小さな森の恋 #24
- カテゴリ:自作小説
- 2012/11/18 12:26:46
✿主な登場人物✿
・ティーナ…妖精の女の子。この物語の主人公。
・クリス…人間の男の人。妖精を信じて探し続けている。
・ヴァン…妖精の男の子。ティーナに想いを寄せる。
・マリー…人間の女の子。美しくて、可憐で、町一番の美人。
・ジル・マティ…本名はジル・マティだが、仮名を使っており、仮名、アリス・コニー
第二十四章 『ジルの作戦』
「ジッ…アリス先生っ!!!!」
”ジルさん”と言いそうになった口を押さえてジルのもとへいった。
「あら??おチビちゃん。どーしたの??」
「あの…話があるんです…今日私の家に来てくれませんか?」
「ええ、いいわよ。 私も話しがあるの。じゃあまたね」
ジルの話とはいったいなんなのか…。
そう考えてるうちに、3時間目突入した────。
「3時間目は科学ですよー??皆、なんでまだ英語出してるの??」
「だってさぁ~、オレ、科学のミラ先生より英語のアリス先生のほが好きだからー」
ジョンが言った。 ランの彼氏だ。
「ジョン・・・・」
悲しみがこみ上げるラン。
そんなランを見て、悔しくなるティーナ。
そして、その姿を見て悔やむ人がもう一人いた───。
「っ……。」
「ちょっと!!”トニー先生!?”」
「えっ、あっ、はいっ??」
「何、ボーっとしてるんですっ…!?注意してください、助手でしょ!?」
科学のミラ先生は冷たかった。
ランの悲しい顔を見つめて、悔やむ男…それはまさかの
”トニー先生”という科学の助手の先生だったのだ。 どうやら新人の様子。
「トニー先生かわいそうだよねー??」(ボソッ)
女子がこそこそ話を始めた。
「うんうん、ミラ先生さ~、ちょっとクールでカッコイイからってあの態度はなくない?」
「そー!!そー!!つかさ、正直言ってアリス先生のほうがキレイだし??」(ボソッ)
「キャハハハハッ、言えてるー!!」(ボソッ)
ボソボソ話で話してるが、ミラの耳には入ってた様子だ。
「あんた達、そんなに話したいんなら廊下で話しなさい。この教室にはいらないわよ?」
「はぁっ?」「あ゙ぁ~?」
「あんたのほうがいらないよ、ねえ?皆?英語のほうがいいよねー?」
と、女子が叫ぶと、ジョンが フッ.... と手をあげて言った────。
「はーい、英語とかの前に~オレはミラよりアリスのほうが好きだから~」
パシッ!!!!!!
教室中に響きわたるビンタの音─────。
「ラッ…ラン…」
殴ったのは、まさかの”ラン”だった────。
「ふざけんじゃないわよっ!!!なにがアリスよ…最低っ────!!!」
ランは涙を流して、殴った手を グッ.... と握り締めて逃げていった───。
「あっ・・・・・・」
トニーの横を スッ..... と通って、行ってしまった───。
「ハァ.....ったく、女心わかってもないのに、好きとか言っていいのかしら??」
と、ただ一言残して、教室を出て行った。
「あのっ、授業は…」
「こんな状況で授業したら、気分悪いわよ、トニー先生っ。」
と、言って、職員室へ戻っていった───。
だが、トニーはついていかず、気になるあの人のもとへいった。
タタタタタタタタタタッ───!!!!──────ガチャッ
「君っ………!」
そこは、屋上だった───。
「先生……」
そこには、涙を流したランがいた。
「大丈夫…??」
「大丈夫です、ごめんなさい、抜け出しちゃって…」
「いいや、いいんだ。」
「悔しくて…。 前振られたばっかりだから…あの人に…」
涙を流すランを、トニーは キュッ..... と抱きしめた。
「え…??あの…先生…??」
「あっ、ごめん、ごめん!」
トニーは、パッ と離した────。
「いえ…なっ…なんですか…??」
ランはなぜか平然としてる。
「え、いや、その」
そんなに平然にされたらカッコイイ答え方もできるはずなく。
「そうですか?じゃあ、私、戻ります。」
───と、ランは帰っていってしまった───。
驚くほど平然だったラン。
だが、ランは教室の前まで行くと.....。
(なんだったんだろ…今の…)
あらためて考えてしまった。
そして、よくよく考え、あの光景を想像すると.....
「.////////////////////」(かぁっ.....)
カァッ と顔が真っ赤になってしまった。
ドキドキしなかったんじゃなく、固まってしまったのだ。
トニー先生はオマケにイケメンのほうだよね、と言われてる。
(なっ…なんなのこの気持ち…。アイツのときとは違う…。)
この気持ちがどういうふうに進むのかは、誰も予想できなかった───。
※実話ではありません。