桜が咲く頃...。 [3月読み切り小説]
- カテゴリ:自作小説
- 2013/03/13 19:19:13
桜の花びらがヒラヒラと舞う...。
桜は生まれ、すぐにかれてしまう。
だが、桜と言うものは咲く期間が短いというのに
凛々しくて、すごく美しい。
これは桜のように生きた女の子の物語。
「ハッピバーステイ
小春ちゃーん!!!♪」
パチパチパチパチ...。
歌い終わった後、
拍手が部屋に響く。
「おめでとう、小春ちゃんっ!!」
「ありがとう、ママっ!!」
私は山里小春(15)。
今日でやっと15歳です。
「15歳か、早いわねぇ...。
もう受験生だものねぇ....。」
「うん、そーだよ。
もう私受験生だよっ!!!」
3月5日という誕生日を迎えた
私は、もうれっきとした受験生になった。
いつまでも14歳の中2だなんて
言ってられないからね...。
「パパもそろそろ帰ってくると思うから、
その間小春ちゃんはゆっくりしててね。」
「はーい!!」
ママから言われたとおり、私は
部屋に上がってゆっくりする事にした。
「ふぃー....。」
机のイスに腰を下ろした...。
今日は幸せな誕生日....。
そして、数分後.....
────ガチャ。
「おっ、パパだっ...!!」
私は勢いよく立ち上がった...。
その瞬間、めまいがした...。
「うっ...なに...これ...。」
バタッ……。
「小春ちゃーん??
パパ帰ったわよー??」
────ガチャ。
「小春ちゃ.... ....!?」
「小春....!?小春っ!!!!」
「小春ちゃんっ!!!!」
ピーポーピーポーピーポー...。
「ん....。」
「小春ちゃんっ!!」
目を開けると、そこには
不安げな顔をした両親がいた。
「ママ....。私....」
めまいしてからの記憶はまったくない。
ママは私の手をギュッと握って
ただただ涙を流している。
「.....え??どうしたの??」
たずねても泣きじゃくってるだけ...。
私の質問には答えれそうにもない。
何があったんだろう...??
「パパ....ママどうしたの...??」
パパにたずねると、パパは
鼻声で拳を握り締めて
「な...なんにもないよ。
心配したんだろう....。」
と、呟いて。
ママの背中をさすった。
「......??」
2人とも様子がおかしい。
「ねえ、パパ....ママ.....
本当にどうしちゃったの....」
────ガチャ。
「先生っ....!!」
ママは先生の服をつかんで
「娘はっ...娘は本当に....」
「おい!!!!恵美子!!!!」
ママが何か言いかけた瞬間、
まるでその言葉を隠すかのように
パパは言葉をかぶせた...。
「......パパ??」
よくわからない...何があったの...??
────翌日。
よくわからないまま
私はその病院に入院させられ、
原因もわからず、点滴を刺された...。
朝、目が覚めると信じられない
会話を耳にしてしまった....。
「あのっ...娘は本当にっ....」
「はい、もう手遅れですね....。」
「そんなぁっ....うっ.....。」
「....移植という方法は....」
「.....すべてが手遅れでした。
.......もって2週間でしょうね。」
私は頭が真っ白になった...。
これってよくドラマとかでみる...
余命宣告って奴....??
もって2週間でしょうね。
なんでこんな事が簡単に言えるの??
やっぱり医者だからなれてるの...??
