true love #20
- カテゴリ:自作小説
- 2013/03/03 18:48:41
=主な登場人物=
・森咲莉華…美人で有名なカリスマモデル。真也と付き合う。
・河野真也…学校では王子と呼ばれるほどのイケメン。莉華の彼氏。
・桃宮菜々美…可愛らしい女の子で莉華の親友。スポーツ万能でバッサリ言う。
・村田敦…菜々美と莉華の幼馴染。イケメン。莉華が好き。
第二十章 『信じられない事実』
拍手に包まれた私達は
顔を見合わせて笑った.....。
その後ろで菜々美も拍手してくれている....。
全員から祝福されたような気分だった....。
最高に幸せに包まれた....。
すると、影のほうでコソコソいう女達がいた....。
そして少し聞こえてきたキーワードが
吉野麻子
だった.....。
あの子達に話を聞くため
私は近寄っていった....。
「ねえねえ、あなた達って
吉野麻子の事詳しく知ってる??」
「あっ、莉華さんっ!!
聞こえてたんですかっ!?」
「いや....吉野麻子っていう
キーワードは聞こえてたけどね....。
それ以上は聞こえてないよ。」
女達は胸をなでおろして
ホッとした顔で
「「なぁ~んだぁ~よかったぁ~!!」」
と、皆ではもった。
そして、一人の女の子が
「実は吉野麻子は昔から
真也君の大ファンだったらしくて~」
「えっ??ファン....??」
女の子はコクリとうなずいて
「はい、っていうのもちゃんとした
ファンクラブってわけじゃなくて.....。」
女の子はほかの女子と顔を見せ合わせて
少し言うのをためらった。
「ん??どうしたの??」
「いえ....その.....。」
そして、女の子はうつむきながら
目だけ私に向けて
「実は....好きだったっていうか....。
勝手に好き好きって言ってつきまとっていて....。
なんか自分で真也君は自分が好きって
思い込んでるらしいです....。」
「えっ......!?」
私は目を大きくして驚いた。
「今回の件もきっと
莉華さんがモデルだから
とかいう理由じゃなくって......」
女の子は後を引くように腰を引かして
「真也君の彼女だからだと思います───・・・。」
私は衝撃を受けた....。
真也君の彼女だからこんな事をした....??
それって....それって....。
「ストーカーなの...??」
たずねると女子達は
コクッコクッといっせいにうなずいた。
どうやらこの事実は皆知ってるみたいだ....。
「......なるほど」
今回の件はだいぶ大きそうだ。
真也君も鈍感だから気付いてなさそうだし....。
「わかったありがとうねぇ~!!」
私は微笑んで
女子達から離れていった....。
教室まで向かって走っていったら
頭によぎる言葉....。
自分の事が好きって思い込んでるらしいです────・・・。
真也君の彼女だからだと思います────・・・。
頭がおかしくなりそうになる....。
今回の事もう終わったと思ってたのに....。
私は拳を握り締めた。
すると、後ろから足音が聞こえた。
後ろに振り返ると
「おーい、莉華ぁ~!!!!」
真也君だった。
「ああ、真也君....。」
「どうした??
なんか元気ねーなぁ。」
「へっ??そんな事ないよぉ~....。」
引きつりながらも笑って答えると
真也君は私の頭をポンポンとなでて
「無理すんなよ。
お前は隠すの下手なんだから。」
「なぁっ!?そんな事ないわよ!!!」
と言うと、真也君は無邪気に笑った。
「よかった、元気になったじゃん。
そうやって笑ってろよ、なっ??」
と、微笑んで真也君は私の肩を抱いて
「さっ、教室に行くかぁ~」
と言った。
だが....今この状況で行ったら.....
「さっ....さすがに
このポーズはっ..../////」
と恥ずかしがると真也君は
「今さらなんだよ
行くぞー。」
と言って、強引に
引き連れられていった....。
────────ガラッ。
ドアを開けた瞬間、
やはり視線がこっちに向く....。
だが、男子も、女子達も
「よっ!!お似合いカップル~!!」
「もぉ、莉華さんキレーすぎ~!!
美男美女カップルだよねー!?」
「ちょー、目の保養~!!!」
と、騒ぐ....。
「あっ....はははっ....。」
今こんな騒がれるのは困る....。
だっ....だって.....
────────ガラッ。
「・・・・・・・。」
教室はザワめく....。
「吉野麻子だぁ....。」
「よくノコノコこれるなぁ~。」
と、ヒソヒソ聞こえてくる...。
ほかにも汚い言葉が....。
吉野麻子はだまって席に座った...。
私はそっと真也君を見た。
すると、真也君は憎しみをあらわした
ような表情を浮かべながら吉野麻子を
睨んでいる─────....。
これで伺えるのは一つ。
真也君は吉野麻子を恨んでいる....。
となれば問題が重なる....。
吉野麻子は真也君が好き。
しかも自分の事好きと思い込んでいる....。
そして真也君と私は付き合っている....。
だから吉野麻子は私を恨んでいる....。
でも真也君は吉野麻子を憎んで────.....。
なんか色々ややこしいことになってきた....(汗)
私は一つため息をついて席に座った。
すると、次に敦が教室に入ってきた。
教室はザワめくが、私の時とかとは真逆で....
「敦君だぁ~.....。」
「かわいそうよねぇ~.....莉華さん
の事ずっと好きだったんでしょ??」
「何年間も片思いしてたんだもんね....。」
そんな同情の言葉が飛び交う。
私は耳をふさぎたくなった....。
私がうつむいてると真也君は
私のほうに歩いてきてポンと肩を叩いて
口をパクパクさせた。
その言葉を見た私は
涙が出そうになった....。
その言葉は─────......。
大丈夫だから。
私はいったい何人傷つけるの??
私って最悪だ....。
※実話ではありません(続く)