修羅能『頼政』を見ていた時…
- カテゴリ:アート/デザイン
- 2013/02/21 21:33:57
昨日見た能は『頼政』。
平家物語に題材をとった修羅能です。
修羅能とは、
生前の戦の罪によって、
死んだ後、修羅道に堕ちた武士の霊魂が、
幽霊となってこの世に現れ、
死後においても、己が妄執に苦しむ我が身を舞うという能。
昨日のお昼過ぎ、
能楽堂でこの能を見ていたのですが、
後シテの登場、
つまり、頼政の亡霊が現れる時、
ううう~、胸が痛い~
時々訪れる胸の苦しみが突然に…
この苦しみは、
狭心症や心筋梗塞といった物理的・病理的な苦しみではなく、
かといって心因的な苦しみでもなく、
でも、不意打ちのように我が身に訪れ、
突如として胸が苦しくなるのです。
以前、この原因を明らかにすべく
24時間心電図モニターなどをつけて測定してみたのですが、
診断は、毎回決まって洞性徐脈。
つまり、
私の循環器系統は、
安静時に手抜きをするらしく、
極度に脈拍数が少なくなるのです。
でも、痛みを伴わないのが洞性徐脈の症状なので、
時折訪れるこの痛みを伴う症状は、ちょっと変です。
ですが、結論は出ていません。
私の自己診断によれば、この症状は、
身体を無意識の内に調整する仕組みである自律神経の内、
神経が緊張すると脈拍が増加する交感神経と
神経が緊張すると脈拍が減少する副交感神経(迷走神経)のバランスが
崩れてしまった時に起こるのではないかと。
能を見ている時、
心身はリラックスしてますから、
副交感神経が私の身体を支配しているのだに思います。
ですが、昨日は「頼政」が登場という折に、
私は居住まいを正し、眼鏡を直して、スイッチオン!…
そしたら、あ…、
なんだか胸のあたりが苦しい。
そして冷や汗がたら~り…
こういう症状を呈している時、
能舞台の上、
8人で声を揃える地謡の声は、
ううう~、修羅の地獄から聞こえてくるような気がする…
あああ~、安寿も妄執に憑かれた罪深い女だしな…
昨日、荼毘に付して、
あちら側へ送り込んだ伯父さんが、
私を道連れにしようと能装束で現れたのか…
いやいや、
あの伯父さんに限って、
そんな風雅な現れ方はしない。 ☆\(ーーメ)
出るなら、
『ゲゲゲの鬼太郎』調だと思う。 ☆\(ーーメ)
ともかく神経系が原因で、
胸がキュンと苦しくなるのは、
これはひょっとして初恋!? ☆\(ーーメ) 無言
…などと、能楽堂の中で
アホな妄想を巡らせている間に
老武将姿の頼政の舞は
いつの間にか終わり、
しずしずと橋懸かりを退場していくところ。
すると、
私の胸の苦しみも、
潮が引くかのように、すーっと引いてゆく。
あら、不思議…
能楽堂を出でれば、
まだ、さんさんと降り注ぐ春の日差し。
ふーん、何かに取り憑かれていたのかしらん。
しかし、
私の内に
憑依の力が宿るのであれば、
巫女装束を誂えて、
占い、神託、加持祈祷で、
日々の糊口を凌いでみたくも思ふ。
誰?
巫女さんプレイとか言ったのは!! ☆\(ーーメ) 誰も言うとらん
「お兄さん、カワイイ巫女さんが
あなたにそっと「口寄せ」しまっせ」 ☆\(ーーメ) ☆\(ーーメ) すっかりその気
まだ、当分くたばらないな、この私…
雅楽器ではありませんが、
モーツアルトの『魔笛』も一応、
管楽器が重要な役割を果たしているかなと…。
歌舞伎や落語の怪談話では、
幽霊が出る時、
決まって、どろどろどろと打つ太鼓と
ひゅぅ~~という笛の音が。
文楽で、
幽霊が出る話は…、ええっと…
菅原道真が雷神となったり、
娘が鬼女になったりする話はあるけど、
文楽は基本的に三味線で奏でる浄瑠璃が基本なので、
笛の音はあまり聞いたことがありませぬ。
雅楽の、
篳篥(ひちりき)や笙(しょう)は、
私には長閑すぎて、
霊感の戦慄までには至りませぬ。
凛とした中にも、
切り裂くような激しさを奏でる点では、
やはり能の笛か?
時に激しく、
時に何処かへ消え去るような音色が、
私をあの世へ誘ったのかも… (^^;)ゞ なんちゃって
教会のオルガンの音は、
私には突如日常を揺るがして、
「汝、悔い改めよ!」と迫ってくるところがあるので、
安寿にとっては、
幽霊の誘いではなく、
神の審判という感じがしています。
罪深い女ゆえ…、あーめん。
気のせいなのかな。。。
教会のオルガンの音も
ゾゾッとする時があるけれど