true love #32
- カテゴリ:自作小説
- 2013/03/08 17:25:16
主な登場人物
・森咲莉華…美人で有名なカリスマモデル。真也と付き合う。
・河野真也…学校では王子と呼ばれるほどのイケメン。莉華の彼氏。
・桃宮菜々美…可愛らしい女の子で莉華の親友。スポーツ万能でバッサリ言う。
・村田敦…菜々美と莉華の幼馴染。イケメン。莉華が好き。
・高田翼…莉華達の小学校の頃の同級生。イケメンで第三の王子。莉華の事が好き。
第三十二章 『自然な関係』
PLLL.....♪
「グスッ.....。」
出る涙と声を我慢して、
鳴るスマホを手に取った。
「もしもし....」
「あらっ、なんかちょっと鼻
声じゃないっ!?大丈夫なの!?」
相手は編集さんの塚原さんだった。
「はい、大丈夫です...。」
まだ鼻声ながらも、
”大丈夫”と返事をした。
「んー、まあ無理しないでね。」
「はい、ありがとうござます。
.....で、用件はなんでしょう??」
「あっ、そうそう。
今日はね仕事に
ついてなんだけどね~....」
「はい...はい...。」
「────ってなわけでよろしくっ!!」
「わかりましたー...」
プッ...。
「.......あ」
塚原さんの仕事の内容を聞いて
すごくいい事を思いついた。
一か八かだけど...
これで成功すれば明るい未来に繋がるっ...!!
結果はどうであれやってみるしかない!!
「よっしゃぁ....!!!」
私は燃えた。
この作戦がうまくいくように...。
「よし、じゃあまず
佐野さんに連絡っと....」
ピッピッピッピ......
PLLL.....♪
─────ガチャ。
「はい、もしもし??」
「あっ、佐野さんっ...!?
実は頼みごとがあるんですが...」
「何々っ....??」
私は佐野さんに頼みごと、
そして作戦をすべて伝えた....
「───で....いいですか??」
「ええ、そういう事ならOKよ!!」
佐野さんは明るくOKしてくれた。
「ありがとうござます、佐野さん!!」
「ええ、じゃあね~。」
プッ...。
「うん....いける...!!」
私は気合を入れた...。
ポンポン
「莉華。」
「あっ、真也君っ。
それに...敦もっ!!」
「よお、いいアイデア
でも思いついたか??」
ニヤニヤしながら聞く真也君。
私もニヤニヤしながら....
「うん、実はね.....」
作戦を全て伝えた。
2人は顔を明るくして
「「よっしゃ、やろうぜっ!!」」
と、はもらせた。
「ありがとうっ!!!」
色んな協力者がいる....。
この作戦、絶対成功させたい...。
───放課後。
作戦実行の放課後が来た...。
菜々美は相変らず私と目さえ
あわそうとしてくれない...。
だが、ずっとそんなんで
引きずるわけにはいかない....!!
PLLL.....♪
(おっ、来たぁっ...!!)
私はスマホを急いで手に取って
「もしもし??塚原さん??
....はい、わかりました。」
連絡をもらった私は
急いで校舎の外に出た....
そして、迎えの車に乗り込んだ。
「今日はよろしくお願いします。」
「ええ、任せておいて。」
お互い挨拶し、撮影スタジオへ向かった....。
そしてスタジオに着いて、数十分....
「ちょっ、何なんですかっ....!?」
「お。」
菜々美の反抗する声....。
明らかに怒っている声だが
「早く来てっ!!」
響く佐野さんの声....
菜々美には悪いけど
これが一番いい方法だと思う。
「莉華ちゃん
本当によかったの...??」
「え....??」
塚原さんは不安気な目をしながら
私の顔を覗き込むようにたずねた。
「メイク....佐野ちゃんに
してもらわなくてよかったの...??」
この問いに私はニコリとしながら
「いいんです...!!
自分流のメイクでいいんです!!」
と、返した...。
「そう...ならいいの...。」
塚原さんは優しく微笑みながら
私を見てそうつぶやいた.....。
「はーい、できましたー!!」
メイク室から聞こえてきた
佐野さんのOKサインの声....。
「よし、行って来いっ!!!」
塚原さんは勢いよく背中を押してくれた。
振り返ると塚原さんは優しく微笑みながら
Vサインをしていた...。
私は笑みを浮かべながらVサインを返した。
「もう!!何なんですかっ...!?」
腕を振り払い、パッと菜々美が見たのは
「.....莉華??」
私だった....。
目が合ってしまったが、
動揺はしない、絶対に。
佐野さんは静かにガッツポーズで
”ガンバレ”のサインをし、静かに
その部屋から出て行ってくれた...。
菜々美と私、2人きりだ。
「.....へぇ。
莉華はすごいね。」
菜々美は呆れたようにつぶやく。
そして、こう続けた....
「莉華は権力があるわけ。
モデルっていう権力が....??
何??撮影すれば絆が戻るとでも??」
菜々美は涙を目に浮かべて....
「そんな簡単なことじゃないの!!
少しくらいわかりなさいよこのバカっ!!」
と、涙を流しながら声を荒げ、
テーブルの上のメイク道具を床に落とした。
「っ.....!! 菜々美....。」
初めて見た菜々美の姿...。
私は怖くて小刻みに震えてしまった...。
でも...絶対に...逃げないっ....!!!
「ごめんなさい、そんな簡単に
考えたワケじゃないのっ...!!!!!!」
「じゃ、何なの....??」
「......写真ってね??
その人を映し出すのよ...。
本当のその人の姿をね...。」
私は気付くと口が動いていた...。
止めようと思ったが止まらない...
「私は菜々美が大好き、すごく好きっ...
菜々美が私に今まで見せなかった顔とか
他の人にしてるとすごく辛いのっ....」
「なっ....」
「私はっ.....!!!!」
菜々美の言葉をかきけすように言った。
そして、こう続けた....
「私は....菜々美の本当の姿が知りたい。」
気付けば頬に涙がつたっていた...。
でもそんなの気にしてる場合ではない。
「だからっ...お互いっ...全部何も隠さず
ありのままの姿で撮影して...分かり合いたくてっ....」
拭いても拭いても出てくる涙....。
私は....情けない...。
「.....わかった。
全部話し合おう。」
菜々美はグッと私を見て
「何もかも包み隠さず....
私達が思ってたことすべて....。」
とうとうこの日が来た...。
包み隠さず、ありのままで話す日が...。
どっちに転がるかはわからない...。
だが、結果がどうであれ
この日をムダにする気はない。
すべてさらけ出しあう。絶対に....。
※実話ではありません(続く)
なんか、aichaさん...
すごい小説上達してますね...。
前も本当に上手でしたけど、今回のはもっともっとすごいです!!
すごい引き込まれます*