Nicotto Town


昼行灯の雑記帳


サンタクロース

もうだいぶ前に連載が終わった、「エルフを狩る者たち」と言うコミックがあります。

剣と魔法の世界に現代日本から手違いで召喚されてしまった高校生3人。格闘とカレー大好き頭はイマイチの淳平、軍事オタクで兵器の扱いに長けているけど案外ロマンチストの律子、性格俳優とカリスマ女優の両面を兼ね備えたクールな才媛愛理。この3人とドジでマヌケなエルフの長セルシアが、元の世界に帰るための呪文を求めて、この世界では普通にあちこちで暮らすエルフ数人の体のどこかに刻印された呪文を探しまわる・・・という軽快でドタバタのコメディです。

この中の7巻冒頭に収録されている、「律子のクリスマス」というお話が私は大好き。

律子は幼いとき「本物のサンタさんに会ってひげを触らせてもらった、サンタさんは本当にいる」という話を、誰にも信じてもらえなかったのですが、この異世界には本当にサンタクロースがいてすべて女性。一人呼び止めて話を聞くとクリスマスの夜、その世界の子供たちにプレゼントを配ります、という。
「私はあなたたちの世界の担当ではないので」と、プレゼントはもらえなかったのですが、皆が寝静まっても、律子は一人バルコニーで、過去のことを思い出しながらぼんやりと飛び交うサンタを眺めています。
そこに白いひげのサンタクロースがふっと止まり、イメージどおりのサンタクロースに喜んで駆け寄る律子。
おずおずとひげに触れて言いか訊ねる彼女に、サンタは豪快に笑いながら言います。
あんたは14年前も同じことを言ったよと。

なんとも切なくて、この話は何度読んでもあたしは泣けます。
律ちゃんよかったねって嬉しいけど、なんだか切ない。
なにか感性に触れるものがあるんだろうな・・・。

幼いとき律子がいくらサンタさんにあったよ、といっても信じてもらえなかった。これはファンタジックなものだったっていうのもあるけど、現実にあることでも信じてもらえなかったことってあると思う。

小学校一年生のとき、上級生に行く手を通せんぼされて学校へいけず、イノコヅチの穂(いわゆる引っ付き虫、うんと細かく取るのが大変)を全身に投げつけられ、散々な思いでたどり着いた学校。担任の先生に事情を説明しても「野原で遊んでいて遅刻した言い訳としては最低です」と、一切取り合ってもらえず、廊下に立たされて悔しかった思いなんかも、ふとオーバーラップしたのかな。

妖精も魔法も、サンタクロースも、どこかに存在しているのじゃないか、そう思う。

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2012/12/16 23:44
>ウェイさん

長くとても感動的なご感想をいただきましたのに、ひどく失礼なレスで大変申し訳ありませんでした。
曲がりなりにも職業物書きとして碌を得ている身でありながら、失格です。
とんでもなくひどいことを致しました・・・。

書いていただきました内容、そのままだったのだと思いました。
原作にはそういった表現はありませんでしたが、全てウェイさんがコメントくださったこと、その内容そのままが律子の気持ちだったのだろうと、あたしも思ったのです。
あたしの表現力、描写力、文章力ではどれも稚拙すぎて至らない。あまりにも完璧なコメント内容でした。

ですが、もっとも失礼な書き方となってしまい、大変申し訳ありませんでした。
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2012/12/12 12:42
>朔さん

はじめまして。コメントありがとうございます。
かなり古い連載ですし、最近絶版が多いので今は中古しかないみたいですね。
ギャグ一辺倒のようでいて、人情ものも絡んでいるところが好きです。そして全員前向きなのもいいですね。

信じてもらえないままになることもありますが、その場合はもうそのくらいの信頼関係だったのだなあと割り切ることも時には必要なのかもしれませんね。
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2012/12/11 20:05
はじめまして。ブログ広場から失礼します。

エルフを狩る者たち懐かしいです。
昔好きでした^^
クリスマスになると律子のクリスマスの話を思い出します。
異世界ではサンタがバイトだったとかギャグの要素もありますが、感動する話ですよね。
子供の頃に会ったサンタと再開するシーンは感動的でした。

自分の言う事を信じてもらえないのは悲しいですよね。
嘘だと始めから決め付けて、話に耳を傾けてくれない。。。
でも、ちゃんと信じてくれる人もいるのでは思います。
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2012/12/07 12:18
>とりさん

心の琴線に触れるものは自分がそこにいる、かあ。
いいこともだけど、悪いこと、いやなこともきっとそういう部分があるんでしょうね。
自分自身の理想とする姿や、こうだったなあという姿、こうはなりたくないとか、こういう人はやだなあとか。

このコミック自体はほんとにドタバタコメディなんですけど、何話か切ないお話がある、かなー。
作者さんが照れ笑いを浮かべているような、そんな面もありますw

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2012/12/06 23:13
ある小説の中に、自分の琴線に触れるものは、絵でもお話でもお芝居でも
その部分に「自分」がいるからだと思う。過去の自分かも知れないし未来の自分かもしれないけれど。
(これを書かれたのは北村薫さんです)
多少ニュアンスが違うかもしれませんが、なるほど、そうかもしれないと思いました。
またそれをこうしてきちんと文章にしてくださる北村さんもすごい。

そういう物語に出会えるって、幸運なことですよね。
「エルフを狩る者たち」読んでみたいなぁ
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2012/12/06 15:49
>ウェイさん

走り回っていたのなら、アタマの天辺にはさすがに引っ付き虫はつかないかと。つき方も傾向がありますしね。
当時の担任は論理性のない人だった気が今考えるとします。

>信じても信じなくても見えても見えなくても
>私の心にはサンタクロースがいるのだから

この一言に全てが集約されている。そう思いました。

若いイケメンサンタさんww
どんなだろうかw
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2012/12/05 16:45
やったことを証明するのはカンタンだけれど、
やってないことを実証するのは不可能なので困るときがありますね
先生の単純さに驚きます
なんともお疲れ様でしたw

律子は14年の間に何度となく人にサンタの存在を話し、
そのたび失笑されてきたのかもしれませんね

やがて、律子本人でさえも我が目で見たものが疑わしくなったことでしょう
私本当にサンタさんを見たのかな?もしかして夢だったのかな
でも、夢だというには鮮やかで心温かい思い出

14年後、サンタは律子の目の前に再び現れる
そしてなんと彼は14年前に一度会ったきりの律子をしっかり覚えていてくれた
ただそれだけのことで、律子の辛い過去がすべて吹き飛ぶ

もう、皆がサンタなんていないって言ってもかまわない
今私の目の前には笑顔のサンタクロースがいる
信じても信じなくても見えても見えなくても
私の心にはサンタクロースがいるのだから。


~~と、読んでいませんが
こういう感じかなと想像しました。

当方34歳になりましたがサンタクロースはいると思っておりますw
もしや宇宙人かもねーとか、じいさんばっかしじゃなくてイケメンにいちゃんもいるんじゃね?とか
あれこれ空想してます。




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