Nicotto Town


剣 金太郎


心に残るネットの落とし物 5

・・・・昔々 ある所に一人の駄目人間がい ました

そいつは大学を中退して社会に出るため職を 転々と廻ったんだ 1社 2社 3社・・ ちょうど冬の寒さが身に沁みる時期でしょう か 12社目を受けた時です 「お前を雇う所なんてどこにも無い」 と面接官に言われました・・・・ それから 彼の引きこもり人生が始まったの です 当初はちょっとだけ休みを取って疲れた体を 癒せればそれで良かった・・ 両親は笑顔で「疲れたんだろ?少し休んでか ら頑張りなさい」 って言ってくれたんだ 俺はいつか絶対に両親を幸せにしてやろうと 決心した・・・ でも そんな思いは長くは読かなかった 一度 ひきこもりにはまってしまうと怖くて 動けなくなってしまう 自分が天才哲学者にでもなったかのように世 界を決め付ける ・・・・ ーそんなこんなで3年もの月日は流れたある 日 彼はもうドア越しに話かけられても 会話できない程 アホ丸出しの引きこもりと 化していた 母親「あなたに会いたいってお友達が来てく れたわよ・・」 震える声で言った ドンドン!っとドアを叩いて 誰かが叫んで る 「おーい!俺ぇ~森本だよ、ちょっと話しな いか~?!」 聞き覚えのある声・・・・それと同時に寒気 が彼を襲った 高校時代彼をイジメていた不良グループの一 人だ・・・ 1~2時間くらいたってドアを叩く音が止ん だ・・・ スーッとドアの下から手紙が入れられてきた ソレを見ながら彼は体育座りのまま眠りにつ いた ーあの事件が起きて4日目 手紙を確認することにした・・ 「同窓会のお知らせ」 引きこもりの彼にコレはきつかったのでしょ う 物凄い勢いで破り捨てました ソレと同時に涙と何とも言えない孤独感・・ そして怒りがこみ上げてきました・・・・ 壁を殴りつけ 布団を蹴り上げ 彼は叫び読けました そこへ 彼の母親がやってきました 母親「どうしたの?!ねぇ、どうした の??!!」 耳に聞こえてくる母親の声 彼はそれをかき消すように叫び読け た・・・・

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/12/12(火) 03:44:36 同窓会 前夜 母親がドアを3回叩いた 3回叩く時はご飯を運んできた合図だ いつも通りにドアを少し開けごはんを取ろう とした時だった 食器の横に黒い物が置いてあった クリーニングに出したのだろうか 札が付い たままのスーツだった このスーツは 大学を辞めた時に母親からプ レゼントされたもので チョット丈が短い 残念なスーツだ・・・ お坊ちゃま君みたいで着るのを嫌がったのを 憶えている それでも母さんはそんな彼を見て 「いいわよ!さすがお父さん、お母さんの子 ねっ!!」 って自信満々に彼の就活を応援してくれ た・・・・ そんなスーツだ・・・・ 母親はこのスーツを着て同窓会に行ってほし かったのだろう・・・ だが彼にはそんなこと関係ない 人に会う? 馬鹿じゃないのか?! ましてや昔の友達なんかには特に だ・・・・・ ーそれから 5ヶ月たった頃・・・・・ 滅多にならない携帯に 電話がきた・・・ この携帯電話は彼が引きこもりになりかけの 時に母親が渡したものだった まあ・・・面倒なので電話にでないのは当た り前だろ・・・・・ 気になって留守録を聞いてしまった しかしそこに残っていたのは父親の声だっ た・・・ 父「・・・・・・母さんが倒れた・・・今す ぐ○×病院に来い・・ 今夜が峠だ・・・そうだ・・」 全身に鳥肌が立った 怖いなんてものじゃな い だけどその時には何も考えずに走り出してい た 彼が病院に着いた時にはもう母親の息はな かった・・・ 実は父親が電話した時にはもう息はなかった らしい・・・ 寝巻きにサンダル・・・伸びっぱなしのヒゲ に壊れた眼鏡姿のままで・・ 父親 「母さんはお前が自分の力で外に出てほし かったと言っていたんだ・・ お前が自分の意思でここまで来てくれること が 望みだったんだろうな・・」 彼は泣きながら母親の手を握り締めた ー母親の葬式の日 彼はあのスーツを着た・・・ 胸ポケットから1通の手紙とお守りが入って いた・・・ 「国○ 先日お友達が来た時に同窓会があ るって母さん聞いたの だからスーツ着て、皆に会ってきなさ い せっかく久しぶりに皆に会えるチャ ンスなんだから、ね 丈はね 直しておいてあげたから もう恥ずかしくないわね これで外 出れるね

ごめんね。 」 そしてお守り 母さんも同じ物を持ってい た・・・・ あの時 ごめんって言えたら・・・・ 母さんは喜んでくれたのかな 彼は今でもそのスーツを着て一生懸命働いて いるそうです




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