妊婦・授乳府薬物療法研究会
- カテゴリ:勉強
- 2012/09/03 00:57:24
まずは、「妊婦と薬 情報センター」の紹介から。
続いて、授乳中の相談に乗る時。
母乳中の薬物濃度を母体の血中薬物濃度で割って1以下なら母乳への移行は少ないと言えますが、乳児への影響を示す指標には成りません。
血中濃度に1日の母乳の量を掛けて乳児が飲み込む薬の量を算出し、乳児の治療量or母親への1日投薬量で割って100を掛けた数字が10%以下なら通常問題ないとのこと。
ちなみに、大部分の薬は1%以下と言うことでした。
更に、消化管からの吸収率を考慮することで、乳児への影響が予測出来るそうです。
いくつかの添付文書で「母乳で検出されたので、服用中は、授乳を中止すること」となっていますが、その辺の評価をあらためて行うことで、授乳を中止せずに済むかもしれないことが判り、根拠も知ったので、次にそう言う苦情が飛び込んできた時には使えそうです。
妊娠中は、ホルモンバランスの変調によって、消化吸収は元より、血液の量が増えたり、肝臓での代謝酵素にも変化があるので、薬の吸収・分布・代謝・排泄も普段と違うらしい。
奇形の危険性もあるわけですが、注意すべきは胎児の器官が発達していく妊娠2~4ヶ月。
先天性も含めて奇形の発生率は2~3%。
ただし、薬が奇形の原因になっているのは、奇形全体の中で1%程度らしいです。
8~10ヶ月は胎児への毒性を警戒。
妊娠中は、歯の治療がやりづらいとか。
特に8ヶ月を過ぎると仰向けに寝て貰うのは危険。
歯のエナメル質は、pH5.5を下回ると溶けるとか。
悪阻で吐くと、胃液でやられる。
他に、コーラの酸性が強いのは知っていましたが、なんとpH2.48。
カルピス・ヤクルト・ヨーグルトもpH3.5前後。
そんなものを飲んで歯がどうとも成らないのは、唾液の強い緩衝力のおかげ。
pH7程度の唾液と蒸留水それぞれ5mlに、pH1の塩酸0.2mlを入れると、唾液はpH6で収まりますが、蒸留水はpH2.4まで下がり、pH6にまでしようと思ったら、蒸留水5ℓ必要とのこと。
ラストが、妊娠糖尿病。
出産してしまうと、一気に元に戻すそうですが、妊娠によって隠れ糖尿病が発覚することも。
妊娠すると、胎児へブドウ糖を送り込むために、高血糖になりやすい上に、胎盤でインスリンを分解するらしい。
妊婦の血糖値が高すぎると、赤ちゃんが育ちすぎて難産になったり出産後に障害が出るそうですが、低めの血統を維持すると、今度は赤ちゃんが成長した後、糖尿病になりやすくなるとか。
胎内で栄養が足りないため、少ない栄養を確実に吸収しようとしていたのが、出産後に豊富に栄養を与えられてそのまま吸収→インスリンが追いつかず高血糖→糖尿病、と言うことだとか。
なので、妊娠前±10Kgを維持するよう、しっかり食べて過剰な分は軽い運動を続けて消費が1番。
それにしても、同じ研修なのに、研修センター方式では3単位、病院薬剤会方式では1.75単位ってのは、差がありすぎますねぇ。
研修センターは3年で30単位なのに、病薬は1年で40単位だから、逆なんじゃない?
そして、天気予報の降水確率60%に騙されました。
天気予報では、15時~18時が1番ひどく降るようだったのに・・・。
長い傘を持ってバスで行ったのに、快晴。
原付で行けば良かったです。
しかし、同じ会場の大ホールで県病薬がこの研修会をやるというのに、県薬が中ホールで別の研修会。
県薬は県病薬に喧嘩売っているのかな?