✿主な登場人物✿
・山口　モナ・・・引きこもりで大変辛い過去を抱えてる。
・高山　真菜・・・モナの『元』親友。
・森坂　悠・・・イケメンで人気のある学校Ｎｏ１モナの『元恋人』
・山口　優奈・・・モナのお姉ちゃんでスーパーモデル。

第五十八章　『母親の事』

「なんでわざわざ言うの!?しかも美海ちゃんになんてっ…」
「あーらごっめんなぁ～い??ついお口がすべっちゃったぁ～❤」
「菫…あんたいつからそんな女になったのよ…」
悔しそうな顔をして菫を見つめる明日香。
「なっ…なんの話??私は昔からこう…」
「違う!!!菫は…もっと心がキレイで…優しい子だった…。なのにっ…なのにっ…」
明日香は一粒の涙をこぼして、教室から去っていった。
「……っ」
「ちょっと、菫。説明してもらおうか??さっきの事…軽々しい問題じゃないのよ??」
「……そっ、そのままの意味よ??なんだったらママに聞けばいいわ。」
といって菫も教室から出て行った。
「なっ…なんなのこの展開…。ドラマじゃないんだから…」
と一人つぶやいた。
「あれ??モナ、なんか顔色悪いなぁー。大丈夫かぁ??」
「えっ、悠君…。あっ、だっ、大丈夫。大丈夫だから気にしないで!!!!!!」
「ふーん??そっ、じゃあオレ行くわ。」
「え…」
やっぱり昔よりそっけない態度だった。
（悠君…やっぱり菫と付き合ってるのかなぁ…）
モナの不安がつのるばかりだった。
「モナ、ちょっと2人の様子見に行かない??」
「あっ、うん。」
と言ってモナと美海は菫と明日香の元へ行った。

───────────屋上。
「なっ…何してるの!?明日香さん…本気なのっ…!?」
「ええ!!本気よっ!!!あなたは変わってしまった…。そんなあなたを見てると辛いの!!!
死にたくなる!!!あなたが変わってくれれば…私は死ななくてすむのにね!!!!」
「私は関係ないでしょっ!?しっ…死ぬなら勝手に死ねばっ!?どうぞ!!ご自由に!!!」
菫がプイッとそっけない態度を見せた。
そして隠れて見守るモナと美海。
「美っ…美海ちゃん…あれ…明日香本気っぽいけど…大丈夫…??」
「さぁ??私なにも聞いてない。全部…明日香次第だね」
「はぁっ…!?」
「私は本気よ、菫っ!!!あなたが変わればいい話じゃないの!!!」
「変われないわっ!!!!!変わりたく…たいのよ!!!!明日香さんなんて知らない…!!!」
「菫っ…」
──────────ビュォォォォォォォォオッ!!!!!
「きゃっ……!!!!」
「えっ…??」
「……!!!!」「あっ…」
─────────グラッ。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!!!!」
「あっ…明日香ちゃんっ…!!!!!!!!」
菫は明日香の手をしっかりと握った。
「ふぅ…ビックリしたぁ…」
「あっ…危うく本気で死ぬとこだったぁ…」
2人はホッと一安心した。
「すっ…菫…。今…”明日香ちゃん”って…」
「あっ…。…そうだよ。本当は辛かったよ。私だって…でも…明日香ちゃんがモナちゃんと
仲良くしてるところみて、お母さんの野望に答えようって決心ついちゃったんだ…。
お母さんの言いなりに…なろうって…お母さんが私を操り人形みたいに扱っても…
ガマンしようって…」
「そのっ…野望って…??」
「北条の名前を利用してお金儲けをすること。」
「はぁっ…!?」
（あっ…景子さんが言ってた話だ…。まさか…菫全部知ってたの…!?）
「お母さんからこの前すべて聞いた。って言っても直接じゃないんだけどねっ…。
お母さんが叔父さんと最悪な話をしていた…。」

「もしもし??お兄様??フフッ、あの件で電話してきてくださったのですね??
余計な心配はご無用ですわ。菫だってちゃんという事を聞いてくださってるし…。
まるで操り人形のように動いてくれますからすごく楽ですのよ??ホホホホホホホッ!!!
…え??なんで菫を引き取ったのか…と??…クスッ、お兄様私を何者と思って??
もちろん、景子は頭も良くてあの頃の時点で大きかったので全てわかってたじゃ
ありませんか。だから小さくて、バカで、何もわからない菫を引き取ったのですわ。
あの子は昔からバカみたいに信じるクセがありましたから…。…フフッ、利用するには
もってこいの人間ですのよ??お兄様もぜひ、利用してみてはいかがです??
結構いい仕事しますのよあの”操り人形”は…。オホホホホホホホホホホホホホッ!!!!」

「…って」
「そんなぁ…菫のお母さんがそんな人だったなんて…」
「そして私は景子っていう存在もわかった。私、探そうと思うっ…!!!!!!」
「え…??」
「景子っていう子にも…会ってこのことはなしたいのっ…!!!!!!」
（そういえば景子さんも会いたいって言ってたような・・・。コレはいいチャンスかも!!）

※実話ではありません。