Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


安寿が行く… コペンハーゲン街歩き その3


さて、エレガントな淑女気分に浸った後、
クリスチャンボー宮殿を後にして、
この宮殿の隣にある図書館、
その中庭にあるデンマークの哲学者キルケゴールの像を見に行きます。

大学に在籍していた時、
キルケゴールを紹介してくれた哲学の先生がお気に入りだったので、
その先生に義理立てして、
デンマークに来た以上、
キルケゴールの像を見ておかなくては。

キルケゴールの問いは、
要は体系というものへの反発なんだと思います。
彼にとって最大の敵はドイツ哲学の泰斗、ヘーゲル。

つまり、世界史を人類の精神の発展史として体系的に論じ、
その体系の中で人間の存在意義を見いだそうとするヘーゲルの考え方に対して、
そういう体系の中ではうまく位置づけられない、
個人的な体験や改心、
あるいは信仰へと向かう個人的なきっかけというものこそが、
個々人を深いところで支え、
生きていく意味を確認しうる重要な契機となっているのではないのか。
体系から人間の存在意義を引き出すのではなく、
現「実」を生きる人間の「存」在それ自身から、 → つまり実存から、
人間の生きる意味を引き出しうるような思想こそが、
目的合理性が貫徹しつつあり、人間が部品化しつつある近代社会において、
人間を、
何に役立ったかではなく、
個々の人間に即して意味づけ、救済していくのではないか…。

体系から見れば、それは不条理なものであっても…。

…と、
まあこんな風に勝手に安寿は、
実存主義と称されるキルケゴールの思想を曲解し、まとめ、
そして、銅像詣でをしてみたわけです。

でも、銅像は銅像。黙して何も語らず。頭に上には鳥の糞。

さて、いい加減、お腹がすいてきたので、
ガイドブックに紹介されている「スモーブロー」のお店に入ってみましょう。

「スモーブロー」。なんのことはない。
パンの上に、様々な食材をのっけたオープンサンドイッチです。

上に乗っける食材は選べるので、
ニシンの燻製と、鰯の酢漬けと、鰯と卵のカレー風味のものを選んでみました。
バルト海・北海の食材をやはりチョイスしなくては。

そして、シュナップス。
ドイツや北欧で飲まれる、ジャガイモを材料にした焼酎です。
そのまま飲むとひっくり返ってしまうので(アルコール40度以上)
かならず、水と交互に飲みます。

これらは典型的なデンマーク料理なので、一度は試してみましょう。

シュナップスは、ウォッカそのもの。
めちゃ強い麦焼酎という感じ。
それほど癖はありませんが、一杯だけでやめておくべき。
スモーブローは、3つの小皿に選んだ食材がそれぞれ乗って出てきました。
一つだけでは少ないので、3つ選んで正解。
どのお皿にも必ずケッパーとみじん切りにしたタマネギとディルの葉がついています。

それなりに美味しいですが、
でも、美味~! と大騒ぎするほどのものでもありません。
こちらでは、庶民料理なのですから。

びっくりしたのがやはりお値段。
え…、お皿3つで200クローネ。→ 円換算 → 3000円
シュナップスと割るためのミネラルウォーターで70クローネ → 1000円

1万円しかデンマーク・クローネに両替していなかったので、
ここではクレジット払いにすることに。

デンマークでは、
なぜか支払いの時に、
心が暗くなってしまいます。  ☆\(ーーメ

次に昨日歩いた「ストロイエ」というショッピング街を横断する形で、
ラウンドタワーという中世の頃の円塔に行きます。
ここも「コペンハーゲン・カード」で無料です。

  これで十分、元は取ったな… ☆\(ーーメ

ここは中世の頃、天文観測所&神学生の教会&図書館として建てられた建物で、
建物の中に作られた螺旋状の坂を7周半すると、頂上に着きます。

王様たちは、この室内の螺旋状の坂を馬や馬車で上ったので、
通路はとても幅広く、天井も高くできています。

  でも、馬車の方向転換はできなかったのでは…(笑)

この塔の頂上で、
昔は学生たちが夜空を天体観測し(今も設備だけはあります)、
現在は観光客がコペンハーゲンの街を下に眺めるわけです。

コペンハーゲンの空はどんよりとしています。
そして、いつも冷たい風が吹いています。
海辺の街だからか、北欧の街だからか、
もしこの天気がいつものことなら、
コペンハーゲンの人々はいつ洗濯をしているのでしょうか。

塔を降りると、塔に併設された教会で、
無料のコンサートが行われるということなので、
信心は皆無なのですが、教会の席に座ります。

パイプオルガンの演奏と男声バスの独唱。

パイプオルガンと西洋音楽の発声法って、
教会建築の中で朗々と響き渡ることを目的として生まれてきたことがよくわかります。

30分ほどのミニコンサート。ぱちぱちぱち。

その後、まだ明るかったので、
「コペンハーゲン・カード」で乗れる地下鉄にも乗ってみます。
なんと2両で、しかも無人運転。

2つ先の駅で降りて、また地図を見ながら、
川を渡って「ストロイエ」に戻り、広場の屋台を覗き込み、
そして、いい加減疲れたので、ホテルへと戻りました。

明日は、朝7:00にホテルをチェックアウトして、
ICE(インターシティエクスプレス)に乗り、
ICEごとカーフェリーに乗って、
バルト海を渡り、いよいよドイツに入ります。




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