ぬいぐるみの館。【サークル紹介小説】ⅰ
- カテゴリ:自作小説
- 2012/08/30 23:29:13
#-「デュエルは、"決闘"って意味なんだよ」
この世界にはどうやら、"月の石"と呼ばれる虹色の魔石があるらしい。
洞窟などで多く発見され、それは無機物に命を吹き込むものだった。
とある人形師ラビリンスは、その石を"ぬいぐるみ"に埋め込むことで彼らに命を与えた。
そのぬいぐるみ達を町で売り始めると、途端に彼らは爆発的に売れ始めた。
気の置けない親友として、娘の代わりとして、孫の代わりとして―――
しかし事件が起こるのは早かった。
…彼らは"暴走"した。
"月の光"を浴びて、凶暴化した彼らは人を襲った。
――月の石は、月の光を浴びせる事で膨大なエネルギーを生み出す。
月が翳れば彼らはまた元に戻った。
何事も無かったように前後の記憶を失くし、3日後に再び目覚めた。
だが人々は、当たり前のように怯えた。
そして彼らは………捨てられた。
眠っている間に燃やされ、ごみに出され、人形師ラビリンスに突き返された。
ラビリンスは絶望し、住んでいた森の奥の屋敷を捨てて行方不明になった。
ぬいぐるみ達に、「絶対に外に出てはいけないよ」と言い残し、買い物に行くと言ったきり。
――後にはぬいぐるみ達だけが残された。
…それから、10年。
*****
冷たい月の光が、森の奥の古びた洋館に降り注ぐ。
艶を失った窓硝子に差し込む光は青白くて、静かに揺らめいていた。
…そんな夜。
いつもの夜。
そして"ぬいぐるみ"達は目を醒ます。
帰らぬ主を今日も、ひたすらに待ちながら―――
*****
「おはよー!…あれ?こんばんは?」
今日も一番乗りで棚を降り、
幾度目かも忘れてしまった台詞を飽きもせず大声で放った。
真っ白な雄の狐のぬいぐるみは、大振りな尻尾を逆立てて伸びをする。
手や足、耳と尻尾の先、頬の尖った毛の先がそれぞれほんのり黒で、
透き通った山吹色の瞳は硝子球で出来ていた。
どちらかというと割とリアルな、大人の狐の実物大くらいのぬいぐるみだ。
「今起きたんだからおはようで良いと思うの。…早くはないけど、なの」
ん、と短く声を零しながら、その一つ上の棚から声がする。
ふわあああ、と一際大きな欠伸が続き、
トンッと軽く狐の隣に降り立ったのは同じく白い雌のぬいぐるみ。
ただし兎だ。
ふわりと襟巻きのように大きく広がる首と胸元の毛が茶色っぽい。
長い耳は両方とも途中で折れて地面をいつも掃除している。
兎は赤い硝子玉の瞳を瞬かせて、
小さく短い尻尾を震わせては退屈しのぎのように前足で顔を洗った。
「ねえ、アインスは?」
しかし狐は僅かな沈黙にさえ耐え切れず、うずうずした様子で顔を洗う兎をせっついた。
心底呆れたように赤い瞳で流し目をする兎を尻目に、
狐は自分で尋ねたにもかかわらず兎の返答を待つ事無く上機嫌に先を続ける。
「ねえねえ、ドライは今日なんか夢見た?ボクは全然。
あーあ、早く"ラビ様"帰ってこないかなぁ…ボクも外に出たいよ」
「見ーてー無ーいーなーのー。……ツヴァイはどうしてそんなに外に出たがるなの?
…私は怖いの、なの」
早口に続ける狐(ツヴァイ)を遮るように声を大にした兎(ドライ)は、微かに表情を曇らせた。
「"絶対に"って言われたのなの。きっと、破っちゃいけないってことなの。
だって、ラビ様が言った事は全部正しいなの。私達は、待ってるしかないなの」
彼らは実際に口を開いて喋っているわけではない。
月の石が彼らと同調して感情を生み出し、そこから声を発している。
「…それは…そうだけど………でも、ドライは気にならないの?」
ツヴァイは思わず口ごもるが、口を尖らせて言い返した。
それが幼稚に見えて、ドライは気になるけど、と無意識に言ってから、
「それより、アインスは私も見てないなの。………今日で、一週間なの」
「…、」
解りきった答えだった。
訊く前から返事がわかっていながらも訊いてしまうのは仕様が無い。
ドライの心配そうな寂しそうな、他に何か隠しているような言い方に、
ツヴァイはそれの正体に気づいてドライの前に出て強く言った。
「探しに行こう」
「駄目なの!」
しかしそれ以上に強くドライは返した。
何となく気まずい沈黙が流れる。
どちらからともなく視線を外して上げた腰を降ろした。
…アインスが出て行ったのは丁度一週間前。
二人が気づいたら、アインスは居なくなっていた。
悔しかったのだ。
自分たちだって外に行ってみたかった――が、怖かった。
踏み出す勇気が無かった。
「……どうした、二人とも」
そこへもう一つ声が割り込んでくる。
二人よりも一回りほども大きな雄の狼のぬいぐるみ。
全身真っ黒な毛に覆われ、琥珀色の硝子の瞳は鋭利な刃物のようでどこか優しい。
だがその背中には狼の身の丈くらいの真っ白な羽が生えていた。
ぬいぐるみの毛と同じ物を薄く広げ、羽の形にしたものだ。
「…ツヴェルフ」
ぱっと二人して振り向くと、ツヴァイが言った。
ツヴェルフは何となく様子を察すると、待つしかないさ、と
敢えて他人事のように言うと、おもむろに伏せて組んだ前足の上に顎を乗せた。
静かで寂しい夜は、まもなく粉々に砕かれる。
*****
書く書くと言いながら気づけばこんな時間…
続きはWebで!って言っちゃいたい。
良ければご感想を!
ちなみにみんなドイツ語の数字で。
ツヴァイは台詞書いてて楽しい。
ドライはちょっと台詞めんどい。
ツヴェルフはかっこいい。
お、ツヴァイさん~ww
よかろ!かわいかろ!
DA✩RO(
こういう子供っぽい子大好きだわぁwww
やばい、やばい、ty
しかしドライもツヴェルフも素敵だわ☆(
おーwドライ人気ですねwww
wwwwwwwww
白兎さんですよ/(^Q^)\w
wwwwwww
ふはああ有難う御座います!!!
「なの」という語尾が・・・!語尾がああああああ(ry
ごめんなさい、にやにやしちゃいますよ!!←
ツヴァイ様も、良い感じに(ry
あーもう、とりあえず素敵だという結論で!!どーん
サークル作ったら絶対に入ることを勝手に此処に宣言します!
お、ドライに一票ですねw
「なの」キャラは骸原から始まって少しだけブーム来てますw
わあああいありがとうございます!
私的にドライ様最高ですうううううw
これはサークルに即刻入らなければ(