Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


[読み切り小説] 色の無い私。

無色と言う物は誰にも見えない色。
赤や黄色などは目立ち、見えない事はない。

もし私の周りの子達が赤や黄色なら
私は色の無い無色だ。

キーンコーンカーンコーン♪

今日も教室にチャイムが鳴り響く...。
生徒達は授業が終わったら自分の女子グループへ行き、
ほかの女子グループの悪口大会をしている。

あるいは人をいじめたり、殴ったり...。
この教室を色でたとえるならまさに真っ黒に汚れている教室だ。

皆、心が腐っている。
そして、皆心がさびて麻痺している。

そんな教室で私はただただ黙って
教室の隅っこで座っている。

皆からのあだ名は特になく、体育祭の時だって
私が呼ばれて決めることなくこの前は種目が決められていなかった。

自分でいけっていう話なんだけど....入れない...。
私はこの教室で自分をたとえるなら透明人間だ。

誰にも話しかけられることなく、友達もいない。

「.......。」

今日も私は黙って座っている。
誰にも話しかけられることは無い...。
だって私はこの教室にいないも同然なんだから。

「ねぇ」

私の前に現れた一人の少女...。
その子は笑顔で私を見つめる。

「は...はい...??」

「君なんていう名前なのっ??」

なんだか私はその子が輝いて見えた...。
見てるだけで心が洗われていく...。

「しっ...白川...花蓮...です。」

今まで名前と自分があってなくて、
自分の名前を言うのでさえ恥ずかしかった...。
なのにこの子にはなぜいえたのだろう...??

その子はニコッと無邪気に笑って

「綺麗な名前だねっ」

と、言った...。
初めて言われたこの言葉...。
その子は無邪気で、純粋に笑っている。

今まで名前と合わないと笑われた名前を
君は...綺麗だと笑ってくれるの...??

「あっ...りがとう...。」

言われなれていない言葉を聞いて
答えに戸惑った。

「私は南可憐。同じ名前でビックリしたよぉ」

その子は美しく笑う...。

「あ...そうなんだ...。」

でも私はさっきから疑問なのだ...。

髪は金髪でサラサラストレート...。
腰くらいまである綺麗くて長い髪。
そして、透き通る蒼くて綺麗な瞳...。

見た感じ外国人だけど...こんな子いたっけ...??

「あなたは私のこと知ってる??」

「あ、いえ...しっ...知りませんでした...。」

「そうなんだー...。まあ、
これから仲良くしていけばいっかぁ」

と、微笑んだ。

「え...もっとほかのこのほうが...」

「ううん、あなたがいいの。」

その子は真剣なまなざしで私に言ってきた...。

なんでこんな私がいいの...??
なんでなんのとりえも無い私がいいの...??

その子は黙ったままニコッと微笑む。

その日以来、その子は私と一緒に行動し、
私を毎日しゃべるようになった...。

だが周りの女子達はなんやらコソコソ言い、
私のほうを見ながらクスクス笑っている。

「......??」

何についていってるかは不明だが...
私は今南さんがいるからいい。

いつの間にか私は南さんに支えられ、
それと同時に甘えていたんだ...。

だがある日────....
私がトイレに入ってる間、女子グループが
鏡の前でなんやら会話している。

「ねぇ、アレどう思うー??」

「あぁ、白川??」

話題はどうやら私についてのようだ。

「うんうん、アレめっちゃキモくない??」

昔は言われたら傷つく言葉も、
今は南さんがいるからそんなに傷つかなくなった。

「うん、ビックリするよね~。
誰もいないのにずっと一人でしゃべってるなんて

......は??

「うん、キモいよね~。
幽霊でもいるんじゃなーい??」

「キャー!こわぁ~い!!」

「「キャハハハッ」」

女子達はトイレから出て行った...。

聞き捨てなら無いあの会話...。
誰もいない...??そんなワケない。

南さんはいつも私の隣にいたよ...。

「花蓮~!」

あの時も....

「もぉ、しょーがないなぁっ」

あの時だって...。

ずっと隣には南さんがいてくれたよ...。
なのに誰もいないのに一人でしゃべってるって...

どういうことなの...??

───コンコン。

「花蓮~??そろそろ授業...」

「南さんっ!!!」

私は勢いよくトイレのドアを開けた。

「えっ...、花蓮どうしたの...??」

南さんは戸惑っている。

「あの...南さんって...」

絶対にそんなワケない..ありえない...。
ありえない...ありえないのになんで.....

こんなに自分の中で覚悟してるんだろう....??

「.....どうしたの??」

「南さんって.....」

私は次第に涙がこぼれた...。
南さんは小さな手で私の頬に触れて涙をぬぐい....

「幽霊だよ...。」

と、呟いた....。

「えっ....!?嘘っ....」

だが、南さんは悲しそうにするわけじゃなく、
ただただ優しく、温かく微笑んでいる...。

「南さっ....」

「あなたを救いたかった...。」

「へっ....??」

南さんはそっと微笑みながら窓を見て

「ずっと空から見てたわ...
あなたが自分で自分を傷つけて
自分は透明人間だって思っているとこ...。」

「っ.......!!!」

「あなたをどうしても救ってあげたかった.....。
手遅れになる前にっ....」

そう呟くと、南さんは姿が薄れていった...

「南さんっ....!!!」

「そろそろ時間みたい...
ありがとう、花蓮、楽しかった...」

南さんは涙を一粒落として微笑んだ...。
そして、ゆっくりと空へ向かっていった...。

「やだっ...南さんっ.....。」

私は大声で泣くわけでもなく、
ただただその場に体を崩れ落とした。

そして、悔しがるわけでもなく、
そっと微笑んで

「ありがとう....」

と、一言呟いた....。

南さん...やっとわかりました。
私は無色だったんじゃなくて白色だったんですね...。
南さんの悲しい気持ち...必ずまっさらな白色に塗り替えてみせるから...。

あなたがしてくれた時と同じように...。


※実話ではありません。

読み切りですが、どうでしたか??^^;
あんまり読み切り書かないし、苦手なので^^;
感想待ってます><

アバター
2013/03/23 10:17


読み切り小説読んで下さり本当に有難うございました♡‼
いえいえ、aichaさんは私にとって師匠ですよ(*'▽')
指導、有難うございます‼
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2013/03/22 00:54


読み切り小説、完成しました^^v
aicha師匠のおかげで中断することなく描き続けることができました。
有難うございます♡!!
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2013/03/21 19:17
純粋で綺麗なお話でした。
読みきりは好きです。
読みやすかったです。
感動しました。
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2013/03/21 19:03
すごく感動しました!!
アバター
2013/03/21 17:43


やっぱり、aichaさんすごいです‼
すごい綺麗なお話でした。
そんなプロの方からコツ頂けて光栄です♡‼
中断するかも知れませんが、一回読み切り描いてみますね^^*
アバター
2013/03/21 14:50
広場からこんにちわです。

もう涙腺がヤバいです;;
とっても良いお話でした。
それしか言えないです;;



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