【短編小説】もしリセットする事が出来るのならば。
- カテゴリ:小説/詩
- 2012/10/11 19:41:53
――もしリセットする事が出来るのならば。
私はリセットするんだろうか。
ただ、自分の過去をやり直せることができるのであらば。
あの悲劇を無くして楽しく幸せに暮らせれるのであれば。
――私は『人生』をリセットするのだろうか。
そうすると自分自身はどうなるだろうか。
何かも生まれ変われる?
『魔法』という非常識な力を持たない、ただごく普通の女の子であれたのだろうか。
「……」
私は、召喚族の里にある学校の中の図書室にあった、「リセット」というまた在り来たりな魔法が書かれた本を手に取り読んでいた。
この本をじっと見つめて「もしも…」などと考えてしまう。
先ほどの思考をまた繰り返す。
考えても仕方がないこと、でももしこの「リセット」という魔法を使って、何をするのだろうか。
…生まれ変わるのだろうか。
…過去を変えるのだろうか。
…もしくはすべて何もかも『自分』と『人生』を変えてしまうのか。
その考えを止めることなくカチカチと頭の中で歯車が回るかのように考える。
「玲」
しばらくして考えすぎで軽く頭痛がしてきた頃、不意に横から凛とした声で名前を呼ばれる。
「何?」
「凄く熱心に読んでるのね。そんなにいい本見つかったの?」
と、言われ手に持っていた本に目をやり、やや何かを隠すかのように少し慌てて本棚にしまう。
「…どうしたの?」
その行動で不審に思われたのか、声のトーンを少し下げて問いかけてきた。
「ううん、なんでもない。ただ、変な本だなぁーって思いながら見てただけ」
「その割には熱心だったけどね?」
そう言われ私は少し笑い、「そう?」と言った。
「さ、もう行こう。ミッションが始まっちゃうよー」
「別にミッションくらい多少遅れても…」
「いいからいいから」
私はそう急かしながら図書室を後にした。
――「もしリセットする事が出来るのならば」
…何をしようが関係ない。
いや、『何もしない』と言うのが正しいだろうか。
過去に『魔法』という非常識な力の所為で、親の遺伝子で外人のような容姿だった所為で苛められたからって。周りから除者にされたって。
過去に何者かにより両親を殺され、居場所も思い出も何もかも失ったって。
――『現在(イマ)』を変えるつもりは全くもって、無い。
だって、『現在(イマ)』が一番楽しいから。
ここが心地いい居場所だから。
ここには信頼できる、大切な『友達』であり、『仲間』がいる。
「あ、玲先パーイ。遅いですよー」
「早くしないと面倒なミッションが残ってしまいますよ?」
校舎を出て、星姫と慧璃がいた。
ずっと待っていたんだろう。なんだか凄くくすぐったい気持ちだった。
「――ほら、行こう」
傍にいた、塑羅が二歩位前に出て手を差し伸べる。
私は頷いて、その手を取り、歩みを進めた。
――もう、「リセット」なんて、何かを変えようなんて、何も考えないって決めたから。
===============================END
あれ、案外短かったかな。
「貴方に似合うイメージ曲診断」という物をオリキャラの玲でしたら、
『人生リセットボタン』という曲だったので、
ピーンと来てツラツラと短編小説にしてみました(`・ω・´)
ホントはこんな重い感じの曲じゃないんだけど、
曲の一部で「目が覚めたら人生リセットボタンがそこに」と最初の方にあって、
それを元にこんな感じの話を。
割と辛い過去を一番持ってるのか私でもよく分からないけど、
「もしリセットする事が(ry」と来て、
久々に ふぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお! ってなりまして。え、意味不?大丈夫、私も意味不(((蹴
なんやかんやで新しい場所を見つけると落ち着くもんですよね。
「住めば都」。ちょっと例が違うけどそんなもんだよね(((蹴
もう一つ書けたら書きましっ(`・ω・´)キリッ