✿主な登場人物✿
・山口　モナ・・・引きこもりで大変辛い過去を抱えてる。
・高山　真菜・・・モナの『元』親友。
・森坂　悠・・・イケメンで人気のある学校Ｎｏ１モナの『元恋人』
・山口　優奈・・・モナのお姉ちゃんでスーパーモデル。

第五十二章　『菫の嫉妬』

「うぅーん…」
難しい顔をする菫。
「むっ…難しいー…。」
「んー??どれー??」
サッ、と明日香に教えようとすると…。
「どれ??明日香ちゃん、言ってみて!!!」
モナを押して明日香に寄り添った。
「なっ…。」
「………。」
さっきからこの繰り返しだった。
そして、明日香とモナの門限時間…。
「よしっと、明日香ちゃん勉強もそろそろ終わろう??門限…」
「明日香ちゃん!!!泊まっていきなよっ!!桐君にも連絡しとくからっ!!!!」
またモナの言葉をかぶせるように言った。
「ちょっ…菫ちゃん…」
「いいんじゃない??私たちも泊まりたいなぁー。ねえ??モナちゃん??」
「へっ!?ああ…うん」
「わっ…わかりました…。連絡してきますね。」
菫はふてくされたような顔で連絡しにいった。
「なんで泊まるの??どうせ明日もテストでしょー??」
「そうだよね、お風呂とかもあるし…。私は帰る。」
居心地がわるかったモナは帰っていった。
「えっ??モナ…帰るの…??」
スッと取り乱す明日香。
それと同時に菫が帰ってきた。
「…??」
「うん、帰る。明日香ちゃんは泊まっていけば??じゃあね」
すると明日香がバッと立ち上がった。
「だったら私も帰る!!!!」
といった。それを聞いた菫はバッと出て、言った。
「待ってよ、明日香ちゃん!!桐君に連絡したんだよ!?」
「そんなのどうだっていいでしょ??じゃ、帰るから」
といって明日香はモナをひっぱって帰っていった。
「明日香ちゃん…!!!!」
菫は唇をかみ締めて涙を流した。
「ったく、嫌だね。女の関係ってドロドロしてて嫌い。」
といって美海は帰った。
「…うっ。明日香ちゃん…」
菫は明日香と写ってる小さい頃の写真を眺めた。
（あの頃の明日香ちゃんは…。守ってくれたのに…）
そっと目を閉じて思い出す菫。

菫、明日香、7歳の頃。
「うぇぇぇぇぇぇえん…」
「たてよっ、泣き虫ー!!!ハハハ」
「やめてよ!!あっち行きなさいよ!!!!!!」
「チッ」
タッタッタッタッタッタ
「明日香ちゃん…」
「大丈夫だよ、菫っ!!!菫にいじわるするヤツは私がやっつけるからね!!!」
「明日香ちゃん…。…うん!!!!」
「約束するからねっ」
「うんっ!!!約束っ!!!!」

菫はそっと笑った。
（あの頃の思いはモナちゃんに向いたってワケか…）
菫はうずくまった。大好きな明日香を取られたような…。
そんなキモチになっていた…。
「そういえばモナちゃん、お姉ちゃんには会えたのかなぁ??」
菫がつぶやくと菫はハッと何かを思いついたような顔をした。
「コレだっ!!!」
菫はスマホを手に取って、何かに電話をかけた…。
「あっ、もしもし…??どうも、お久しぶりですわね、実はあなたに頼みがあるんですけど…」
菫はクスッと笑った…。

───────その頃、明日香とモナは。
「いいのー??泊まらなくて…。菫ちゃん寂しそうだったよー??」
帰り道…。モナがつぶやいた。
「バーカ。そんなのどーでもいいのっ!!お兄ちゃんを口実にされても困るっつーの」
明日香はつぶやく。
「ふーん…。菫ちゃんとさぁ…何かあったの??」
「え??ぜーんぜーん。何もないよ。菫の様子はおかしかったけど…」
（それは明日香ちゃんが菫に構わないからじゃ…）
心の中でつっこむモナ。
「それに…」
「…??それに…??」
明日香は暗い表情。
「それに…菫最近おかしいんだよ。急にお嬢様言葉つかいだしたり…。何かを抱えてる
ような…。まあ、菫の家は金持ちだからさ、跡継ぎとかそんなんかもしれないね。」
「ふぅーん。」
２人はそんな話をしながら帰っていった。

────────その頃の菫。
「ええ、そうです。本当ですかっ!?ありがとうござます、はい…はい…。でわ。」
コンコン。
「はい??どなたですか??」
「どなたですか??じゃないわよまったく…。菫、今日の口調…関心しませんね。」
「ごめんなさい…お母様。」
「あなたはこの財閥の娘よ??跡継ぎしてもらわないと困るの。」
「はい、十分承知しておりますわ。」
「さっきの電話…。叔父様??」
「ええ」
「叔父様に頼ることなんてあるの??あの人は確かに権力ありますけど…」
「もちろんでございますわ。叔父様は…”何でもやってくださるんですから”」

※実話ではありません。