Nicotto Town


盗月Blog——島村抱月TextData——


■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(16)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|二 (9)

續いてはクラシシズムの形式的といふことから直ちに内容的といふことに反り來たつて、之れを客觀の對境に求めれば理想的となり、之れを主觀の我れに求めれば自我的となる。外形の空虚なるを去つて一指直ちに充實した中心の骨髄に觸れんとする。其の骨髄を向ふに求めれば理想に行かざるを得ず、我れに求めれば自己の個性に行かざるを得ぬ。ロマンチシズムに事物の中身を取り出さんとする二傾向、すなはち理想的と自我的との特性あるは此の理に外ならぬ。



--------------------
*註1:續いてはクラシシズムの
原本では文頭は前ページの文末より改行なしでつづいている。

*註2:内容的
「内」の旧字体。「冂(=エンガマエ)」+「入」。

*註3:對境
「境」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/kyou_sakai.jpg

*註4:空虚
「空」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/sora.jpg
「虚」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/kyo.jpg

*註5:骨髄
「髄」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/zui.jpg

--------------------
■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html
■このテキストの原本は国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」収録の「近代文芸之研究 / 島村抱月(滝太郎)著 早稲田大学出版部, 明42.6」の画像データに依っています。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/871630/1

(2015/01/17/初校)




Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.