小さな森の恋 #3
- カテゴリ:自作小説
- 2012/11/01 15:04:04
✿主な登場人物✿
・ティーナ…妖精の女の子。この物語の主人公。
・クリス…人間の男の人。妖精を信じて探し続けている。
・ヴァン…妖精の男の子。ティーナに想いを寄せる。
・マリー…人間の女の子。美しくて、可憐で、町一番の美人。
第三章 『ヴァンの恋心』
「おーい!!!ティーナ!?今日学校だぞっ!?」
バンッ!!!!
「うるっさいわね!!!わかってるっつーの!!!」
家の前で待ってくれてたヴァンにまで八つ当たり。
「いってーな…なんかあったのか??」
「べっ…べっつにぃ~。」
「お前さ、嘘つくとき右の眉動くんだよな。」
「へっ!?」
ティーナはバッと眉毛を隠した。
「なんかあったんだろ??言えよ。幼馴染なんだから。」
「うっ…うるさいな・・・ほっといてっ…!!!」
ティーナはツーンとつめたい態度をとった。
「なんだよ…ったく。」
自分になかなか言わないティーナを見つめて切ない顔を浮かべた。
「ヴァン…」
ティーナはフッと後ろを向いた。
「…ん??」
ティーナは照れくさそうに髪をいじって
「あっ…ありがとう…ね…」
「お…おう…」
こうして2人の絆はより深まった。
「…ん??また小さな明かりっ…!!!あの人だっ…!!!!」
学校から帰ったティーナは家の窓でまた、あの小さな明かりを見つけた。
「ココ!!今日もお留守番お願いねっ!!」
といってティーナはココの頭をなでて、明かりを頼りに明かりの見える方向へ走った。
「…あの人に会える!!!!」
ティーナはすごい勢いで出て行った。
「ん…??ティーナ…??」
その姿をヴァンに見られてしまった。
ティーナががむしゃらに走ってる…その後を追いかけていった。
「ハァッ…ハァッ…やだ…雨だ…」
ポツ…ポツ…と雨が降ってきた。
「あっ、いるいる!!あの人だ…」
ティーナは雨にかからないように葉の傘を作ってそっと木葉に隠れた。
ヴァンもその別の場所の木葉へ隠れた。
(ティーナは何を見てるんだ…??)
ティーナはすごく輝いたものを見るような目で見つめていた。
ヴァンはそっと、ティーナにバレないようにスッとティーナの視線の先を見た。
そこには、人間の男の人…そう。クリスだったのでした。
「ティーナっ…!!!!」
ヴァンはすぐにわかった。ティーナはあの人間に恋をしてるんだと。
そしてティーナの目は…すごくキラキラと輝いていた....
「おいっ…!!ティーナッ…!!!!!」
ヴァンは急いで走ってティーナの腕をつかんだ。
「…っ!?やだ…ヴァン…??なんでこんなとこに…」
「ダメだ…ティーナ…あの男は人間なんだぞっ…!?」
「はぁっ…!?なんなの急に…」
ティーナは腕を振り払おうとした。
「ティーナ、お前アイツの事好きなんだろ…!?やめろよ!!妖精が人間に恋したらっ…」
「やめてよっ…!!!!ヴァンには…関係ないでしょ…!?」
「あるよ…!!!!」
「…え??」
フッ…と静かな木の音がザワザワと騒ぐ.....
「いっ…今…なんて…??」
「…お前との関係が崩れるから…言いたくなかったんだけど…お前がこんな行為をした
以上、おれはお前にキモチを伝える、ティーナ、オレは昔からっ…」
「やめてよっ…!!!!」
ティーナはパシッとヴァンの頬をビンタした。
「…ご…ごめん…。ごめんなさいっ…ヴァン…」
ティーナは涙を流して走っていってしまった。
「あれ…??妖精の…粉…??」
ティーナの涙はキレイな粉となって輝きを魅せた。
その粉は…人間のクリスにも見えたのだった。
「この粉は…やっぱり…妖精の物なんだ…よな…」
クリスはバッとハンカチを出して粉を入れてきれいにたたんだ。
「クリスッ…??クリスー??あっ、クリス…」
「マリー」
「もう…泥だらけになって…おじさんが呼んでたわよ??」
「マリー、見ろ、妖精の粉だぞっ…」
クリスはマリーに粉を包んだハンカチを見せた。
「まあ、粉…??すごくキレイね…」
「マリー、やっぱいるんだよ!!!この森に…」
「ええ、そうね、でも今日はもうダメよ、クリス。おじさんが心配してるわ。」
「ああ、わかったよ。」
クリスとマリーは一緒に森から出て行ってしまった。
「もしかして…あの男…あの女の事っ…」
ヴァンは悔しくなった。
(オレは本気でティーナが好きなのになんでティーナの事見てないあいつが…
ティーナにすかれるんだよ…)
ヴァンはぐっと唇をかみ締めた。
※実話ではありません。