Nicotto Town


❖ Aʀᴇᴀ 51


聖書で一番長い口返答

ある日モーセは、ミデヤンの祭司、しゅうとイテロ〔別名レウエル〕
の羊の群れを番していました。
砂漠のはずれにある神の山ホレブ(シナイ山)に近い所です。
突然、柴の燃える炎の中に、神様の使いが現われました。
よく見ると、柴には火がついているのに、いつまでも燃えています。

「いったい、どういうことだろう。」

不思議に思いながら、そばへ近寄りました。


その時です。 神様が呼びかけました。

「モーセ、モーセ!」
「は、はい。 どなたでしょう。」

「それ以上近寄るな! くつを脱げ。 おまえが立っている所は聖なる地だ。
わたしはおまえの先祖の神、アブラハム、イサク、ヤコブの神だ。」
 
モーセはあわてて顔をおおいました。
神様を見るなど、とても恐れ多いことです。

神様は続けました。

「わたしの国民が、エジプトで非常な苦しみをなめているのを見た。
無慈悲な監督のむちを取りのけてほしい、と叫んでいるのを聞いた。
彼らをエジプト人の手から救い出そうと思う。 エジプトから助け出し、
『乳と蜜の流れる』国、広々とした美しい国へ連れて行こう。
今、カナン人、ヘテ人、エモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人が住んでいる地だ。
今こそイスラエル人の嘆きがよくわかった。 つらい仕事に明け暮れ、
エジプト人にこき使われている。
そこで、おまえをエジプト王のもとへ遣わそうと思う。
わたしの国民をエジプトから助け出すのだ。 王にそう言ってやれ。」


「そんな大それた仕事など、とても私には。」
モーセは思わず叫びました。

「心配するな。 わたしがついている。
おまえを遣わしたのがわたしだという証拠に、必ずおまえといっしょにいよう。
人々を無事エジプトから助け出したら、この山の上で、
神を礼拝しなければならない。」

「ですが神様、イスラエル人のところへ行って、
先祖の神様に遣わされて来たと言ったら、きっとこう聞かれます。
『なに、先祖の神様だと? いったい何という名の神様だ。』
その時どう説明したらよいのでしょう。」

「わたしは『生ける神、創造者』だ。
『「わたしはある」(イスラエルの神の名、主のもともとの意味)
という方に遣わされた』と言えばよい。
そうだ、『あなたがたの先祖アブラハム、イサク、ヤコブの神、主が私を遣わした』
と言いなさい。 これが永遠に変わらないわたしの名だ。」

神様はまた、モーセに命じました。
 「イスラエルの長老全員を呼び集めなさい。
そして神が燃える柴の中に現われ、こう言ったと伝えるのだ。


『わたしの国民イスラエルがエジプトでどんなに苦しんでいるかを、
この目で見た。
しかしもう、そんな屈辱を味わうことも、
つらい労働をしいられることもない。 わたしが必ず救い出す。 そして、今、
カナン人、ヘテ人、エモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人が住んでいる、
「乳と蜜の流れる」国へ連れて行く。』

長老たちはおまえの言うことを聞くだろうから、
いっしょにエジプト王のところへ行き、こう言うのだ。
『ヘブル人の信じる神様のお告げがありました。 砂漠を三日ほど行った所で、
神様にいけにえをささげるようにとのことです。 どうぞ出かける許可を下さい。』
だが王も一筋なわではいかないだろう。 それは目に見えている。
だからわたしが、いやおうなしに承知するようにしてやろう。
奇蹟を起こしてエジプトを懲らしめるのだ。 そのあとで、ようやく行かせることになるだろう。
その時には、エジプト人から贈り物をたっぷりもらえるようにしてやろう。
何も持たずにエジプトを出ることは、決してない。
女はみな、エジプト人の主人の妻や隣人から、金、銀、宝石、
美しい服を求めるだろう。 息子や娘たちに、エジプトの最良の服を着せるのだ。」


しかし、モーセは反論しました。

「あの人たちは私を信じてくれないでしょう。
私の言うことなんか聞くはずがありません。『神様がおまえに現われたって?
うそもたいがいにしろ』と言うに決まっています。」


「いま手にしているのは何かね。」


「羊飼いの杖です。」


「地面に投げてみなさい。」
そう言われて杖を投げると、どうでしょう。
たちまち蛇に変わったではありませんか。
モーセはびっくりして、あとずさりしました。
すかさず神様が命じます。

「しっぽをつかまえろ。」

言われたとおりにすると、蛇は手の中で、また杖に戻るのでした。

「みなの前で、今と同じことをして見せるのだ。
そうすれば、おまえを信じるだろう。
そして、先祖アブラハム、イサク、ヤコブの神が、
ほんとうにおまえに現われた、と納得するだろう。
今度は手をふところへ入れなさい。」

また言われたとおりにして手を出すと、なんとらい病にかかり、
雪のように白くなっているのです。

「もう一度ふところへ入れなさい。」

そうすると、不思議なことに、らい病はすっかり治っていました。

「たとい最初の奇蹟を信じなくても、二番目の奇蹟は信じるだろう。
それでもまだ信じなかったら、ナイル川の水をくんで地面に注ぎなさい。
水は血に変わるだろう。」

しかし、モーセはなおも食いさがりました。

「神様、私はとても口べたです。 うまく話ができたためしがありません。
こうしてお話ししていても、思うように物が言えません。
すぐどもってしまうのです。」


「人間の口を造るのはだれかね。 神であるわたしではないか。
人が話せたり話せなかったり、目が見えたり見えなかったり、
耳が聞こえたり聞こえなかったりするのは、だれの力によることだ?

さあ、ぐずぐず言わず、わたしの言うとおりにしなさい。
ちゃんと話せるように助けてやるし、何を話すかも教えよう。」


それでも、モーセは渋っています。

「神様お願いです。 だれかほかの人をやってください。」



神様はとうとう腹を立てました。




旧約聖書 出エジプト記 3-4章

#日記広場:勉強

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2012/11/26 22:29
4B様 コメント有難うございます。
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2012/11/23 11:40
へたれな英雄=モーセ と私の辞書に書き加えるとしますww
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2012/11/17 18:17
✜茉莉香✜様 コメント感謝します。

はい、どうやら人の思い通りに動かない世界らしいですね。
苦手なこと、嫌なこと、下手なことと毎日差当たりしなきゃ・・・・いや、文句はやめてもw。
でも、ご自身の意思で自由に行うことなら問題ないと思いますが。
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2012/11/15 18:47
そ、そう言われてみると長い!!
考えたことなかったですw
モーセが口下手なんて思えないんだけどなww

私は歌が下手なのに歌ったり、絵が下手なのに聖書のお話の絵を描いたり
苦手なことばかりやらされてます><



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