小さな森の恋 #4
- カテゴリ:自作小説
- 2012/11/01 17:48:05
✿主な登場人物✿
・ティーナ…妖精の女の子。この物語の主人公。
・クリス…人間の男の人。妖精を信じて探し続けている。
・ヴァン…妖精の男の子。ティーナに想いを寄せる。
・マリー…人間の女の子。美しくて、可憐で、町一番の美人。
第四章 『ティーナの誤解』
「まさか…ヴァンが私を好きだなんて…」
ティーナはあれから、家に帰って、布団に包まっていた。
「チュンチュン....」
「ココ…ごめんね…外でご飯探してきて??今日作れそうにないの…」
「チュン....」
ココは外へご飯を取りにいった。
「ハァ…ママ…パパ…ありえないよね…あのヴァンがだよ…??」
ティーナはママとパパがうつってる写真に語りかけた。
「あんな小さい頃から一緒にいたヴァンが…私のこと…好きだったなんて…」
ティーナは、そっと写真をポケットに直してフッ....と目をつぶった。
「チュンチュンチュンチュンッ!!!!!!!!!!!!」
「…ん??ココ??ご飯は取ってきてっていったじゃーん…」
とフッと外を見ると、朝の日差しが目に入ってきた。
「やだぁぁぁぁあ!!遅刻じゃん!!!!」
といってティーナはパパパパッと準備をして学校へ向かった....
──────────学校に到着。
「おっ…おはよーございまぁ~…す。」
ティーナはこっそり教室に入った。
「ティーナちゃんおはよう、後で職員室に来なさい。」
「トホホ....」
ティーナはしょぼん....として席に座った。
「さぁっ、皆、今日はボヤボヤしてる場合じゃないのよ!?今日は人間について話をするわ」
「えー??人間ー??なんでですかー??」
「皆には人間は恐ろしいってことわかっててほしいからよ。」
「キャー、こわいなぁ~…」
生徒はザワザワと騒ぐ。
「違うよ先生っ…!!人間みんなそんな人ばっかりじゃない…!!!!」
「ティーナちゃん…なにを言い出すの??」
「私、この前心優しい人間の目を見ましたっ!!!!あれは…恐ろしい人の目じゃないわっ!!」
「ティーナちゃん!!今から人間の話を聞けばあなたもそんなこと言えなくなるわよ。」
先生はキリッと顔を怖くなり、パサッと本を開き始めた。
「昔は妖精も人間もすごく仲良かったのよ。でも…ある日…妖精は人間に恋をした。
そう…その男は町一番の大金持ちで、大きい貴族だった。でも…その妖精は
まったくの平凡で、人間の家族には全く認めてもらえなかった。ましてや妖精なんて…
と家族はその2人を引き離そうとした。そして…男の家族の圧力に耐えられなくなった
妖精は、違う男の妖精とお見合いで結婚したのよ。」
「そっ…それのどこが最低なのよ!?」
「ここからよ。…その妖精の女の子はちゃんと男を忘れて幸せに暮らしてたのよ。
それに…子どももしっかりできて。でも…人間の男が妖精を忘れられず、男はまた
この森に足を運んでしまったのよ。そして…その女の子は…またその男に恋をしてしまった…。妖精の旦那のこともわかってる、子どもの事も好きだしわかってる。
でも…その人間の男を忘れられなかった…人間はまた妖精と付き合ったのよ。
そしてら・・・またあの男の家族が…妖精に近づいてきた…。そして…妖精の女は…
その家族に…ビンに永久に閉じ込められた…もう男に会わないようにと…。
その男に会えないようにするために…永久に…そのビンの中に…食糧も与えず…
そして、旦那と、子どもはずっと待ち続けた。妖精が帰ってくるまで…ずっと…」
「…なんなのよ、その話…デタラメでしょ…!?ふざけないで…!!!」
バッとティーナは学校から飛びだしていった。
そしてティーナは走った…あの場所へ…走って走って走った…。
そして夜になった。ティーナはようやく、あの明かりが見える場所へと
到着した。
「会いたい…会いたい…」
ティーナは崩れ落ちていた。すると頭の上にフワッ....と大きな明かりがかぶさった。
「え…、妖精…??」
そこにはクリスがティーナを驚いた顔で見つめている…。
「……あなたは」
ティーナは人間でもいい…過去になにしててもいい…。
そう全ての歴史を捨ててクリスの顔に飛びついていった。
「おおおっ…どうしたんだ…??」
「うっ…うっ…やっと…こうやって会えた…」
ティーナはクリスの鼻にギュッ....とくっついた。
クリスはその小さな体の背中をヨシヨシ....となでた。
「僕も…ずっと会いたかったよ…」
「えっ…??あなた…も…??」
ティーナは大きな誤解をしてしまった。
ティーナはもしかしてこの人も私の事好きなんじゃないかと…。
※実話ではありません。
続き楽しみです