ハンザ同盟の盟主リューベックを訪ねました。
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2012/11/12 04:41:55
ユトランド半島の付け根、
バルト海の近くにリューベックはあります。
リューベックは、
中世のだいたい14世紀頃、
北ヨーロッパ、特に北海・バルト海に面したハンザ同盟の各都市の中でも、
盟主と言われた都市です。
それはリューベックが、
ドイツ北部の岩塩を独占的に交易していたからで、
ノルウェーやスェーデンに塩を輸出し、
その塩で漬けたニシンを買い付けて、
ドイツ南部に売りさばいたかららしいです。
ノルウェーやスェーデンは緯度があまりに高いので、
海に面していても塩田で塩を作ることができないようなのです。
確かにこの気候では、塩水を乾かすなんてことは無理だもんね~。
中世においてドイツ最大の都市は、ケルンだったそうで、
それに継ぐ規模を誇っていたのだそうです。
さて、そのリューベックの現在は…
リューベックは、ひっそりと静かな都市でした。
日曜日だったからかもしれませんが、
街全体がまるで眠っているかのようです。
ガイドさんの説明によれば、
現在のリューベックは大きな産業がないために、
若者たちは、ドイツ北西部の工業地帯や
太陽がここよりは高く昇るドイツ南部の方に、
仕事を求めて移住していくそうです。
この街の旧市街、つまりハンザ同盟の頃の市街は、
川と運河によって、ちょうど大きな中州のようになっています。
最高地点が海抜16メートルと言ってました。
ですが、縦に2キロ横に1キロ程度の小さな中州ですので、
本当にこぢんまりとした旧市街です。
こんなに狭い旧市街ですので、
ここに大きな工場があるわけでもなく、
従って、観光が旧市街の産業になっているようです。
ですが、
北部ドイツは
南部ドイツに比べて城や宮殿が少ないため、
観光客にあまり人気がないんです。
今日、この街を歩いていても、
団体観光客にほとんど出会いませんでした。
そして、若者も仕事を求めて、南の方に移動していくため、
日曜日の午後と言えば、
散歩が大好きなドイツ人が大挙して出歩く時間帯であるにも関わらず、
目抜き通りでも人が少ないんです。
結果的に、非常に静かな都市が保たれているんです。
大道芸人の奏でるアコーディオンが、目抜き通りの遠くまで流れていくのです。
ましてや細い路地に入り込めば、誰にも出会わないことがしばしば。
石畳の上を歩く私の足音だけが、人気のない路地に木霊します。
ここは自治都市の商人や職人たちが暮らした街。
したがって豪華な宮殿はありません。
大きな建物と言えば、教会と市役所。
その職人や商人たちが、
狭い中州の島の中に住んでいましたから、
家々は皆小さく、路地は緩やかに曲がって、せいぜい車一台しか通れません。
この古く小さな家並みが、
お昼になっても、
かなり斜めから差す乏しい日差しの中で、寝静まっているのか…、
それとも私のような異邦人が、
突然通りに現れたものだから、
みんな家の中へと逃げ込んで、
窓の内から私が通り過ぎるのを、
息を潜めて見つめているのでしょうか。
リューベックは、旧市街全体がユネスコの世界文化遺産。
でも、この世界文化遺産の価値は、
単に古い街並みを残しているというだけでなく、
すべてが眠りについているかのような静けさの中にあるということにあります。
ひょっとしたらこの街に入ると、
時の歩みさえも遅くなってしまうのではないでしょうか。
そんな幻想小説の中に登場する街が、
もしこの世界のどこかにあるとしたら、
その一つは間違いなくリューベックです。
山尾悠子『ラピスラズリ』の読み過ぎかしら…
同じヨーロッパでもイタリアなら、
どんなに小さな街も路地も賑やかな感じがします。
たとえ人がいなくても、音楽が流れてきたり、
表通りで車が鳴らしたクラクションが聞こえてきたり…
ところがリューベックは、物音がしないんです。
表通りにはバスも走っているのですが、
ひとたび細い道へと入っていけば、
そこは静寂の世界。
音楽も車の走る音も聞こえません。
子供が路地で遊んでさえいない。
本当に街の住民が、
すべて小さな家の中で、
眠りについてしまったかのような空間なのです。
このひっそり感は、ちょっと恐ろしくさえあります。
そして、このひっそり感に世界文化遺産を与えたのだとすれば、
ユネスコは結構目が高いです。
もし、南欧の喧噪が嫌になったら、
リューベックを訪ねてみるのはおすすめです。
その際は、必ず旧市街のホテル、
それも路地の奥にあるようなところに泊まりましょう。
イタリア人にとって、この静けさは拷問に近いものかもしれないけど… ☆\(ーーメ
Hbf.は、Hauptbahnhof の略です。
Haupt は中央、Bahnhofは駅、つまり、リューベック中央駅です。
つまり、リューベック・南駅とかがあるため、
ICE(特急)が止まる、その都市の中核駅はHbf.になります。
リューベックの旧市街は、Hbf.から歩いて15分ほどです。
リューベックは徒歩でも、一日で観光できる小さな街でした。
ひぇ~ 寒そう...
氷片が漂っているようなイメージ
街並みを画像検索で見ました
もう、一目で絶対にイタリアじゃない
同じ煉瓦造りでも、建物の形や窓の感じが全然違う
おとぎ話の魔法使いや妖精が被っている帽子の様な
コーン型の屋根
イタリア国内では見たことがないわ
(チロル地方とかだとあるのかなぁ...知らない)
ところで、駅名
Lübeck Hbf
とあったけれど、Hbfって何? 何の略?