Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


小さな森の恋 #18

✿主な登場人物✿
・ティーナ…妖精の女の子。この物語の主人公。
・クリス…人間の男の人。妖精を信じて探し続けている。
・ヴァン…妖精の男の子。ティーナに想いを寄せる。
・マリー…人間の女の子。美しくて、可憐で、町一番の美人。

第十八章 『クリスは悪い人…??』

「本当なんですか…??ジルさん…」

ジルは”フンッ”と鼻笑いをして言った───

「こんなところで嘘ついてどうすんのよ」

ティーナはそれもそうだ、とあっさり納得してしまった。

でも、そう考えればすべてが合う、何もかもつじつまが合うのだ。

”ジルは仕事のためにティーナを連れて行った…”

殺すつもりも、苦しめるつもりも、なかった…だから助けた…。

スパイになった理由もしっかりとある────。

「さぁ、クリス…自白しなさいっ!!!!!」

「まっ、待ってくださいっ!!!だったら警察に任せたほうがいいんじゃないですかっ!?」

「え……??」

「えっ、いやっ、ほら、ジルさんが呼んで説明すれば…ねっ…!?」

「それもそうねぇ…じゃあ、警察を呼んでくるから、待っててね」

といって、ジルは警察に連絡するため、向かった....。

「あっ、あの、クリスさん!!あなたが妖精を殺すなんて私信じられませんっ!!!!」

「えっ・・・・・」

「私、あの時見ました…。妖精の粉を見た時の笑顔…。あれが妖精を殺すような人の
顔じゃなかった!!!!!!!!!私は、あなたをこのままつかまらすなんてできないっ!!!」

「……君」

ティーナの目は輝いていた───。

真剣なまなざしで、ティーナの蒼い目は”キラキラ”とまっすぐ前を見てた....。

「君…名前…は??」

「ティーナ…」

一瞬、クリスとティーナの空気が変わった....。

それをわかったマリーは、”ムッ”とした顔でクリスの腕を引っ張って

「クリスっ、私もあなたを信じてるわよ??クリス、だからこんな森から早く逃げましょ??」

クリスは パッ.... とマリーの手を払った───。

「ク…クリス…」

「悪いが、オレはこのままあの子に恨まれて生きるのは嫌だ。ちゃんと誤解と解く。」

「でもっ・・・!!!警察呼んじゃってるよ!?今逃げないと捕まって刑務所行きだわっ!!!!!」

「そうよ、クリス!!!!早く逃げましょう!?」

「嫌だ、俺はここにいる。」

「逃げて!!!!この世界の刑務所はすごく堅い人ばっかりで、犯人の話なんてまったく聞かないし、それで、冤罪の人だってたくさんいたのよ…それに…あなたは人間だし……。
この世界は人間が嫌いなの…。だから絶対に死刑にするわ、話も聞かずに…。」

「それでも…あの子にわかってもらいたいんだ、ティーナ。」

クリスの目からは”決意”が見られた────。

「勝手にしなさい、クリス!!私は知らないわ。」

といって、マリーはそっけない態度で帰っていってしまった───。

「マリー…」

帰っていくマリーを見る目は”切なさ”も感じられた.....。

でも、その裏側には何かの”決意ももう一つ”見られたのだった────。

「あの、彼女なんだよね…??いいの??」

「ああ、いいんだ…。それに…マリーとオレはもう…」

「・・・・・・??もう・・・・・??」

すると、クリスは黙ってしまった。

そして、とうとう──────。

「警察に電話したわ。あなた、逃げないでしょうね??」

「ああ、逃げない。」

「フンッ、度胸だけはあるのね。」

───と、鼻笑いをした。

「死刑なんて、オレはならない。」

「いいえ、あなたは死刑になるのよ、絶対に。」

今から…妖精と人間の戦いが始まるのだった。

※実話ではありません。




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