小さな森の恋 #19
- カテゴリ:自作小説
- 2012/11/15 15:55:34
✿主な登場人物✿
・ティーナ…妖精の女の子。この物語の主人公。
・クリス…人間の男の人。妖精を信じて探し続けている。
・ヴァン…妖精の男の子。ティーナに想いを寄せる。
・マリー…人間の女の子。美しくて、可憐で、町一番の美人。
第十九章 『クリスの運命の天秤』
コツコツコツコツツコツ......
「ほら、入りなさいっ!!座りなさいっ…」
女刑事は、クリスを引っ張って、取調室へと入れた。
「イテッ....。」
警察は人間が大嫌い。
犯人となれば、なおさらで扱いが酷かった───。
「……私もいていいかしら??」
「ええ、どうぞ。 被害者でもあるんですしね…」
ジルは、キッ───!!! とクリスを睨んで、イスに座った.....。
「さぁ、クリス・ドレッド。 あんたはジル・マティの妹、ケミィ・マティを殺したの??」
一応聞いてるが、女刑事の目はあきらかに”お前以外誰がいる”という目だった──。
「オレは…やってない。きっとほかの誰かがやったんだ。」
バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ────!!!!!
「あんた以外誰がいるの??クリス・ドレッド。」
───と、力任せではかそうとする女刑事。
「そんなんにオレは負けない。俺はやってねえっ!!!!!」
「……どうしてもはかないのね。」
と、つぶやくと、ポケットから携帯を出して何者かに連絡した───。
「こちら、○○○警察署。人間の殺人犯確保。どうしても吐かない様子。アレ持ってきて。」
女刑事が口にした”アレ”とはいったい……。
「”アレ”…??」
さすがのジルもそれは知らなかったようだ。
「持って来ました!!!!」
「おう。」
といって、もう一人の刑事が持ってきた物は”ナイフ”だった───。
先がすごくとがっていて、切れ味もよさそうな新品のようなナイフ。
「どーしても吐かないなら、これであなたの体の一部一部を切っていく。」
───と、睨んで、ナイフと手でトン、トン、と掌で音をたたせた。
「そんなこと言われても…やってないんだから、吐くことなんてなにもない。」
ナイフを見ても、気持ちのぶれないクリス。
「ハァ……。クリス・ドレッド。真実なんてどーでもいいの。私たちはねぇ…」
といって、クリスの耳元に近づき、スゥッ.... と息をすっていった。
「私たちは、人間が嫌いなの。冤罪でも人間の顔を切っていくのが幸せなのよ…」
といって、バッ!!!! とナイフを上に挙げた───────!!!
「やめてぇえっ!!!!」
──────────グサッっ!!!!!!
「あっ・・・・・・・!!!!!」
女刑事が、”あっ・・・”と気付いて、声を出した時。
遅かったのだった────────。
※実話ではありません。
面白いですね^^