Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


小さな森の恋 #38

✿主な登場人物✿
・ティーナ…妖精の女の子。この物語の主人公。
・クリス…人間の男の人。ティーナの恋人。
・ヴァン・レナード…妖精の男の子。ティーナに想いを寄せる。
・マリー…人間の女の子。美しくて、可憐で、町一番の美人。
・ジル・マティ…本名はジル・マティだが、仮名を使っており、仮名、アリス・コニー

第三十八章 『命』

「リズさん…ニーナさん…」

ティーナは2人の手を握り続けた…。

救急車が来るまで、ずっと握っていようと誓って。

「ティーナ…!!」

「クリスっ!?」

クリスは息を切らしている。

「どうしたの…?なんでここに…」

「いや、なんか…適当に来たらここについた。」

「・・・・そう・・・なんだ・・・。」

クリスは頭がよく、医者の腕も少しだが持っている。

「ティーナ、オレが応急処置をする。 完全にはできないが…。」

クリスは応急処置を始めた───

「・・・・すごい器用だね。」

ティーナは関心したような目でクリスを見た。

「ああ、医者の知恵も少し蓄えてたしな。父に鍛えられてたんだよ。昔。」

父という言葉を発したクリスは少し、寂しげな顔をした。

「クリス・・・?」

「よし、ティーナ、止血はできたから少しお前は休め。」

「えっ、でも…」

「大丈夫だよ。しかしよかったよ…妖精も同じ人間と体のつくりが一緒で。」

「あっ、そっか」

ティーナはすっかり忘れていた。

クリスが人間で自分は妖精だっていう事を────

「ティーナ?」

「あ、うん。休ませてもらうねっ!」

「ああ、そうしろ。」

クリスは温かい笑顔を見せた。

ティーナはさっきまで寝てたベッドへと移った。

そして、すぐ、救急車が来た。

「早く乗せろ、重体だー!」

救急隊員は急いでニーナを車に乗せた。

「この女の子は3発も撃たれてます!もう無理かもしれません!!」

「大丈夫だ、まだ間に合う。止血してくれてるから。」

「分かりました、乗せます。」

2人は救急車に乗せられて運ばれていった。

「…ありがとう、止血してくれてなかったら死んでたよ。」

隊員の一人が笑顔で言った。

「はい、どういたしまして。」

クリスが同席して病院へ向かっていった───

ティーナはそれから10分後に目を覚ました。

「ハッ───!寝すぎた…!クリス!?」

誰もいない。クリスも、ニーナも、リズもいないのだ。

「…え?なんで誰もいないの…?なんで…私を置いていったの…?」

ティーナは拳を握り締めて険悪な顔をしつぶやいた。

「許さないぃぃぃぃい!!!!」

ティーナは思い切り、走って病院へ向かっていった。

ティーナの頑張りが通じたのか、一発で運ばれた病院へついた。

「ちょ、ニーナ・アニーと、リズ・マティの病室はどこですか!?」

受付の人にすごい険悪な顔を向けて、問いかけた。

受付の人は顔が引きつってしまってる。

「あっ…あちら…です…」

指した方向へティーナは走っていった。

「リズさんっ、ニーナさん!」

2人は呼吸器をつけていて、意識不明の状態だった。

「止血して助かる確率は増えたんだが…。それでもこの様だ。」

「そん・・・なぁ・・・」

「もうちょっとオレが早く止血してれば…助かったんだと。」

クリスは悔しそうに唇をかみ締めた。

「クリス、そんな顔しなくても大丈夫。助かるって」

「なんでもっと早く来なかったんだろう…。なんで気付いてやれなかったんだろう…」

クリスは病室を出て行ってしまった。

「クリ…ス…」

ティーナは後を追うことはできなかった───。

そして、夜が来た。

「ティーナ、オレ今日とまっていくわ。」

「え?それだったら私が…」

「ああ、ティーナ”も”泊まっていけよ?」

「え、あ、えぇ?うん。」

ティーナは頭がこんがらがったが、そんなの気にしてる場合ではない。

早く…早く治れと願うことしかできないが・・・。そばにいてあげなきゃいけない。

「じゃあ、オレ、リズの荷物とってくるよ。待ってろよ。」

「ありがとう!」

クリスは行った。

「のどかわいたなぁ…。飲み物買ってこようかな。」

ティーナもその場から離れてしまった。

すると、窓からなんやらかの影…誰かが侵入した。

「皆甘いわねぇ…。私がなんて呼ばれてるかわかってんのかしら?」

ジルだった─────!

「狙った獲物は逃がさない豹だって言われてるのよ?」

ジルは銃を構えて、ニーナのほうへ向けた。


※実話ではありません。




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