true love #6
- カテゴリ:自作小説
- 2013/02/21 17:52:26
✿主な登場人物✿
・森咲莉華…この物語の主人公。美人のカリスマモデル。本当の恋がわからない。
・河野真也…まさに学校の王子のイケメン、完璧。莉華と同じ学校。
・桃宮菜々美…莉華の親友で幼馴染。スポーツ万能でバッサリ言う。
・村田敦…莉華と菜々美の幼馴染。イケメンと近所で有名。莉華が好き。
第六章 『二つの恋心』
「・・・・・・落ち着いた?」
抱きしめながらつぶやく真也君......。
その優しい声を聞いた私はまた辛くなったけど…。
もうあまえてられない…。
私はそっと真也君の胸を押して
無理に微笑みながら
「大丈夫…ありがとう…」
と言った。
すると真也君はグッと私の手を引き寄せて
ギュッ・・・・っと優しく抱きしめてくれた。
「えっ…?真也…君…?」
「……森咲、お前…わかりやすすぎ…」
と、真也君は悲しそうにつぶやいた・・・。
・・・・・・私のつらい気持ち・・・わかっててくれてたの・・・?
「……真也君って優しいんだね…」
私は本気で思った━━━━・・・・。
真也君の優しさ…心の奥の奥まで染み込むように伝わってくる…。
数分たって、真也君はそっと私の両肩をつかんで離して・・・・
「どうだ…?大丈夫になったか…?」
「うん…ありがとう…」
ヤバイ…まだ大丈夫じゃないのに…。
「うっ・・・・・」
私は泣きそうになった・・・・
だめ・・・ここで泣いたらめんどくさい女になるっ━━━━・・・・。
嫌われたくないよ・・・・・。
「……森咲、オレの家来る?」
「・・・・・・・・・・へっ?」
「大丈夫、何もしねーって」
と、微笑む真也君を見て私はギュッと真也君の手を握って・・・・
「どこでもいい…なんでもいいから…どこかにつれてって・・・・」
とつぶやいた。
自分でもおかしいと思う。
でも…しょうがないの…今は…どこかへ行きたい気分。
そして、数分後・・・・・
「着いたぞ、俺の家だ。」
大きい一軒やだった。
白くてお庭もきちんと手入れされている。
どうやらこの家の人はガーデニングが趣味らしい・・・。
「ほれ、入れよ。」
ドアを開けながら待ってくれている真也君。
私は小走りでドアのほうへ向かい
「お邪魔します・・・」
と、入った。
玄関を見ると靴がまったくない・・・。
あるといったら真也君の靴くらい・・・・・。
まあ、出かけてるのかもしれないけど・・・・。
真也君はスリッパを差し出して
「はい、スリッパはいて。」
「うん、ありがと・・・」
というと真也君は微笑んだ。
そしてリビングのほうへ案内してくれた。
「コーヒーでいいか?」
「あ、うんっ、ありがとう。」
真也君の家のリビング…。
真也君がキッチンに立ってる姿…。
なんかドキドキする・・・。
やっぱり私…真也君の事のほうが……?
……もしこれが敦だったら…どうなってるんだろうね…。
「……はい、どうぞ。」
と、コーヒーを差し出してくれた。
私はコーヒーカップをゆっくり口に運んだ。
ズズズズズズズ........
「おいしい…真也君作るのうまいのね。」
と、微笑んだ。
「そんな事ないよ。コーヒー飲んだら落ち着くはずだからゆっくり飲めよ。」
「ありがとう、そうさせてもらうね」
私は思った・・・やっぱり真也君は優しい・・・。
でも今絶対真也君しか心にないとは…ハッキリいえない…。
敦の事好きって言ってもコレは間違いじゃないと思う…たぶん…。
そして数時間後━━━━━・・・・・。
現在 7:30・・・・。
「あ、もう7時過ぎてるな…。帰らなくて大丈夫か…?」
真也君不安そうに問いかけてきた・・・。
「うっ…うんっ…そっ…ろそろ…かえるわっ…」
私は無理して笑いながらカバンを手に取った。
そして泣きそうな顔を下に落として玄関へ急いで向かった━━━━・・・・。
すると、腕をグッとつかまれた。
「森咲、こっち向け。」
「……なんで?」
「いいからっ!!!!」
真也君はグイッと後ろに向かせた。
私は泣いていた・・・・。
「……まだ辛いならここにいろよ」
「……いやっ…でもっ…」
「お前のつらそうな顔見たくないんだよっ!!!」
急に大声をあげた真也君・・・。
「……しっ…真也君…。」
真也君はグッと唇をかみ締めて
深呼吸した後、スッと顔を上に向けて真剣な眼差しを向けながら・・・
「好きなんだ…森咲の事…」
と言った。
私は頭が混乱した。
「・・・・・・え?」
だが、戸惑う暇もなく、真也君はグイッと私の腕を引っ張って
アゴをクイッとあげて唇と唇がくっつく寸前のところで止めて
「嫌だったらよけてくれ…」
といわれた。
真也君はゆっくり・・・ゆっくり・・・一歩、一歩、歩くかのように唇を近づけていった。
力強くギュッと怖くて閉じていた目がいつの間にか
真也君の何もかも受け入れたようにゆっくりまぶたを閉じた......。
これではっきりわかった。私は今胸張っていえる。
真也君が好きです・・・大好きです・・・。
敦にこうされたらとか…考えても考えても君しかありえません。
気付けてよかった…。
そして、私と真也君はお互い包み合うように、口付けをかわした・・・・。
お互い、何もかも受け入れる覚悟をした後で・・・・。
※実話ではありません。(続く)
ついに真也への気持ちに気付けた莉華。
だが敦の気持ちと菜々美の気持ちと莉華の交差する感情はどうなる…?
次回も見てください!
良かった、莉華ちゃん決心したようですね。
でもаichаさんの小説はこれからいろいろと起こりそうですからね...。
すっごくよかったです!!