～秋を彩る並木道～
- カテゴリ：小説/詩
- 2012/11/22 03:50:33
早々に暮れる晩秋の風景
きれいに並んだ彩り豊な並木道
秋雨に濡れて ぴかぴかと・・・
少し離れた所には すでにクリスマスのイルミネーション
ＬＥＤランプが世情を語る
二階のカフェから見下ろすと
様々な傘の花が咲いている
ぼんやり ぼんやり眺めていた
ほとんどの人が他人同士
同じ方向へと歩いていく
人生の道は全く違うのに・・・
この先、並木道が終わりとそれぞれの道へと進路が変わる
あっ・・・危ないよ
自転車で傘さしながら走り去る
こらこら今ではそれは 交通違反
今度は一組相合傘のカップルが 男の子は必死に女の子に傘をむけて、自分の体は半分雨にぬれている
女の子が男の子の気遣いにきちんと気づいてくれますようにと なんとなく心の中で思いながら
傘の花の上には 厚くのしかかった黒い雲
その雲のはるかかなたに 星は輝き
いつか雨がやむのを待っている
こういう日は何となく 一人の部屋に帰るのは淋しくて
帰ったところでタオルを差し出してくれる人もいない
会社の帰りにいつもここで待ち合わせていたあの人も 今日はここには来てくれなくて
ぼんやり ぼんやり時をもてあそぶ・・・
こんな雨でも あの人の笑顔があるだけでも心は晴れるのに・・・
そう思いながら 携帯の待ちうけ見つめる私
思い切って電話をかけても私が強引に入れた私だけの待ち歌流れるだけで留守電に変わってしまった
何でけんかしたんだろう・・・今思えばどちらが悪かったかわからない
いつまで冷戦続くのだろう・・・まさに今の世情を物語る・・・
いつもなら すぐに仲直り 後を引きずらないあの人なのに
変わったね 色々と・・・
季節と共に 時の流れと共に
雨に加えて木枯らしが吹き 人々は肩をすくめ 傘をさし 家路へと向かう
一人ここに家路になかなか向かえない私が ぼんやりすわり。。。
頼んだコーヒーはもうカップの中には 入っていない
