金狼の重圧 『エデン編』…1
- カテゴリ:自作小説
- 2013/03/29 23:25:58
その男は訳も分からずそこにいた。
目の前には電動バイクEMがあり、それに何か懐かしさを感じていた。
左手で愛しそうに車体を撫でる。
「…これに乗れというのか?」
自分の心がそう言っている。なんでそう言っているのか分からない、自分自身のことなのに分からない。
その男は導かれるようにEMにまたがり、極自然な行動のようにモーターを始動させた。
ガソリンエンジンのように駆動音はほとんどしない。静かな電動モーター音は微かでも胸に響き、その男の心を高揚させた。
クラッチを握り、ギアを入れ、ゆっくりとアクセルを吹かした。一連の動きはスムーズだった。
「俺はこれに乗っていた、そんな感覚がある」
初めはゆっくりと動かし、ギアはローからセカンドへそしてサードへ…徐々に加速していく。
その男の顔はEMに初めて乗ったような表情ではあったが、初心者では到底出さないスピードを見せる。
「なんで、こんな事ができるんだ?」
その男は訳も分からず走るのが怖かった。何も考えずに走るのが怖かった。
しかし、誰かにその事を教える術を知らないでいた。ただ、心の中で叫ぶ。
「誰か…俺の声が聞こえているか?…俺はいったい何者なんだ?どうしたらいいんだ?」
最後は、走りながら力なく呟いた。
「誰か…誰か、助けてくれ…」
今度は、頑張ってください!!
訪問感謝です。stp&水やりです。
こちらはまだ桜が咲く気配があまり感じられませn。
これからの展開が楽しみです!!
ウルフ・・・と思われる登場人物が苦悩から開放されることを切に望みます。
狼さんはバイク乗ってたんですか?実は走りやだったとか・・・^^v
楽しみです^^