小さな森の恋 #21
- カテゴリ:自作小説
- 2012/11/15 23:48:58
✿主な登場人物✿
・ティーナ…妖精の女の子。この物語の主人公。
・クリス…人間の男の人。妖精を信じて探し続けている。
・ヴァン…妖精の男の子。ティーナに想いを寄せる。
・マリー…人間の女の子。美しくて、可憐で、町一番の美人。
第二十一章 『ヴァンの幸せと、罪悪感。』
「…で、人間と妖精の恋なんだが…どうする??この先…」
「ヒミツにして…ほしい。私も秘密にするから…」
「…わかった!!オレは、人間界では…マリーと婚約してるし…なぁ…」
「うんっ、それでごまかせるしねっ!!マリーと結婚して…人間界でうまくやれるよーに」
───と、ティーナは無理に笑った。
「じゃあ、今日は帰るな。じゃあ…な」
そんなティーナに気付くはずもなく、帰っていった......。
「またね…クリス…」
ティーナは無理に笑顔を作り、その後ろ姿を見送った.....。
さてと......。
───と、ティーナは伸びをして、フッ.... と後ろを振り向いて、家へ向かった───。
「ただいま、お姉ちゃん…さっきはごめんなさいっ…!!!!!」
と、思い切って入ると、そこには信じられない光景が・・・・。
「ティーナ!!」「ティーナっ!?」
2人は抱き合っていた…。 いや、そう見えただけかもしれないが、
姉の顔はあきらかに、”女の顔”だったのだ。
ティーナには見せない、恋してる顔だった。
「違うのっ、ティーナっ!!これはねっ…」
「べっ、べつに大丈夫だよ!!!お邪魔しましたー!!」
といって、ティーナは部屋へもうダッシュして、部屋へ入った。
(うおぉぉぉぉお、マジかー!!!お姉ちゃんのあんな顔初めてみた!!!!)
と、ティーナは舞い上がるように心でつぶやく。
でも、ティーナは”アレ??”と思った───。
そういえば、ヴァンはティーナが好きで、ミィーナの事は好きじゃなかったはず。
むしろ、”オレはお前以外見ない”というようなノリで告白をしていたのに……。
「まさか…ヴァンがお姉ちゃんをもてあそんでるっ…!?」
誰もが、この考えを浮かばせるでしょう....。
ティーナは”ムッ”とした…。 姉をもてあそんだと思ってるのです。
ティーナは、バッ!!! と立ち上がると、2人のもとへと走っていった。
「ヴァッ・・・・・・!!!!」
「さっきは…ごめんね…」
「んっ…??」
ティーナはミィーナの声を聞き、思わず、立ち止まった。
「私…あんなことなるとは思わなくて…」
ミィーナが、スッ.... とイスに腰を下ろした。
「いや…俺も、ミィーナの気持ち…わかってるつもりだし…」
「うん…悔しいのよね…。 別に自分におぼれてるわけじゃないのよ?? …ただね」
ミィーナが スゥ.... と息をすうと
次の瞬間、ありえない言葉を口にした。
「なんで、私じゃなくて、ティーナなのかがわかんないのよ。 私のほうが…上なのに…」
(はぁっ……!?)
ティーナは心の中で、ショックと同時に、怒りを覚えた。
「いや…俺は顔じゃねーんだよ…」
「え…??」
「正直…なんで好きかわかんないんだ。ものごころついたときから…好きだって気付いたし…。どこが好きか、ハッキリ言え。っていわれてもいえねーと思うんだ、俺。」
「それは、本当の愛じゃないわ。」
「いや、本当の愛だ。 オレはあいつのために…命も捨てれるし…一生付き添う覚悟もある。 利用されたって…嫌いにはなれねー…絶対…」
「でも、ふられたのよね??」
「ああ、だから今は…そんなん関係なく、アイツのそばに居れたら幸せなんだよ…
アイツの笑顔、優しさ、ぬくもり…それを感じるのがオレの幸せなんだよ、ミィーナ。」
ヴァンは、ありえないほど優しい笑顔で言ったのだった。
「バッカじゃないの!?もういいわよっ!!!!」
「ミィーナッ!!!!!」
ミィーナは出かけてしまった。
「…ヴァン、あなた…そこまで…」
ヴァンの深い気持ちに気付かなかったティーナは、どこかで
深く…深く…罪悪感を感じてるのだった────。
つづききになります