Nicotto Town


小説日記。


似たもの同士。【アリスサークル短編】



「私たち、似てるね」

 壊れた少女はそう言って嗤った。

「なんでわかるんだよ」

 壊れた少年はそう言って哂った。

「誰かの愛情が欲しいところも、
  誰かの温もりに餓えているところも、
  一人じゃ寂しいところも、みんな似てるじゃない」

 少女は当然のように続けた。

「うるせぇな。俺は大切な人を守るって誓ったんだ。
  テメーになにがわかる」

 少年は当然のように返した。

「わかるよ。だって私もそう決めたんだもの。
  大切な人はもう見つけた。それがわかってもらえないだけ」

 少女は楽しげに告げた。

「それじゃ意味ねーだろーがよ。
  自己満足したいなら他者に同意なんか求めんじゃねぇ」

 少年は冷たく笑った。

「良いじゃない。いつか壊れてしまうのがわかっている楽しい日々を過ごす貴方に、
  誰にもわかってもらえない退屈な日々を過ごす私が嫉妬したって」

 少女はほんの少しだけ羨ましそうに言った。

「はッ。じゃあ勝手に嫉妬でもなんでもしてろようざってぇ。
  俺だってほんとはわかってんだよ。

  自分が消えて悲しんでくれる人が、大切な人だったら良いなって、
  いつだって願ってるんだから。


  ぜってー俺が守るって決めたんだ。
  死ぬんだったら俺が先に死ぬって、決めたんだ」

 少年は心底楽しそうに真剣な顔をした。

「そっか」

 少女はどこか満足したように、小さくわらった。




アバター
2012/09/27 23:12
>あやかさん

まあ誰と誰かは一目瞭然かななんて…/(^Q^)\w


末期の底力!きり←
アバター
2012/09/26 18:48
ああああああなんかこの意味あり気な引きつけられる文くあああああああ(

意味が分かりそうで分かりそうになくて分かるってところがまた!(


なんでそんなの書けるんすか!(
無気力症候群末期の方がこんなの書けるなんて・・・^p^



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