ドイツでウナギを食べる
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2012/11/13 02:47:37
今、ウナギを食べてます、ドイツで。
昨日、リューベックに出かける前、
早起きして、フィッシュマルクトと呼ばれる朝市に出かけて、
ウナギの燻製を買ってきたのです。
解ってはいましたが、脂っこい…
そりゃ、そうです。
日本のウナギ料理みたいに蒸して焼いて、
油を落とした上に、ご飯の上に乗っけて食べるのではなく、
そのまま、燻製しただけですから。
燻製で多少なりとも脂肪が落ちていたとしても、脂っこいです。
ちなみに、ヨーロッパのウナギは、
日本のウナギと遺伝子が違うらしく、
蒲焼きなどには向かないようです。
ですから、日本でウナギが高値でも、
ヨーロッパから輸入されないんだとか…。
でも、食べてみたかったのです。
昨日のリューベックに行った時、
昼食でリューベックの有名なレストランに入ったのですが、
ウナギの文字が…。
でも、そこに何か危険な気配を感じて、
私はフィッシュ・テラー(直訳:魚料理のお皿)を注文しました。
鮭や鱈のソテーに、
炒めたタマネギと、
茹でたジャガイモがたくさん付いてくる料理で、
これは海に近い北ドイツの料理として満足。
でも、一人、ウナギを頼んだ人がいて、
(彼曰く、一度食べてみたかったんだそうです)、
見せてもらいました。
それは燻製されたウナギではなく、
ウナギをそのままソテーしたものですが、
まず太い。
日本のウナギの2倍はあります。
その真ん中の一部がソテーされて、
ゴロッと出てきました。
これはウナギではなく、ウツボかと、私は思ってしまった…
丸ごと一匹だったら、食べきれないと思います。
そして、付け合わせに、
日本料理の酢の物のような、
キュウリとトマトのサラダが付いてました。
あまりの脂っこさの口直しに、酸っぱいサラダが付いているのかもしれません。
…ですが、もう一つ付け合わせとして油のソース…???
「それ、オリーブオイルですか」と聞いてみたら、
「バターの上澄み」だとか。
うううう~~~ん、
ただでさえ脂っこいウナギの上にバターの油をかけろというのか~…
しかも、魚の脂にバターの脂では、
お互いの味が喧嘩しないのでしょうか?
なんか人間の食べるものとは思えない。 ☆\(ーーメ
頼んだ人もかなり四苦八苦してましたが、
そこにウエートレスが銀のお皿にウナギを持ってきて、
「もう一つ、いかがですか」
ウナギのソテーを注文すると、
おそらく丸ごと一匹ソテーするのでしょう。
でも、おそらくしっぽの方は、
お皿からはみ出てしまうから乗せなかったのです。
そして、食べ終わった頃に、しっぽの方を持ってきたのでしょう。
さすがに、頼んだ人は、
「もう、たくさん」と言って断ってました。 よーーく、わかります…
さて、今、私が食べているウナギは燻製されたもの。
燻製されて、ようやく日本のウナギぐらいの大きさになっています。
それでも、脂っこい。
おそらくこれは、北ドイツの地では酒の肴、珍味なのです。
フィッシュ・マルクトの終了時間間際になると、
燻製された魚が投げ売り状態になって、
ニシンやサバ、鮭のハラスの燻製に
ウナギの燻製を2本ほど乗せて、
20ユーロ(2000円)になり、
次々と買っていくのですが、
しかし…、
食べ終わった今、告白しますが、
このウナギは美味しいというよりは、
日本のイカの燻製のようなもので、
お酒のつまみ、
しかも、こってりとした脂を食べるものと言っていいでしょう。
それは初めからわかっていたことです。
それでも、ウナギが気になっていたわけは…
昨日訪れたリューベックは、
二人のノーベル文学賞受賞者を生んでいて、
一人は、トーマス・マン。
でも、彼の『魔の山』は私には退屈でした。
彼の作品で、映画化されて有名なのは『ベニスに死す』。
これはむしろ、イタリアの映画監督ルキーノ・ヴィスコンティの美意識が貫かれていて、
マンの作品と言うよりは、ヴィスコンティの作品というべきでしょう。
もう一人は、ギュンター・グラス。
彼の代表作は言わずと知れた『ブリキの太鼓』。
この作品も、オスカー・シュレンドルフ監督が映画化してとても有名になりました。
この映画の中で、
ウナギはとてもグロテスクな象徴として登場します。
それは、おそらくゲルニカの隠喩なのです。
1936年、スペインで、スペイン内乱が起こりました。
スペイン共和制を守ろうとする自由主義者・共産主義者と、
反動的な勢力によって支持されたフランコ軍事政権。
そのフランコ政権を支援していたのが、ドイツのナチス政権であり、
ドイツがフランコを支援するために行ったのが、
