金狼の重圧…04
- カテゴリ:自作小説
- 2012/10/23 00:11:09
「……仁王が入院した?」
サウス地区のトップを張っていた仁王が誰かとレースをして入院したと聞いて、普段ならこの報告は別段おかしい事では無い。地区のトップだからと言って危険と隣り合わせなのは誰もが同じ。バイクが転倒して病院に行くことは、多々ある事だ。
まあ、仁王ほどの走り屋が簡単に転倒するとは思えなかったが。
それにしても解せなかったのは、バタフライとのレースを控えていたのに、誰とレースをしていたかだった。
「仁王は誰とやったんだ?この俺とやる前に…仁王がやられるんだからノース地区のフォックスか?」
バタフライの小さな声での独り言。俺と仁王が戦ったとなれば、ウルフが戻ってくるかもしれないのに…戻ってくる保証はないが、それがきっかけだったのに…バタフライは仁王との対戦を諦め、ノース地区のフォックスとの対戦を考えはじめていた。
「フォックスじゃない」
ユウジはそう言った。
「フォックスじゃない?じゃあ誰だ?まさかイースト地区のライトとか言う新参者じゃないだろうな?」
イースト地区のトップは2か月前にトップになったばかりのライトと言う男だった。その男が仁王を倒せるとはバタフライには思えなかった。
が、バタフライの思考よりもはるかに予想を超えた答えが返ってきた。
「実はそのフォックスもライトもレースで事故って入院中らしい」
「ちょっと待て、俺以外の地区トップ3人が全員入院してるってことか?」
「ああ、フォックスとライトの入院はさっき知ったんだ」
ユウジは話を続けた。
「フォックスが2週間前、ライトは3週間前から入院中だということだ。2地区ともトップが負けた事を隠していたみたいだ」
「どうなってるんだ?……………まさか、ウルフか?」
バタフライはそう思った。
もしかしたら姿をくらましたはずのウルフが極秘で対戦をしているのでは?地区トップが病院送りになるほどの余裕のないレースをする相手などウルフ以外に考えられなかったからだ。ウルフが復活したのか?次は俺か?
パーキングエリアにもう一人入ってきた。チームの副リーダーのシンだった。
「なんか様子がおかしいから、他のチームに聞いてきたんだが、どうもウルフが復活したらしい」
チームの皆はいきり立った。バタフライは嬉しくて少し笑った。
「でもな、気になることがある…」
「気になること?」
「それが…誰も見ていないんだよ、ウルフの姿を。レースはどこで行なわれたかも分からない、観客もいない、対戦相手と完全なさしでの勝負なんだそうだ。それと…」
「それとなんだ?」
「病院送りになったのは骨折ぐらいの騒ぎじゃないんだよ、仁王、フォックス、ライト全員面会謝絶だ」
続きがきになります!!
こ、怖いです。。
でも、続きが気になります。
全員面会謝絶!!
その謎のウルフって???
とっても気になります!
お礼の素敵&水撒きです~(✿❛◡❛)σポチッ
バイオレンスに!?
いやいや、果たしてそれは本当にウルフなのか??
楽しみです。
小気味よいテンポでの展開^^爽快です。