Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


小さな森の恋 #1

✿主な登場人物✿
・ティーナ…妖精の女の子。この物語の主人公。
・クリス…人間の男の人。妖精を信じて探し続けている。
・ヴァン…妖精の男の子。ティーナに想いを寄せる。
・マリー…人間の女の子。美しくて、可憐で、町一番の美人。

この町の外れには小さな、小さな森があります。
その森は狭く、一本道しかありません。
でも…その森にはおかしな噂があったのです。
それは…その森には小く、美しく、まぶしい、妖精がすんでいると.....
人々は妖精の姿を見ようと何度も森に足を運びましたがその妖精を見たものは
数少なかったのでした…時はたち、月日がたつ日につれて妖精の話は薄れていき、
妖精の話を知るものは少なくなっていったのでした…。

そして…今…。


リンリンリーン♪リンリンリーン.....
「ラーラランランラララーンっ♪」
小さな森の奥深く…小さな歌声が響く…。
「ランランラー♪」
小さな鈴の音と共に小さくて、綺麗な歌声が響く.....
「ランランラーン♪ララララーン♪」
小さな歌声は小さな森へと響いた.....
─────────────ザワザワ..........
「……!?」
耳がいいティーナはフッと振り返って小さな草に隠れた。
「人間の足音だっ…」
葉っぱに隠れてじっと見た。
ザク.....ザク.....その足音は、ティーナ達の妖精の村へと近づいてきた.....
ザク....ザク.......ザク......
「…ハァ、今日も妖精の姿は見えないのか…」
そこに来たのは一人の男。何かメモを出して書いている。
「今日も妖精の姿は見えなかった....っと。」
どうやらそのメモには妖精の姿が見えなかった日を記録している…
いわば、日記帳らしい。
「…父さん、オレ…もう無理なのかな…」
男はスッと写真を出してつぶやいた。
(あの子…すごくつらそうだな…私たちを探してるのね…うぅ~ん…)
ティーナはうでを組んで悩んだ。
(あっ、そうだっ!!!!)
ティーナは小さな葉っぱの後ろからスッと手を挙げてキラキラキラ.....と
妖精の粉を上から降らせていった.....
(これで…あの子も少しは笑顔になるかなっ…)
「ん…??なんだ…この粉…」
男は手を広げて粉を受取った。
「これは…妖精の粉だ…すごく光ってる…綺麗だ…」
男は目を光らせて粉を見た。
「父さんが言ってた粉だ…!!ここにはやっぱり妖精がいるんだっ…!!!」
男は嬉しそうに周りを探し始めた。
(ゲッ、ヤバイッ…逃げなきゃっ…)
フッと後ろを向いて逃げたティーナの後ろ姿が…
「…!!妖精…??」
男の目に映ってしまった。これが物語の始まりだった......

第一章 『小さな森の恋』

「ハァ、ハァ、バレてないよね…まさかね…」
ティーナは家の中に入っていた。
「おーい!!ティーナッ!!あそぼーぜー」
ガチャ。
「今疲れてんのよ!?ふざけないでよっ!!!」
といってドアを強く閉めた。
「ハァッ…??んだよ…あれ…」
妖精のヴァンは帰っていった。
「ハァ…ママ…パパ…私…どうしたらよかったのかしら…」
ティーナはジッ…と写真を見てつぶやいた。
「チュンチュン....」
「やだっ、ココ、痛いって、くちばしっ!!!!」
妖精は人間界ではあんなに小さなスズメでも妖精よりはでかい。
もはや、のれるくらいの大きなのだった。
妖精界では、鳥をパートナーにしてスズメで移動をするのだ。
いわば、人間界でいう自転車だったり、ペットだったりする。
「ココ…私…小さい頃からココと2人きりだったけど…ココは幸せなの??」
「チュンチュンっ!!!!!(うんうん)」
「そっか…ありがとう…ココ…」
ココの頭をなでてフッと笑った。
────────────そしてあっという間に夜。
「ん…寝ちゃった…」
ティーナはスズメのココちゃんのおなかの中で眠りから覚めた。
「チュン.....」
「ああ、ごめん、ココちゃん起こしちゃったね…。…ってあれ??」
ティーナの家の窓の外から小さな明かりが見えた。
「明かり…??ココ、ちょっと見てくるから待っててね。」
ティーナはフッと立ち上がって家から出て行った。
ティーナはその明かりの見えるほうへ…ほうへと走っていった。
「ハァッ…ハァッ…ここかっ…」
ティーナはやっと明かりが大きく見えるとこまでたどり着いた。
「この明かり…まさか…」
「本当なんだって…」
(…!!!人間の声…!!!)
ティーナは近くの木葉に隠れた。
「マリー、オレは本当に小さな妖精の後姿を見たんだ。」
(見られてたんだっ…!!!!)
「やだ…クリスったら本気になっちゃって…私だって妖精を信じてるのよ??」
「信じてないじゃないか…笑ってばっかりでー…」
「だから…今日は忙しいのよ…叔父様にパンを届けなくちゃいけないの…」
「え…そんな…」
「ごめんなさい、クリス…じゃ、帰るわね…」
「マリーっ…!!!!」
マリーはタタタタタッと帰っていってしまった。
男はクッと悔しい顔をして、フッと振り返った。
(かわいそう…また妖精の粉ぐらい…見せてあげてもいいよね…)
ティーナはまた、手をフッとあげて妖精の粉を降らせた。
「…っ!!粉だ…あの時の妖精の粉だっ…!!!」
(すごく嬉しそう…あの笑顔…)
ティーナはドキッとして顔が真っ赤になっていた。
(なんなの…このキモチ…胸が苦しい…)
ティーナはこのとき、してはいけない小さな森の恋をしていたのだった....

※実話ではありません。




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