いらない人間。 #44
- カテゴリ:自作小説
- 2012/10/07 16:26:49
✿主な登場人物✿
・山口 モナ・・・引きこもりで大変辛い過去を抱えてる。
・高山 真菜・・・モナの『元』親友。
・森坂 悠・・・イケメンで人気のある学校No1モナの『元恋人』
・山口 優奈・・・モナのお姉ちゃんでスーパーモデル。
第四十四章 『母の愛』
─────────コツコツ。
「…………………」
明日香はそっと顔をあげ、見上げた。
「……ここか。」
明日香の前にあるのはボロくなったアパート。
「ここに”あの人”が…。」
明日香は息をのんでアパートへ向かった。
「えーと…○○○号室…。ここだ…」
明日香は部屋の前に立った。
──────────ピーンポーン…。
静かに部屋の向こうからチャイムが聞こえた。
部屋の向こうから静かに聞こえる足音…。
─────────ガチャッ。
「はぁ~い…」
出てきたのは髪が長くて、綺麗な女性。
「あっ…あの…!!」
女性は不思議そうな顔を浮かべた。
「どなたですか??」
そういわれた明日香は傷ついた。もちろん明日香はわかってた。
(お母さん…まったく変わってない…)
お母さんをじっと見つめている明日香。そんな明日香を見て女性は笑顔を浮かべた。
「立ち話もなんでしょうし…あがってください^^」
その笑顔は昔と変わらない、自慢のお母さんの綺麗な笑顔だった…。
「…は…はい…」
明日香は自分に気付かない母に少しムッとした。
「…で、どなたですか…??」
母が聞くと明日香は固まってしまった。
「わっ…わたし…は…。」
─────────────ガチャッ。
「ただいまーっと。お客さん??」
一人、制服の髪が長くて美人の女性…。
「あら、美海(みみ)。お帰りなさい。あ、そうだわお客様にお茶出してあげて??」
「美…海…??」
「ああ、”うちの娘の美海”です、美海、挨拶しなさい。」
すると美海は一歩前に出てお辞儀をした。
「美海です。よろしくお願いしますって…誰なの??お母さん」
「それが私もわかんなくてねぇ…」
「ちょ…!!用心しろってお父さんに言われたでしょ!?もぉー!!!!」
明日香は親子の言い合いを目にした。
しかも自分の母親が別の子どもと言い合ってる姿を。
「そっか…もう…いい暮らししてたんだ…」
「え??」
「…もう。私は必要ないんだ…」
「…!あなた!!!!!」
明日香は出て行った。
「何なのあの子…。見た感じ私と年同じじゃない??」
「…美海と同じ年…。やっぱりそうだわ…。」
女は必死に走っていった…。
「はぁ??もう…何なのよ…」
タッタッタッタッタッタッタ…。
「あ…あすか…!!!!!!!!!!!」
「……?」
「明日香…明日香なんでしょ??明日香…」
「…お母さん。…もう追わないで。私も追わないって誓った。何も見てない!」
明日香は走った。走って走って走った…。
「…明日香。あなた…”まだ生きてたのね…”よかった…明日香…」
母はゆっくり一粒の涙を頬に流した…。
「お母さん…??なんであの子がお母さんってよんでるの…??」
波乱は何度もやってくる。いつまで続くのかわからない…この波乱は続くでしょう。
まだまだ続きますよ!
※実話ではありません…。