☆貧乏花見
- カテゴリ:お笑い
- 2013/03/10 00:36:54
落語に花見の噺は多いのですが、この落語はもともとは上方のものでした。東京に持ち込まれて「長屋の花見」と名前が付きましたが、少し内容が異なっています。まず、「貧乏花見」は、朝方の雨が昼間にあがってしまい、仕事に出そびれた長屋の連中が自発的に花見を計画するのですが、「長屋の花見」は大家が音頭をとって、長屋の連中が花見に出かけます。大家と長屋の住民は親子のようなものといわれますが、それぞれの文化の違いなのでしょうか?
【スジ】
長屋をあげて花見に行く話がまとまる。景気よく行きたいところであるが、なんせ貧乏所帯の長屋の連中である。かまぼこの代わりの「釜底」、玉子焼きの代わりの「たくあん」、そして酒の代わりが「お茶け」である。その他にも金をかけないように考えられるすべての工夫を凝らして花見を楽しもうという趣向である。
しかし、いざ花見が始まっても、盛り上がりに欠ける始末である。そんな中、隣で楽しそうな花見をしている連中の中に喧嘩の振りをしてなだれ込んで、そのすきに酒と料理を取ってこようと善からぬ相談を始めるものが出る。
そして、計画はまんまと成功するが、取られた方も黙っているわけにはいかないので、文句を言いに来る。しかし、人数も多く歯が立ちそうになく、たじたじになってしまう。
「何の格好や?」
「ちょっと踊らしてもらおかいなぁと・・・」
「その右手の一升徳利、頭かち割ろちゅうのんと違うんか?」
「滅相ぉな、この徳利は、お替りを持ってきましたんで・・・」
桜きれいだし!!