西原理恵子という感性☆
- カテゴリ:日記
- 2013/03/17 16:28:20
やられた。またしても。
『まあじゃんほうろうき』や『ちくろ幼稚園』から好きではあったが、
今回の『いきのびる魔法』に併録されている「うつくしいのはら」には、
心底やられた。
いじめられている子どもに「16歳までは嘘をついてでも生き延びろ」と諭すタイトル作も、
21世紀的な正論なだけに、かなりなインパクト。
しかし真打はあとからくるもの。
併録の「うつくしいのはら」は、すごい。
学校に行って生活を向上させたいという、尊厳ある人間としてのもがきが、
いかに国家に、社会情勢にあっけなくも踏み潰されていくかと描いている。
しかけとしてのループもさることながら、
世の無情と、世界の美しさと喜びがいっしょに押し寄せてくる。
今朝の朝日新聞の書評で横尾忠則がうまいこと書いているから、
関心のある人はそちらもご覧下さい。
さて、この本を立ち読みすることはお勧めしない。
涙と鼻水でベトベトになった本をレジにもっていくような、
気まずい思いをすることになる。
世の中は人間一世代なんかの時間じゃよくならない。
短気なことを言っていると、本当に世の中は変わらない。
放射能が撒き散らされたしまった北の大地に、
本当に人が帰れるのは百年単位の時間が必要になるかもしれないのに、
政府は原発の再稼働しか叫ばない。
それでも諦めないで、声を上げ続けること。
それしかないと、改めて思う。
生き抜き方が好きです。
嘘も方便とはよく言ったもので、
人に迷惑を掛けない、自分が飲み込まれないウソなら使い様かと思います。
『いきのびる魔法』、『うつくしいのはら』、読んでみなくてはー。