主な登場人物
・森咲莉華…美人で有名なカリスマモデル。真也と付き合う。
・河野真也…学校では王子と呼ばれるほどのイケメン。莉華の彼氏。
・桃宮菜々美…可愛らしい女の子で莉華の親友。スポーツ万能でバッサリ言う。
・村田敦…菜々美と莉華の幼馴染。イケメン。莉華が好き。
・高田翼…莉華達の小学校の頃の同級生。イケメンで第三の王子。莉華の事が好き。

第三十三章　『包み隠さずありのままで....』
「わかった、ありのまま話そう...。」

私は菜々美に伝えた。
菜々美はフゥとため息をついて
腕を組んだ。そして、口を開いて.....

「私さ、ずっと莉華といるの
しんどかったんだよね～。」

ガーーーーーーンッ。

いきなり重たい言葉が来た...,。
でも逃げないって決めたんだ...。
私は唇をかみ締めて黙って聞いた。

そして、菜々美はこう続けた....

「いつも莉華の隣にいたら
聞こえてくる言葉があった...。
.....なんだと思う??」

菜々美はフッと鼻で笑い、
呆れたような顔で問いかけてきた...

「なっ....何....??」

私は息を飲むようにして聞いた。

「釣りあわない...って
言われ続けてたの。」

「え.....??」

菜々美は怒りに満ちたようにも
見えるが、やっぱり悲しみに
溢れているような顔もしてる.....。

「....友達だから釣りあわないとか
言われても釣り合わないとか何言われても
莉華は親友だからって我慢してきた....。
でも....もうそれも限界みたいだわ....。」

菜々美は拳を握り締めて
涙をポタリポタリと床に落としていく....

「菜々....」
「お願いだからっ....!!」

菜々美は私の言葉をかぶせる
かのように叫んだ....。

そして、目を赤くさせて

「もう....付きまとわないで....。
お願いだからっ....お願いっ....。」

菜々美はその場に崩れ落ちた。
泣き崩れて...まるで菜々美の
感情をコントロールしていたすべての
ネジが....一本、一本はずれていくかのように....。

そんな菜々美を見ていると
これ以上何もできなくなった...。

....もう、手を差し伸べることさえできない...。

「そっか...ごめん...。
ごめんなさい、菜々美...。」

ここで諦めるのは悔しすぎるし、情けない。
....でも、ここで関係を断ち切ったほうが....
お互いのためでもあるのかもしれない....。

私は奥歯を噛み、菜々美に背を向けた。

すると.....

───ガチャッ!!
「何諦めようとしてるの!?」

「佐野さんっ....!?」

カツカツカツカツ......。

佐野さんはヒールの音を
大きく、激しく鳴らしながら私に
近づいた、そして....

パチッ....!!!

「ぃっ......!!!」

私の頬を強くビンタした....。
そして、私の目を見て

「あなた甘いのよっ....!!
逃げないって決めたんでしょ!?
本当は菜々美ちゃんの事.....
大好きでたまらないんでしょ....!?」

初めて声を荒げた佐野さんを見た...。
佐野さんに何がわかるんだ...??
とか思うけど、でも佐野さんの言ってることは
すべて違うと言ったら嘘になる....。

私はもう何もかも捨てるつもりで....
目をギュ...っとつぶって大きく息を吸って....

「そうですっ!!!私は桃宮菜々美が大好きです!!!
好きで、好きで、好きで、大好きですっ!!!
ずっとそばにいてほしい大事な存在っ....ですっ...」

叫んでる間に心の何かが　スゥ～....　っと
抜けていった....そして、気持ちが軽くなったのか
私は自然と涙がこぼれていた。

そんあ私を見た佐野さんは微笑んで

「言えたじゃないの。」

と、ただ一言つぶやいてくれた...。

菜々美は私を見て口を押さえながら
おお泣きしている....。

そして、うつむきながら

「うっ....ごめんなさい....ごめん...
ごめんね、莉華っ!!!ごめんっ....!!!
莉華は何も悪くないのに...ごめん...。
私の努力が少なかっただけなのにっ....!!」

「ううんっ!!菜々美は何も悪くないよっ!!!」

私は菜々美に抱きついた。
そして、力強く抱きしめた....。

菜々美も抱きしめ返してくれた。

「クスッ、2人ともいいわねー。
固い絆ってやつかしらねっ??」

と、微笑んだ佐野さんは、
大きな一眼レフカメラをだして

「2人とも泣いてる場合じゃないわ。
まだ撮影してないのよ??ほら、
最高の笑顔を見せて??」

「「ハイッ!!」」

私は達は今まで見せ合ったことも
誰にも見せたこともないような
最高の笑顔でＶサインをした。

菜々美との絆...切っても切れない絆....。
そう確信できたから、よかった....。

でも....翼君の事はまだ...。
何も終わってはなかった....。


※実話ではありません。（続く）