......ふざけんじゃないわよ。
私は涙が頬をつたう....。
「クッ....。」
この余命宣告は聞かなかったことにしよう。
そして、一眠りしよう。
まだ夢を見てるんだと自分に言い聞かせた...。
だが、日を増すにつれて悪化していく
痛み....。やっぱりあの余命宣告は嘘じゃないし、
夢なんかじゃなかった...。
私はもう少しで本当に死ぬんだ...。
私は初めて死を身近に感じた...。
「うっ....ふぇっ....。」
どうしようもない涙がこぼれる...。
まだやりたかった高校生活も送ってない...。
したかったことできてない....。
────ガチャッ。
「小春ちゃん...??どうしたの...??」
そこに現れたのは一人の看護師。
「私...もうすぐ死ぬんです...。
余命宣告されてたの聞いたんです...。」
「......そうなの。」
看護師さんは同情している顔一つしなかった...。
逆に私に微笑みを見せて、
「ねえ、小春ちゃん、来て??」
と、車椅子を押していった....。
看護師さんが連れてきてくれた場所は
桜の大きな木が一本はえている場所だった...。
「わあ...綺麗...。」
つい辛いことも忘れるような
心を洗い流してくれるような美しさだった...。
「綺麗でしょ??うちの桜...。
でも桜も産まれたらすぐに死んでしまうのよ。」
「......え??」
看護師さんの言ってる事にビックリした...。
桜が死ぬなんて....考えたことがなかった...。
「桜の花びら一人一人皆命がある。
でも皆、すぐに散ってなくなってしまう...。」
普通はこのようなことは寂しげに
言うはずなんだが、看護師さんは違う。
温かくて、優しさが溢れているような...。
「でも皆その短い期間の間で
人々に感動を与えるでしょ??
あなたも今1秒くらいで感動をもらったはずよ。」
「あっ....。」
看護師さんの言ってる事は間違っていなかった...。
「あなたは15年間も生きてきたのよ。
本当にあなたは何もなかったって思う...??
15年というのは短いかもしれない、でも....
15年過ごした中で感動を人々に与えれたんじゃない??
少なくとも、家族や友人には。」
私は何も言えなくなった....。
看護師さんは私の肩をポンと叩いて
「私はあなたが生きていて、15年間という
あなたの人生に現れれて幸せだし、感動を覚えてるわ...。」
「うっ....うっ....。」
その話を聞いて、一つ思いついたことがある...。
死ぬとわかってておどおどするくらいなら、
人々に感動を与える努力をしながら死のうと...。
そして....いよいよ死と向き合う日が来た...。
ピーーーーーーーーーー。
「小春ちゃんっ....??
やだっ、小春ちゃんっ!!!!」
「小春っ.....」
「いやぁぁぁぁぁああっ!!!」
「あの、小春ちゃんから....
手紙を預かってます...。」
「え....??」
ママ、パパへ。
ママ、パパ、すぐ死ぬことになってごめんなさい。
・・・・でも、私は15年間生きれて幸せでした。
産まれなかったらよかったなんて思ってないよ。
逆に、15年間も生きれて幸せだったし、
15年間、ママやパパに注いでもらった愛は忘れません。
本当に幸せでした、ありがとう…。
2人の事、桜となってみています……。
辛い時は封筒に入ってる桜のしおりを見てください。
それが私と思って、寂しがらないでください…。
いつでも見守ってます。
小春より
「小春...ちゃん...。」
「小春....。」
ちゃんと見てるからね、ママ、パパ。
2人の幸せを願いながら....。
そして、今までありがとう。
※実話ではありません(終わり。)
読みきりには自信がないの
ですがどうでしたか?^^;
aichaさん!
実は、私も前から読み切り小説描きたいな...って思ってたんですけど...
プロにアドバイスとか聞いておきたくて...
コツとかありますか?
いやいや、本当に凄いです!!
プロですよ、プロ!!
これから暖かくなるにつれて桜が咲いてきますね。
桜並木を通る度きっとこの小説思い出します!(^^)!
読み切り小説読みました、
いや...aichаさんの実力が恐いですwwww
本当に凄すぎて、涙も出ませんでした。
これは短編小説なんで、読み切りの漫画として書店で売ってほしいくらいです!
それくらい、感動しました。
ありがとうございます(๑´∀`๑)
全然すごくないですよー^^;
褒めてくださってありがとうございます!
あ、いつも小説読んでくれて感謝します!!
泣けます、すごいですね!
憧れます*
いつも小説読ませていただいてます^^
失礼しました、
ありがとうございます^^