true love #16
- カテゴリ:自作小説
- 2013/03/02 00:44:05
=主な登場人物=
・森咲莉華…美人で有名なカリスマモデル。真也と付き合う。
・河野真也…学校では王子と呼ばれるほどのイケメン。莉華の彼氏。
・桃宮菜々美…可愛らしい女の子で莉華の親友。スポーツ万能でバッサリ言う。
・村田敦…菜々美と莉華の幼馴染。イケメン。莉華が好き。
第十六章 『突然のキス』
唇と唇が重なり合った瞬間、時が止まったようだった....。
突然の事で頭が真っ白で、拒否や抵抗さえもできなかった....。
唇が離れた瞬間、敦は口に片手をあててつらそうに
「ごめん.....。」
と、ただ一言だけつぶやいた。
「ごめん....??
そんなんで許される話なのっ.....!?」
私は怒った。これは当然の事だと思う。
だって、彼氏がいるのに....私はケジメを付けに来ただけなのに.....。
なんでこんな事になってしまったの.....??
敦は目に手をあてて
「そうだよな....。俺.....情けないよな.....。
早く諦めろっていう話だよな....。」
と、つぶやいた。
「なんでっ.....!?
なんでこんな事したのっ......!?」
私は敦の服をつかんで問い詰めるように聞いた。
敦はうつむきながら
「自分でもよくわからない.....。
収まらなかった.....。」
敦は拳を握り締めて唇をかみ締めた。
そんな表情を見ると、私はつい力が抜けてしまう......。
でも、同情はしないって決めた。それに今回は同情とかそういう問題じゃない。
「敦、あのね。この件は静かに解決したい。
大事にしたら.....ダメだし。」
私は真也君の事を考えてつぶやいた。
「じゃあ、率直に聞くけど.....
敦はまだ私のこと好きなんだよね??」
さすがに率直すぎるが、こういうのは聞かなきゃやってられない。
ここでケジメつけるって決めたんだ。
「........うん。
それはハッキリ言える。」
敦は私の目をしっかりと見て伝えた。
「......うん、じゃあ
次に聞くけど菜々美の事は??」
敦は スゥ..... っと深呼吸をして私の目を見て
「菜々美の事は悪いけど
幼馴染としか見てない。」
幼馴染としか見ていない────・・・。
この言葉がなんだか私にはとても冷たく突き払うように聞こえた.....。
私はなんだか悔しかった。
敦に好かれてることは嬉しいことだと思う。
でも....やっぱりなんか複雑で、菜々美が好きって言ってから
菜々美と敦がくっつけばいいって思ってた....。
でも.....今ちゃんと敦にこうやって目と目をむき合わせて”好き”といわれたら.....
すごく複雑────・・・・。
「幼馴染.....か....。」
私はつぶやく。
唇をかみ締め、拳を握り締めて.....。
敦は頭を抱えて
「ごめん、菜々美の気持ちは
十分しってる。でも.....俺はあの頃からっ.....」
私は急いで両手で口を防いだ。
「っ......。ごめん、それ以上聞きたくない.....。」
私はケジメをつけなきゃと思ってたのに.....なんなの....。
いきなりのキス、それからここまで転がるなんて.....。
でもこれだけはわかった。
菜々美の事は幼馴染としか見ていない────・・・・。
これだけは敦の中で変わらないんだな....。
「.......わかった、ケジメ....つけよう.....」
私は一度決めた決心を貫くためにも......。
私がやらなきゃいけない。
「敦、私は敦が好きだよ。でも
敦と一緒で私は敦を幼馴染としては見ていない。」
私はしっかりと目を見て
「その気持ちは二度と変わらない。 ・・・・ごめん」
私は頭を下げた。
何年間も思い続けてくれているのは知っている。
でも.....そんなんじゃ恋なんてやってられない。
敦は私の下げてる頭をなでて
「大丈夫、気にするな。
.....俺もしつこくてごめんな」
と フッ.... っと笑って
「俺も変わらなきゃな」
と笑って体育館倉庫の出口でクルッと振り返って
「今日はごめんな、キスなんかして。
俺もこれでケジメつけれそーだわ」
と笑って出て行った.....。
私は心のなかでつぶやいた。
ありがとう、敦。
そして、ごめんね....。
私はそっと目を閉じて、そう心でつぶやいた.....。
※実話ではありません(続く)
あー‼心配
敦君、ちょっと見直しました(笑)
だけど、菜々美ちゃんになんかしないといいですけどね...。
心配です(/_;)