小さな森の恋 #44
- カテゴリ:自作小説
- 2012/12/14 13:55:38
✿主な登場人物✿
・ティーナ…妖精の女の子。この物語の主人公。
・クリス…人間の男の人。ティーナの恋人。
・ヴァン・レナード…妖精の男の子。ティーナに想いを寄せる。
・マリー…人間の女の子。美しくて、可憐で、町一番の美人。
・ジル・マティ…すごく強い。 時々前暮らしてた場所の言葉をつかってしまう
第四十四章 『』
「………あの、あの言葉の意味教えてください。」
ミィーナはジルと奥深くの森へきていた。
「あら、わざわざここまで来たのはその話のためだったの?フフッ、笑えるわね」
ミィーナをあざわらうかのように笑った。
「…別に、悪気があってあの人と会ったんじゃないんです。 でも…ティーナには…」
「聞かれたくないの?」
ミィーナはゆっくりとうなずいた。
「あなたはどうしてそう思ったの?」
「え?」
「なんであなたはティーナに聞かれたくないって思ったのかって聞いてるのよ。」
ジルの質問に固まってしまったミィーナ。
「そ・・・れは・・・その・・・。」
「フッ、そんなんも答えられないんじゃ、あの言葉の意味も言えないわね。」
ジルは背を向けて、帰ろうとした・・・が、ミィーナが手をつかんだ。
「・・・・私が・・・ティーナに聞いて欲しくない理由は・・・情けないからです」
「・・・・情けないからですって?」
「はい、そうです。 今まで立派な姉をやってきたんです。なのに今さら…こんな…」
「・・・・・なんかあなた知ってるんじゃない?もしかしてこの言葉の意味もっ・・・・」
「しっ、しりません!!何も・・・知りません・・・。」
ミィーナは悲しげな顔をうかべて唇をかみ締めている。
「……あなた…何を見たの…?」
「そ・・・れは・・・指輪・・・」
そう、ミィーナはあの時見てしまったのだ。
クリスが悲しそうに持っていたあの指輪に刻まれた名前…。
そう…そこに刻まれてた名前は…
「ティーナ…ティーナ&クリスって指輪に刻まれてた…。」
「……あなた…それでも好きなの?」
「・・・・・はい。 だから…その…ジルさんに本当にそうなのか確かめたかったんです。」
「・・・・あなたの想像通りだと思うわよ?きっと・・・・・」
そういって、ジルはその場から去っていってしまった。
「…ティーナ、ごめんね…私…」
ミィーナは拳を握り締めて、その場にたちすくみ、涙を流した。
※実話ではありません。