ドラマ【平清盛】【MONSTERS】
- カテゴリ:テレビ
- 2012/11/19 11:13:52
【あらすじ】後白河法皇を鳥羽離宮に幽閉し、清盛は武士として初めて天下の頂に君臨する。清盛は福原にいながら朝廷の人事権を掌握し、高倉天皇に譲位を迫り、孫の東宮・言仁を即位させようとする。一方、今回の政変で長年の所領を奪われてしまったのは、後白河法皇の子・以仁王。ふさぎ込む彼の様子を見かねた猶母の八条院暲子は、源頼政を呼びだし、武力決起して平家討伐をせよとたきつける。しかし老いた頼政は、平家に逆らうなど愚の骨頂と言って断る。 【あらすじ】日本最高の料理人を決める全国料理人コンペティションの開催を間近に控える中、審査委員長の料理研究家・大河原が殺害された。コンペティションで日本一を目指し対決するのは、日本料理の伝統を忠実に受け継ぐ丸岡と、東大の大学院を出た異色の経歴を持ち、全国予選を勝ち抜いた四条。丸岡は今回勝てば5期連続の勝利で、料理界初の永世王座の称号を手に入れることができる。殺害された大河原は、勝負が始まるまで秘密とされているメインの食材を知る唯一の人物だった。
【感想】清盛、もはや当初の勢いだけしかない反抗心の強い若者の面影はなくなり、白河院そっくりの怪物と成り果てましたね…。まぁこの頃の平氏には反感を持つものが多く、残っているエピソードも平氏にとって聞こえがよくないものばかりですが、後の世の政権による捏造を差し引いても、の火のないところに煙は立たずと言いますから、実際酷い面もあったのでしょう。武家が頂点に立つという悲願を実現したというのに、彼らのやっていることは外戚政治で、結局それまでの摂関家とあまり変わりがなく、朝廷の仕組みを利用したものであるのにも関わらず、先例を重んじず内外から反発を買うという。清盛も当初は日宋貿易で国力を高めるという野心があったのに、今はもうわがままで手がつけられないボケ老人とあまり変わらないしなぁ。今回松ケンかなり老けメイクしてましたよねw やはり前から書いてますが、平氏の失敗は有能な後継者に恵まれなかったことだと思います。あまりに清盛のワンマンが過ぎたんですよね。ちなみに木の下という馬のエピソードも平家物語に残っています。本当かどうかはわからないんですけどね。実はこの前年くらいに、宗盛は正室の清子を失っており、悲しみのあまり当時任ぜられていた右大将を辞任し、その後も政治への関心を失っていたというエピソードがあり、もしこの時彼が毎日宴を繰り返すような自堕落な生活を送っていたのだとしたら、その悲しみを忘れるためだったと考えることもできます。ドラマではそんな話は全然ないのでまったくわかりませんけど、もしそうなら彼の態度にも少し同情ができますよね。ただ、正室を失った悲しみでへこんでしまうようなら、もうそれは天下人としての器があるとは言えません。前回死んだ重盛も法皇と父・清盛の軋轢に揉まれて神経をすり減らしたようですが、人の上に立つ人たるや、その軋轢を自分のバネにするくらいでないとやってけないと思うのです。だからやはり、平氏は後継者に恵まれなかったという説は、成り立つと思うんですよね。白河院の怪物の血を継ぐ男児が生まれなかったことが、平氏の滅亡を招いたと言えるでしょう。ちなみに今回出てきた白拍子たち、祇王・祇女・仏御前も平家物語に出てくる清盛を彩る女性たちです。清盛の寵愛は祇王から仏御前に移り、結局彼女たちは全員出家してしまいますが、清盛と初めて会った仏御前は16歳。キムタェ………。
【感想】なんというフジテレビ臭w 料理人コンペなるものは最近アイアンシェフとして復活した料理の鉄人そのまんまだし、料理人の丸岡役の榎木、四条役の中村は、フジテレビ版浅見光彦シリーズの初代と二代目ですよね。しかも榎木は現行のシリーズでも、中村の兄の刑事局長役で共演中。何故こんなにフジテレビを意識したw TBSなら沢村ともこみちでやればよかったのにw さて内容ですが、今回は丸岡が一流の料理人なのに嗅覚を失ってしまったことが発覚し、もうどうでもよくなって自白した感じでしたね。恐らく彼は殺人を犯してしまったことより、嗅覚を失ったことが世間に知られることの方が怖かったのでしょう。だからそれを平塚に指摘され、なし崩し的に自供してしまったと、好意的にとらえておきましょうかね。でないと、平塚が示した証拠はすべて状況証拠ですからね。ただ平塚が指摘した中でも、丸岡が弟子に仕込みをさせている間に、20分ほどの時間を作って殺人を犯したという話でしたが、いくら仕込みに一所懸命だったとはいえ、20分もの時間のズレに全然気づかなかったのはおかしいと思います。なぜなら料理は結構時間を気なしなきゃならない作業だからです。例えば2時間ずっと鍋とにらめっこして灰汁を取る作業とかなら、20分くらいのズレに気づかない可能性はありますが、そんな感じではなかったですよね。しかも丸岡が出て行く時ちょうど弟子が時計を見ていて時間を覚えていた、なんて可能性もないわけではありません。このトリック自体、成功するかどうか危ない賭けだったと思います。逆にタクシーの件は簡単に言い訳できますね。来るときに料理教室の近くでタクシーとすれ違った、駐車場に大河原の奥さんの車が止まっていなかったからまだ到着していないと思った、しかし教室に来てみると奥さんの姿があったので、きっとあのタクシーに乗ってきたのだと思った、などと言えば簡単に言い逃れできてしまいます。四条のブレスレットが死体の近くにあった件も、犯行時ではなく死体を運んできた時に落としたものだと考えられないこともありません。携帯についた臭いも、犯行現場にそもそもそのヘンな草が生えていたのだとしたら、犯人の衣服自体にその臭いが付着した可能性もあり、携帯についていたことに気づかなかったと考えることもできます。つまり残念ながら今回の殺人事件には、まったく犯人の決め手となる要素がなく、裁判で有罪になるかどうかわからないということです。