主な登場人物
・森咲莉華…美人で有名なカリスマモデル。真也と付き合う。
・河野真也…学校では王子と呼ばれるほどのイケメン。莉華の彼氏。
・桃宮菜々美…可愛らしい女の子で莉華の親友。スポーツ万能でバッサリ言う。
・村田敦…菜々美と莉華の幼馴染。イケメン。莉華が好き。
・高田翼…莉華達の小学校の頃の同級生。イケメンで第三の王子。莉華の事が好き。

第二十九章　『菜々美の絡み合う感情』

───タッタッタッタ

「菜々美っ....。」

私は急いで
菜々美のとこに来た...。
だが、なんやら
入ってはいけない雰囲気...。

敦と菜々美が話している...。

「何で追いかけてきたの....??」

と、菜々美の声が聞こえる...。

「心配だからに
決まってるだろ。」

と、敦が言う。
そんな敦を両手で押して

「なんでなの....!?
なんでそんな事言うの....!?」

涙をながしながら言う。
そして、手を挙げた.....、だが....

途中で手を止めて
その手を下におろして

「......やめてよ」

とつぶやく。

「えっ....??」

菜々美は顔をグッと上げて、
敦の目をみなら涙を流して

「そういう中途半端な
優しさはやめてよっ....!!」

と、大声を上げた....。
そして敦に背を
向けて走っていった....。

「あっ......。」

私は菜々美の後ろ姿を
必死においかけていった──....。

追いかけているうちに
菜々美はピタッ!!っと止まった...。

「なっ...菜々美...」

と、手を伸ばした───....
だが.....

「なんで....??」

「えっ...??」

菜々美は鼻声で
一言つぶやいた....。
ただ一言....

なんで....??　
　　　　　　......と。

そしてこう続けた....

「なんで莉華ばっか.....
何??私は幸せになっちゃ
いけない存在なワケ...??」

菜々美は拳を握り締めて
小刻みに震えていた.....。

「菜々美...
そんなんじゃないよ....。」

「じゃあ何なのっ....!?」

声を荒げて言った....。

じゃあ何なの....!?
そう言われたら答えれない....。
こんなのに答えなんてない....。

私は黙り込んだ。
すると菜々美はうつむいて

「ごめん、一人になりたい...。
できれば莉華とも....もう.....」

そしていつか聞くことになるだろう
と思っていた菜々美の言葉......

「もう関わりたくない。」

「.........え??」

まさかこんな早く聞くことになるなんて...
私が予感してしまっていた

”関係が崩れる世界....”

まさかこんなすぐ来るなんて....
思ってなかった....。

「じゃあね....。」

菜々美は一人で立ち去っていった...。

悪いのは全部私....。
最悪なのは全部私....。

どうすればいいかわからない...。

ポンポン
「莉華。」

「真也君....。」

「大丈夫??」

真也君は心配そうに
たずねてくれた。

大丈夫なんかじゃない...。
私は答えず、こらえていた涙を
溢れさせて泣きじゃくった....。

すると、真也君は私を抱きしめて

「ごめん....。
全部俺のせいだ...。」

「え.....??」

全部俺のせい....??
これにはどんな意味があるのだろう....??


※実話ではありません（続く）