主な登場人物
・森咲莉華…美人で有名なカリスマモデル。真也と付き合う。
・河野真也…学校では王子と呼ばれるほどのイケメン。莉華の彼氏。
・桃宮菜々美…可愛らしい女の子で莉華の親友。スポーツ万能でバッサリ言う。
・村田敦…菜々美と莉華の幼馴染。イケメン。莉華が好き。
・高田翼…莉華達の小学校の頃の同級生。イケメンで第三の王子。莉華の事が好き。
・高峰美穂…翼の彼女。美人でめっちゃぶりっ子。顔は可愛らしい。

第四十二章　『交差する思い。』

あれから私は一人で泣きはらし、
感情をすべて捨てるかのように
涙をポタポタと床に落としていった...。

───そして、翌日....。

私は地面を見つめながら、
トボトボと、重い足を前進させた...。

「はぁ.....。」

深いため息をついた....。
菜々美に会うのが辛い。
どんな顔して会えばいいかわからない。

「あっ、莉華ぁ～!!」

待ち合わせ場所に着くと、
もうすでに菜々美がいた。

「昨日の報告ビックリした!?
本当は今日伝えようかと思ってたんだけど...」

嬉しそうにニコニコと私を見ながら
すごく幸せそうな顔を浮かべた。

「...そっか、よかったね....。」

「あの...実はね...
莉華に話があって...。」

菜々美はモジモジしている...。

「うん、何...??」

「明日から敦と登校させてっ!!」

と、”お願い”と言うように、
両手を合わせた。

「う...うん、いいよ...。
私も真也と登校するし。」

と、答えると菜々美は
顔をパァッと明るくして

「本当っ!?ありがと、莉華ぁ!!」

と、抱きついてきた...。
なんだかすごく複雑だ。

私が知ってる敦の想い...。
菜々美が聞いた敦からの想い...。

どっちが本当なのかわかんない....。

「あ、敦.....!!」

「へっ....??」

後ろを向くと、敦が歩いてきていた。
菜々美は顔を赤くした....。

「おー、莉華、おはよっ。
菜々美もおはよう～。」

敦は別にいつもと同じ様子...。
付き合ってる雰囲気なんてどこにもない。

「お...はよ...う//////」

いつもと感じが違うのは菜々美だけ...。

翼君の時と同じでもしかして敦は....
いや、でも告白されたって言ってたしなぁ...。

もう考えが交差してわからないっ....

「莉華....??」

敦は不安気な顔で問いかけてきた。

「あ、ああ、うん...。
全然大丈夫だよ...。」

「そう??ならいいけど。」

「あれ3人揃ってるじゃん!!」

「真也っ.....!!」

真也が向こうから歩いてきた...。

「よ、莉華っ。」

真也を見た瞬間、菜々美は
敦の腕をギュッとつかんで、

「じゃあ私達は先に行っとくね。
莉華達は仲良く2人で行ってっ♡」

と、先に歩いて行ってしまった...。
いつもバスで行ってるというのに、
今日は歩きで行くみたいだ（歩きでも可）

「じゃあ、私達も歩きで行こうか...」

「おう、そうするか。」

と、言って手を繋いで登校した。


────学校に到着。

「キャァッ....!!!」

学校の外から聞こえた
女の子の声....。

「.....えっ、美穂...??」

美穂が倒れていた。
美穂の周りには人だかり...。

「どうしたのっ....??」

私は回りにたかっている女子に尋ねた。

「なんか、桃宮さんが
美穂を突き倒したらしいです...。」

「ひどいよねぇ、いくら
翼君と美穂が仲いいからって...。」

「ねー...」

女子達はザワザワとなる...。
私は様子を見に行った。

「えぇぇん...菜々美ちゃん痛いよぅ....。」

「おい、美穂ちゃん泣いてるじゃん!!!
早く謝れよ、桃宮ぁっ!!!!!」

「えっ....私突き飛ばしてなんかない...。」

戸惑ってる菜々美...。
突き飛ばしたくなる気持ちもあるだろうけど、
昨日付き合ったばかりの彼氏の前で
こんな事するわけがない。

「クスッ。」

「・・・・・!!!!!」

美穂はクスッと、笑っていた...。
コイツ....わざと菜々美をハメたのか...??

「どうした??莉華??」

私は許せなくなった...。

「謝れよ!!!ももみっ.....」

パシャッ…!!!

「.....え??」

男は目を丸くして驚いている。

そりゃ当たり前だ、私は男に
水をかけたのだから...。

「何も知らないくせにヤジウマが
グチグチ言ってんじゃないわよ。」

と、言って私は教室に行った...。

もう我慢できなかった....。
あの女、菜々美になんの恨みが....??

あんな状況で黙ってれるほうがおかしいわ。


※実話ではありません（続く）