主な登場人物
・森咲莉華…美人で有名なカリスマモデル。真也と付き合う。
・河野真也…学校では王子と呼ばれるほどのイケメン。莉華の彼氏。
・桃宮菜々美…可愛らしい女の子で莉華の親友。スポーツ万能でバッサリ言う。
・村田敦…菜々美と莉華の幼馴染。イケメン。莉華が好き。
・高田翼…莉華達の小学校の頃の同級生。イケメンで第三の王子。莉華の事が好き。
・高峰美穂…翼の彼女。美人でめっちゃぶりっ子。顔は可愛らしい。

第四十四章　『寂しい心』

「フッフフッフフーン♪」

私は機嫌がよく、鼻歌を歌いながら
ボディーマッサージをしていた。

ＰＬＬＬ……♪

「おっ??誰かな...??」

スマホを手に取った。
電話をかけてきた相手は...

「菜々美...。」

私はふと思い出した...。
そういえば菜々美、今日
私に話があるって言ってたなぁ...と。

つい断っちゃったけど、電話してくるって
事はよっぽどなんかあったのかも....??

私は［出る］のボタンを押した。

「はい、もしもし。」

『っ....かっ....。』

菜々美の声は震えていた...。
そして、鼻声。

私ははっきりわかった。
菜々美は泣いているという事を...。

「菜々美....
何かあったの...??」

たずねても菜々美は
なかなか答えない...。

今は何も話せないのか...??
ただただ私も黙った...。

そして、5分後.....

『あ....あのね....』

菜々美は落ち着いた様子で
ゆっくりと話し始めた....。」

『私...急に怖くなって...。』

「え....??」

『敦と付き合うこと....。
急に怖くなっちゃって...。』

「菜々美....」

それで泣いていたのか...。
私はやっと理解した。

『敦は莉華の事が好きだった....
それも物心がついたときから....。
なのに莉華に彼氏ができた瞬間
私が好きだなんて...信じられなくって...。』

「うん...」

『それで....敦が言う発言一つ一つが
気になっちゃうし、誘いに断られただけで
すごく傷つくようになっちゃってて....。』

菜々美はまた声を震わせた...。

『私っ...本当に敦と
付き合っても大丈夫なのかな....??』

大丈夫なのかなんて....
私は答える権利なんてないけど...。
今、私ができる事は言葉で救うことしかできない...。

「だ....大丈夫っ...!!敦は菜々美の
事好きになって告白したんだよ!!」

またとっさにでた大丈夫...。

”菜々美の事が好きで告白したんだよ！”

なんてわかるわけない....。

『そうだよね...ありがとう、
なんだかホッとしたよ....。』

「うん、....じゃ。」

『うん、またね。』

プツッ…、ツー…ツー…。

無責任に次々と出てくる言葉...。

大丈夫……？

そんなの自分の気休めにしかならない...。
菜々美の根本的な解決策の助言にはなってない...。

それを一番わかってるのは私のはずなのに...
いつも言ってしまう”大丈夫”という言葉...。

こんなのが口癖になってたら”大丈夫”と
言った相手を傷つける結果になってしまう...。

「菜々美....。」

私はただただ不安げに
菜々美の名前を呟いた....。

それをしてどうにもならないと
知っていながら....。


────翌朝

昨日は菜々美の電話以降、
落ち着かなくて私は眠れなかった...。

「すごく眠い...。」

私は目をこすりながら、
待ち合わせ場所に向かった...。

だが、着いた瞬間思い出した。

「あ...そういえば今日から
敦と登校するって言ってたっけ...。」

私はトホホ...というように頭を落とした。

「あれ、莉華??」

「真也...おはよう...。」

「偶然だなぁ...ってまあ同じバス
だから会う確率は高いか（笑）」

「うん、そうだよねっ」

プーーーーーーー！

「お、バス来た。」

私達はバスに乗った...。
バスの窓からみえた光景....

「翼君と...美穂...??」

いつもみたいにラブラブしてるワケじゃなく、
人気の少ない場所を選んでモメあってる様子...。

「.....何があったんだろう??」

美穂はポカポカと翼君を殴る...。
その暴力をただただ黙って受けている翼君...。

何があったんだろう...??


※実話ではありません（続く）