「........」
俺は何も口を開くことさえできず、
とうとう俺が無意識で口に出した言葉は....
「そう....だね....。わかった。」
「ごめん....ごめんなさい」
こうして俺たちの関係は終わった....。
短かったような、長かったような...そんな日々だった...。
恋の終わりってこんなもんなんだ....
恋ってこんなに....あっさり終わるんだ....。
俺はなんか一つ学んだ気がした。
背中で寂しさを語る沙希の後ろ姿を見ながら...。
涙を流すしかできない俺は沙希に手を伸ばすことさえできなかった...。
「待ってくれ!!」
と、男らしく言いたいところだが俺にはできない...。
俺は情けなく、弱く、卑怯な男だ。
沙希をこれからも忘れることができない。
───現在。
あのころは忘れることができないと思ってたけど....
莉華と出会って俺は沙希をあっさり忘れることができた...。
それも静かに....けして鈍い音を立てることなく、静かにだ。
所詮こんな物なんだな....恋って....。
※実話ではあrません(続く)
なんか...真也君...。
沙希さんが急に表れたから心配です...。
真也君、元気ないですね。