✿主な登場人物✿
・山口　モナ・・・引きこもりで大変辛い過去を抱えてる。
・高山　真菜・・・モナの『元』親友。
・森坂　悠・・・イケメンで人気のある学校Ｎｏ１モナの『元恋人』
・山口　優奈・・・モナのお姉ちゃんでスーパーモデル。

第十四章　『優奈のママ』

これは、優奈が小学1年生の頃の話…。
優奈「ママー…。今日はどこ行くの？楽しいとこ？」
ママ「そうよ…。あなたにとっては楽しいところなのかもね」
母は優奈と手を繋ぎながら一本道を歩く…。
優奈「・・・？」
大きな家についた優奈とママ。
優奈「ここ…どこ？」
ママ「優奈がこれから住むお家よ…」
優奈「え？それってどういう・・・」
──────────────ガチャ。
母「あら、待ってたわ。入って？」
これは『今の』優奈の母。名前は『京子』
優奈「おばさん・・・誰・・・？」
母「優奈ちゃんの新しいママよ～」
ニッコリ笑う母。
ママ「娘を…宜しくお願いします。」
泣きながら頭を下げるママ。
優奈「・・・・え？ママ・・・どこ行くの？」
ママ「遠いところに行くの。優奈には見えない遠いところに…」
と言って、ママは振り向かず、行ってしまった…。
優奈「ママｧｧｧｧｧｧｱ！」
泣く優奈を見ず、ずっとあの一本道を通って行ってしまった…。
母「これから私がママよ？優奈ちゃん」
優奈「やめてよ！ママ！！！！」
ママを追う優奈の姿…。何も事情のわからない優奈はなくしかできませんでした。

──────────────その夜。
優奈は一つの部屋を用意され、そこで眠りにつこうとしていた。
優奈「ママ…なんで行っちゃったの…？」
辛くて、辛くて、眠れなかった優奈は1階に下りていった。
そしてかすかに聞こえる話し声…。
父「あれはやりすぎた、ママ。」
母「なんとでも言ってください。私は間違えた選択をしてません。」
父「でもいくらなんでもあの子どもと引き離すのは・・・！」
母「うるさいわね！だいたいあなたがあの人に妊娠させたのがいけないんでしょ！？」
父「…あの人の…。旦那の子どもかもしれないじゃないか・・・」
母「なんですって…？DNA検査でもしますか？あの子とあなたそっくりじゃないの！」
父「とにかく…。俺も心を入れ替える。お前も心を入れ替えて…あの子を…」
母「嫌です。あの子には何か愛情を感じるの。直々スターにでもしたらどうかしら？」
父「お前…何が望みだ…？」
母「あなたには関係ない話です。」
・・・と会話は終わっていった。
まだ小1の優奈。何を話してるか分からなかった…。
でも優奈はこの会話がずっと耳に残ってしまっていた…。
・・・・そう。ずっと…。耳に…残っていた…。

───────優奈は中学3年生になった。
優奈はあの話を頭から消して過ごしてきた。
でも…ふと思い出す瞬間が来てしまったのだった…。

PLLL....

優奈「ママー？電話なってるよー？」
母「ごめーん！今手が離せないのー！優奈出てくれるー？」
小学一年生から育ててもらった優奈は心を開いていた。
そして…普通に電話を出た・・・・・・・・。
優奈「もしもし？山口ですけど…」
ママ『優奈…！』
優奈「…誰ですか？」
ママ『あの時はごめんなさい、ママが悪かったわ…戻ってきて…！』
優奈「…マ…マ…？」
ママ『ええ、そうよ…優奈…。あなたとまた暮らしたいの…お願い戻って…』
母「あなた何考えてるの？何様のつもりよ！！！！」
受話器を無理やりうばって変わった母『京子』
ママ『京子さん、私も必死に耐えたけど我慢できないの…お願い返して…』
母「返してなんていえる立場じゃないでしょふざけないで！」
と電話を切った母。
優奈「なんで切ったのよ…。今の本当のママでしょ！？何で切ったのよ！！」
母「あなたを捨てた母親よ！？あなたあの人のお仲からどんな風に生まれてきたと…」
優奈「知ってるわよ！！！」
母「・・・・・・え？」
優奈「ずっと知ってた…。あの頃の夜の会話…やっと理解できた…」
優奈の母はすごく驚いた表情を浮かべた。
母「あなた…まさか…あの日…！」
優奈「そうよ？知ってた。ずっと分かってたの。早くかけなおして。ママに会わせてよ！」
母「…ダメ。」
優奈「なんで・・・・・！」
母は泣いていた。
泣いて去っていってしまった。優奈は番号の履歴を確認して
もう一度かけなおした。
優奈「もしもし？会えますか…？」
優奈は明日、『あの公園』で会うことを約束した。

※実話ではありません。