夢飼い。【4】
- カテゴリ:自作小説
- 2012/12/01 22:52:14
――沈黙。
思わず由貴から逸らして、
しばらく彼方此方をうろついた視線は鞄から本を取り出す自らの手を追った。
まだ読んでもいない後ろのほうのページを意味も無く開いて閉じる。
「……由貴くん、母さん嘘は良くないと思うんだ」
苦心したあげく、私は棒読みでそう答えた。
いくら情報通といえどそんなこと急に言われてもその………………困る。
「嘘じゃないってー。乾、中庭で先生達が喋ってたの知らないの?」
スルーされた。
ので悔し紛れに舌打ちする。
由貴はちょっと呆れたような顔をしてくれた。
中庭で先公どもが騒いでた?
そんなこと知らない。
あっても目に入らなかった。
そもそも先公はみんな嫌いだからどうでも良かった。
……私の意見じゃないか。
「し、知らぬ」
「なんだ、乾って朝はぼーっとしてるんだね」
「だっ、誰がすかぽんたんだ!」
「そんなこと言ってないよ」
「っ、う、うぜーぜ!」
「い゛っ」
由貴の脛を蹴って黙らせつつ、私は先ほどの台詞を反芻していた。
中庭ということは、そこに誰かが落ちてきたんだろうか。
今時飛び降りなんていうくらいだから当然死んでるんだろう。
生徒だろうか。先公だなんて嫌だ。ロマンが無い。不謹慎でした。
勿論飛び降りるのは屋上から?でも閉鎖されてたはずだ。
いや、鍵をくすねて開けるくらいちょっと頑張ればできるかもしれない。
……訊いた方が早いか、これ。
「……なぁ由貴、死んだん?そいつ」
「え?あぁ、うん。当たり前じゃん」
「屋上から?」
「うん」
「何年生?」
「2年」
「えちょ」
「うん。隣のクラスだよ」
最後だけトーンを抑えて、由貴はご丁寧に教えてくれた。
徐々に教室に入ってくるクラスメイトが増えてくる。
8時半の予鈴まで、あと10分。
背中から這いよってくるような嫌なざわめきが、増えていくような気がした。
蛇みたいだ、と乾は思う。
夜闇の中、獲物に忍び寄る不吉な影。
「…………名前、は?」
――本当は、そのざわめきの中から聴こえてしまっていた。
私は聴こえなかったフリをして、由貴に聞いた。
嫌なざわめきが大きくなる。
細波のように広がって、乾の肌を泡立たせた。
聴きたくない。聞きたくない。……訊きたい。
それは。私の。数少ない。
「七神悠里(しちがみゆうり)」
友達の、名前だった。
*****
構想がまとまってきたので勢いに乗って本日2個目書いちゃいました!ry
その代わり明日はお休みさせてください。
月曜日は絶対に外せない数学のテストがあるので笑
では。
引き続き、ご感想等いただけたら幸いです。
ここまでお付き合いいただいた画面の向こう側のあなたに、文章では伝えきれない感謝を。
-糾蝶-
まさかの展開で攻めていきますww
ちょっと凝った名前にしてみましたw厨二の間違いですけどもry
良かった!展開が読まれてしまっては物書きの名折れですので笑
な、なんか照れますね!頑張っちゃいます!
wwwwwいきなりね、出だしからシリアスで責めてみました!ww
上手く表現できてたかな?
そう言ってもらえると凄く励みになります!
台詞の間にいちいちロル回すの面倒になったからつなげたら、
かえってその方が読みやすかったっていうね、事故だねこれは!ry
きゃ// 照れちゃry
今晩はー!
ここ最近で一番気に入っている書き方で進めてみました笑
勿体無いお言葉です!
頑張りますッ!
結果は、以下略
こんにちは!お待ちしておりました笑
そう言っていただけると本当に嬉しいです……´`!
ラノベや文庫本で蓄えた知識を必死になって練りました笑
やはり、文章を書くにあたってのアレコレは表現力のボキャブラが必要ですよねorz
ありがとうございます*
結果は、まずまず……いや、撃沈しました笑 笑えませんけども!ry
(あら、名前の良い事ry)
展開読めなさすぎておもしろすぎてワロエマス^p^
なんか続きを読むのが日課になってますw
ええ、ええ、この神小説のためならいつまでも気長に続きを待ちます!(
何でかずっと言葉が見つかりませんでした←
すごく心を打たれてしまいました!
語りの感情なんかがすごくリアルな感じで、
台詞とかもあれですね、親近感が湧いてきます!
先輩(と先輩の小説)大好きです!!
相変わらずの素敵な文才をお持ちで…!
1から全部読ませていただいたんですがどれも2回読み返してしまいました´`
続きを心待ちにしております!!
テスト頑張ってください(`・ω・´)
続きェ……というのが私の素直な感想です苦笑
ここまで一気(?)に読ませて頂いたのですが、表現方法が素晴らしいですね
私も見習わなきゃなぁ…分かりにくいと定評があるので^^;^^;
続きを心待ちにしております(^▽^)♪
数学のテスト、ご健闘をお祈りしております