世界最初の無差別空爆であり、
(「無差別」とは、軍隊も民間人も問わないという意味です。
少なくても第1次世界大戦後の国際社会では、
非戦闘員である民間人を攻撃の対象にしてはならなかったのです。)
それが、ピカソの絵で有名なゲルニカです。
ゲルニカは、スペインの小都市の名前なのです。
そして、おそらくピカソの絵にインスピレーションを受けて、
ギュンター・グラス、そしてオスカー・シュレンドルフ監督は、
『ブリキの太鼓』を映画化する際に…、
あのシーンを、
そう、ピカソのゲルニカの絵、
その中でも印象的な牛の首、
その牛の首に…、ウナギが… (映画をご覧あれ)
うええええ~~~~ ☆\(ーーメ
そういうわけで、
北ドイツのウナギは、
私の中でとてもグロテスクなイメージを持った食材だったのです。
にもかかわらず、映画の中では、
そのウナギを夢中になって捕まえ、
美味しそうに食べているドイツ人が描かれています。
その妻は、ウナギを見て、吐き気をもよおしているというのに。
きっとギュンター・グラスは、リューベック生まれにも関わらず、
魚嫌いなんではないかと思います。
彼の他の作品『ひらめ』でも、
ヒラメはグロテスクな存在として描かれています。
ギュンター・グラスは、
リューベックに住む大人たちが、
ウナギを美味しそうに食べるのが不思議だったんでしょう。
こんな脂臭くて、胃にもたれて、ベタベタする食べ物のどこがいいのか…。
そして今、私も燻製のウナギを一匹食べ終わって、
………… (後悔先に立たず…)
サーモンやサバの燻製にしておけばよかった…。
ヨーロッパにウナギの旬ってあるんでしょうか?
日本では夏の土用丑の日が、一応ウナギを食すべき日ですが、
でも、ウナギが一番美味しいのは、冬を間近に控えた今頃と聞いたことがあります。
冬前に、しっかり脂肪を蓄えるらしいからです。
ドイツの魚料理は、
ソテーにするかフライにするか、
そして、後は燻製ですね。
魚中心のファーストフードは、
たいていスモークした鮭やニシン、
あるいは酢漬けのニシンを、
オニオンスライスやレタスと一緒にパンで挟んだもの。
焼いたヴルスト(ソーセージ)をパンで挟んだものよりも、
少し値段が高いので、少し高級食材なのでしょう。
とはいえ、ドイツで魚料理は期待しては駄目です。
イカやタコはほとんど見かけませんし、貝もムール貝ばかり。
今日はクラスメイトと、「お好み焼き」の話題で盛り上がりました。
「お好み焼き」は日本のピザだとか、
キャベツや豚肉にウスターソースとマヨネーズで味付けするんだとか、
(青のりやもやし、鰹節や紅ショウガは、ドイツ語で表現できないので諦めた)
「たこ焼き」は丸くて、タコが入っているんだとか…。
「お好み焼き」のレストランを知っているかと聞かれて、
そう言えば、SUSHIレストランはたくさん見かけるのだけど、
お好み焼きは見かけない。
日本に来た外国人は、
値段の高い寿司よりも、
庶民的な値段のお好み焼きに感激して帰って行くというのに…
ドイツで「お好み焼き」を商売にすると儲かるかも… ☆\(ーーメ
テイクアウトしやすいし… ☆\(ーーメ
「たこ焼き」の、
あのくるくる回して焼く技術なんて、
神ワザのように思われるのではないかしら… ☆\(ーーメ すでにその気になっているな
イギリスでもウナギ料理があるんですか?
まあ、同じ北海に面しているから、
イギリスにもウナギ料理があっておかしくはないんだけど。
でも、フィッシュ&チップスの類で満足できなければ、
ヨーロッパの人々の魚料理は、期待しない方がいいようです。
日本の感覚で言うと、
ドイツのウナギ料理は、
日本の手間をかけた鰻料理と言うよりは、
単なるウナギのソテーか、ウナギの燻製に過ぎません。
思うに、ドイツのウナギ料理は、
魚の旨さを味わうと言うより、
寒さで冷え込む北ドイツの人々が、
手っ取り早くカロリーと皮下脂肪を補給するため、
鱈など脂肪の少ない魚よりも、
脂肪の多いウナギを選んだということではないでしょうか。
美味しいと言うより、酒の肴。
珍味の類。
スモークサーモン同様、
オニオンスライスを付け合わせて食べてみたのですが、
それでもくどい…。
でも、チーズと同じように、
好きな人には癖になる味なんでしょう、きっと…
体調不良になりそう???
ドイツは燻製が-\ポピュラー?
ココでは聞いたことがないなぁ
フライかトマト煮か...
でも、なんか泥臭くて、高いし、買う気にはなれない。。。
アー、美味しい蒲焼きが食べたい!!
あの、ベッカムの生まれ故郷が ウナギ料理の有名な所で・・・。
でも、イギリスは ”飯” は ヒドイらしいけど ^^;
大きさも日本の2倍もあるんですね。
味も大味そうです^^;