Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


小さな森の恋 #45

✿主な登場人物✿
・ティーナ…妖精の女の子。この物語の主人公。
・クリス…人間の男の人。ティーナの恋人。
・ミィーナ…ティーナの姉。村一番の美人でモテる。
・ヴァン・レナード…妖精の男の子。ティーナに想いを寄せる。
・マリー…人間の女の子。美しくて、可憐で、町一番の美人。
・ジル・マティ…すごく強い。 時々前暮らしてた場所の言葉をつかってしまう
・リズ・マティ…ジルの妹だが、父親が違う。ジルが大好き。

第四十五章 『私にはできない』

「…あ、ヴァン。」

ミィーナはティーナの病室に戻ってきてた。

「お前ティーナから離れるなよ。 ティーナずっとうなされてたんだぞ?」

「ごめん…」

「?ミィーナ、お前目はれてない?」

「っ─────────!」

ミィーナはすばやく、目を両手で隠した。

「……泣いたのか?」

ヴァンはすぐに気付いてくれる、とても優しい青年。

ミィーナは心の中でつぶやいた。

”…こうやって気付いてくれるところが…大好きだった…” と。

でも────────────

「泣いてないよ?ははははっ」

カラ元気を演じるミィーナ。

そんなミィーナに気付かないはずもなく、ヴァンはミィーナの手を握り締めて・・・・

「なにがあったのか知らないけど…大丈夫、オレは味方だから。」

優しく微笑むヴァンの笑顔は、ミィーナの心を強く刺した。

ミィーナはその微笑を見て

”やめて…そんな笑顔見せないで…そんな言葉言わないで…”

ミィーナは涙を流した..... 

「───────っ!おい、ミィーナっ────!?」

ミィーナはヴァンの胸に飛び込んで、頭を下に向けて、泣いた。

「お願い…今日だけこうさせて…。 私にはできないの…もう…戻れないの…」

と、つぶやいて、ヴァンの服を ギュッ.... と切なく、握り締めた。

その感情はヴァンにも痛いほど伝わった......

「ミィーナ…お前…いったい何したんだ?」

まるで、もう自分には後がないというかのように涙を流すミィーナを見て

心配になったヴァン。 そしてなによりも気になる

”私にはできない。 もう戻れない” というセリフ───────。

「ヴァン…ごめんなさい、ごめんなさい…。」

ミィーナは心配してるヴァンを分かり、謝った。

ミィーナは心底辛かった・・・

妹の事が好きな、ヴァンに対し、ミィーナが次に愛した人は

妹の恋人のクリスなのだから… オマケに相手は人間。

散々自分もティーナをせめてきたからティーナにいった言葉が

そのままソックリ自分に言われてるようで、怖かったのだ・・・・・・・。

「………手、震えてるぞ?」

ミィーナの手は激しく震えていた。

「…今はなにも言わないで…何も…言わないで…お願いだから…」

ボロボロに涙を流して、手を震わせ、体を震わせるミィーナ。

そんなミィーナの体をなでて、落ち着かせた。

「大丈夫…大丈夫…」

言葉でも、心の中でも…そうつぶやきながら…。


─────────そして、翌朝。

「・・・・ハッ、もう朝?」

ティーナが起きた時間は、8:30分。

ティーナの横にはヴァンの姿があった。

「ヴァン…きてたのね…。」

そんなヴァンをゆすって起こした。

ヴァンはすぐ、起きた。

「ん、ティーナァ?お、おはよう…」

「ヴァン、眠そうだね。 何時に寝たの?」

「・・・・おぼえてね~」

ヴァンは頭をポリポリとかいて、立ち上がった。

「ティーナ、ちゃんと朝食、食えよ。」

「ったく、お兄ちゃんみたいだね、ヴァン。」

”お兄ちゃんみたい” そういわれると、傷ついてしまうヴァン。

ヴァンはいまだに、ティーナの事が好きだった。

「…ティーナ、アイツとはまだ続いてるのか?」

辛そうに聞くヴァン。

「・・・・・別れた。」

「えっ、マジでっ!?」

急に声がワントーンあがったヴァン。

それに、すごく嬉しそうな顔。

「ヴァンもその顔か…もう見飽きたわ。」

そっけない態度をとったティーナ。

「当たり前だろ?オレはまだお前が好きなんだから」

平然というヴァンに対し、その言葉を聞いたティーナは顔は真っ赤。

「ちょ、いきなり変なこと言わないでよ!!/////////」

顔が赤くなってるティーナを見て、ヴァンは笑った。

「ハハッ、ティーナは本当に昔からかわいいなぁ~。」

そして、頭に手を当てて

「よしよし」

頭をポンポンとなでた。

そのヴァンの手はすごく温かく、優しく、大きな手だった。

(あれ?ヴァンってこんな手大きかったっけ?)

ティーナは知らないうちにヴァンに見とれていた。

「?どーした?」

それに気付かないヴァン。

「えっ、いや、何もない…。」

「ふぅ~ん?そう?」

平然とするヴァン。 顔を赤くするティーナ。

2人は少し、距離が近づいたように見えたのだった。


その頃・・・・・・・・

「…………ジルさん」

リズがジルの前に現れた。

「・・・・どうしてここが分かったの?」

「教えてもらったんですよ、ニーナさんに…」

「フフッ、あなたはバカなの?あの人は死んだ、私が殺したのよ?」

リズは、一枚のメモをジルに渡した。

「何よ…コレ…」

「…死体を埋めてた時に…ポケットから出てきて…」

「……貸しなさい。」

ジルはそのメモを開いた。

そこには、こう書かれていた。

ジルとリズへ
本当にごめんなさい.....
償っても、償いきれない罪を犯しました。
あなた達が私を殺したい気持ちは十分わかるわ。
でも殺さないでほしい…あなたたちと和解したいの…。
ジルとよく行ってたあの森にまた遊びに行きたい………。
リズとよく遊んだ積み木…あれでまた一緒に遊びたいわね…。
2人とももうそんな年じゃないこともわかってるわ…。
でもお母さんにもう一度チャンスくれないかしら?
この手紙をあなた達が読むのは…私を殺してからなのか…
私から渡せるのか…どっちか分からないけど…この気持ちだけはわかってください。
愛してます…永遠に…。
             ニーナ・アニーより。

「・・・・・・・・・・・・」

「これでも、殺したことを後悔しないっていえるの?ねえ…いえる?」

ジルはずっと黙っている。

「言えないでしょ!?殺したことがバカみたいに思えるでしょ!?お姉ちゃん!!!」

カチャ。

音が聞こえた瞬間…リズの頭には銃が突きつけられていた。

「黙りなさい、少しあなたはおしゃべりすぎよ?」

「・・・・・!!」

何もわかってないかのように…何もおもってないかのように…。

ジルはいつもと同じ顔をしていた。

「…殺したこと…後悔してないの…?」

「後悔?ハッ、するわけないでしょそんなもの。 私に後悔という文字はないのよ。」

ジルは銃の弾を入れて.....

「私にある言葉はね…二つあるのよ…」

そしてセットした。

「一つは憎しみと.....」

そして、リズの頭に銃を向けて......

「殺意だけよ。」

パァァァァァァァァァァァァァンッ───────!


※実話ではありません。

アバター
2012/12/14 20:36
続き気になります



月別アーカイブ

2019

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009


Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.