金狼の重圧…24
- カテゴリ:自作小説
- 2012/12/24 16:37:11
鋭かったミカミの目がその質問を聞いた後、さらに鋭さが増した。
ユウジは気づいていた、ウルフの話をするたびに自分やその他の走り屋のことに対し激しい敵意を示していたことを。それをミカミは目で表していた。
本当は『仁王たち3人』この質問を真っ先に聞きたかった、なぜなら、ここへ来た時からユウジはミカミのことを怪しく思っていたからだ。あの3人の精神崩壊には、何かしらこの男が絡んでいるのではないかと。
その予感は、この大きなゲーム機を見て確信へと変わりつつあった。
古びた時計の秒針のようにゆっくりとした間隔で目を動かすミカミ。何故にその事を聞くんだ?光が飛び散り月明かりさえも跳ね返すほどの怒りにも似た表情は、ユウジに襲いかかりそうなほど目の前まで迫って弾け飛んだ。
それでもユウジは怯まない。聞きたいことは今聞いておかなければ、こいつはまたいつ姿を消すか分からない。もう二度と探し当てることは不可能のような気がする。
「ウルフの思念とあんたの怒りが関係しているんじゃないのか?」
「ウルフの思念?俺の怒り?…何をバカなことを…もしかして君は彼らの症状は俺がしかけたものだと言いたいのか?」
「そうだ…みんなあんたが開発したこのゲーム機でウルフと対戦したんだろ?精神が崩壊する症状と、このゲーム機が関係しているんじゃないのか?と言ってるんだ」
「なるほど、このゲームでか…そんなことが本当にできると思っているのか?」
ミカミは眉間に皺が寄った。明らかに不機嫌になっている。その不機嫌さを見ずにユウジはもう一つの考えをつぶやいた。このゲーム機が怪しい、そう思っていたと同時に違うことも考えていた。
「…それとも…ウルフの呪いか?」
呪いとは非科学。言霊という言葉があるように思念にも魂がある。それを飛ばし相手に災いをもたらす。それが本当にあるのなら…ウルフの呪いと言っても過言では無いかも知れない。
「呪い?…呪いとは古風だな。君は面白いことを言う」
ユウジは口にしたくない言葉を口にする。俺たちは遅いと言うことを、それを認めることをしたくなかったからだ。自分はともかく、仁王たちやバタフライのことも遅いとは認めたくなかったからだ。
俺たちは遅い、ユウジは悔しかった。だが、言うしかなかった。
「ウルフの精神が崩壊した原因が俺たちの遅さならば…恨まれていて当然のような気がしたからだ…」
今回も気になることが、盛りだくさんですね^^
精神崩壊の原因はゲーム機によるものか、呪いなのか・・・。
実はその両方だったなんて、大胆予想!!
・・・いや、まぁ深い根拠はありませんけど^^;
何歳まで、プレゼントってもらえるのか、気になります!!