主な登場人物
・森咲莉華…美人で有名なカリスマモデル。真也と付き合う。
・河野真也…学校では王子と呼ばれるほどのイケメン。莉華の彼氏。
・桃宮菜々美…可愛らしい女の子で莉華の親友。スポーツ万能でバッサリ言う。
・村田敦…菜々美と莉華の幼馴染。イケメン。莉華が好き。
・高田翼…莉華達の小学校の頃の同級生。イケメンで第三の王子。莉華の事が好き。

第三十六章　『胸騒ぎのワケ』

「....眠いなぁ。
ふ...ふわぁ～...。」

私は昨日の撮影でテンション
があがりすぎて、眠れなかった...。

「莉華、大丈夫??
さっきからあくびばっか...。」

「ああ、大丈夫。
ありがと、菜々美。」

私達はこんな話をしながらも
学校に向かっていっていた...。

学校はいつもの風景...だが
どこか皆がザワついている...。

「んー、どうしたんだろ??」

菜々美が首をかしげる。
しっかり聞こえてくるわけじゃないが、
ザワザワしているのはわかる....。

進んでいくと、女子の固まりから
聞こえてきた言葉....

「翼君が.....」

えっ....、翼君....??
私が少し止まって
いるとドンドン聞こえてくる
信じられない会話....。

「えぇっ!?翼君がっ...
5組の美穂とっ....!?」

「うん、付き合ってるんだってぇ。」

え....付き合ってる...??
美穂って誰...??5組だから
別のクラスか....だったら
知らないのも当たり前だよね...。

「え、じゃあ3組の桃宮さんは??」

「え??知らないー。
二股じゃないの～??」

女子達が勝手に噂を作ってる...。
ちがう、翼君は二股なんてしてない。
菜々美のそばでそんなの言わないでよ...。

私は女子達に言おうと女子達に手を伸ばして

「ちょっ....!!!」
「そんなこと言わないでっ!!!」

私が言う前に、菜々美が言った...。

「えっ...。」

「あっ、桃宮さんっ...。」

戸惑う女子達。
菜々美は怒りに満ちた
表情を浮かべている....。

「菜っ....菜々美...。」

私まで戸惑ってしまった...。

「ごめんなさい。
そんなつもりじゃ....」

「もうそんなこと言わないで。
翼君をそんな風に言わないで。」

周りを見渡すと、ほかの
生徒達が菜々美のほうを
みてヒソヒソと言っている....。

「あの....でも.....
でも桃宮さんと翼君
と付き合ってたのって....」

「違うよ。」

「菜々美っ....!!」

菜々美はキッパリと
翼君との交際を否定した。

付き合ってないのは事実だが、
あんなキッパリ交際を否定するなんて....

「じゃ、なんであんな
ラブラブだったのっ??」

女子に問われると、菜々美は
戸惑ってしまった....。

あたふたしているうちに
目を違う場所にそらすと....

「あっ....翼君....と...」

翼君の隣には髪が肩くらい
までの、茶髪女子がいた....。
しかもめっちゃ仲よさそうに
腕を組み合って笑いあっている....。

ってコトはあれが美穂....??

「お、菜々美おはよー」

普通に笑顔で
挨拶してきた翼君....。

いまだに気持ちに気付いてないのか??

「おはよ、翼君。」

菜々美も普通に返す。

「莉華ちゃんもおはよ。」

同じ笑顔で挨拶されたが、
私はこの状況で笑顔で返す気なんてない。
私はまるで聞かなかったことのように、

さっぱりしたような顔を浮かべ、
菜々美の手を引っ張って

「行こう、菜々美。」

と、言って教室に向かった...。

「何あの人、
感じ悪ぅ～い。」

「そんな事言うなよ。
俺の大事な初恋相手だよ。」

「え....??」


───教室に到着。
　　　　　───ガラッ。

教室に入ると、やっぱり
ザワついている教室....。

やはり話題はあの話で
もちきりだった。

「美穂と翼君が....」
「え、じゃ、桃宮さんは....」

菜々美は堂々としている。
でも体を見ると、すごく
小さく震えている────.....。

「菜々.....」

────ガラッ。
「キャハハハハッ♡!!」

可愛らしい美穂の笑い声が
教室中に大きく響く....。

だが......

キーンコーンカーンコーン♪

「えぇ～??もぅ??
あぁ、もっと翼といたいぃ～♡」

「ダメだ。早く教室戻れ」

「もぉ～、わかりましたぁ。
またすぐ会おうね、ダーリンっ♡」

「あー、はいはい。」

手をひらひらふって帰っていく美穂...。
翼も平然な顔をして自分の席に向かう...。

今の会話を聞いてたら誰もが思うだろう。

マジムカツク╬
　　　　　　　......と。

でも本当に翼君があんな女と付き合うのか??
.....わからない...。


※実話ではありません（続く）