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からっぽブログ


読書感想文その②

【『電波的な彼女-愚か者の選択』の感想:2009年7月4日】

今回は、正義と悪が大きな主題のような気がします。

ただ一回偶然会って話した少女が眼球を奪われてしまうことから、

主人公、柔沢十は、正義のため、悪の犯人を捜します。

関係ないと逃げるのではなく責任を感じ、問題を引き受けていく姿勢が正義なのでしょう。

しかし、事件は、実は猟奇的犯行ではなく、子供の親が子供の眼球を裏組織に売っていたの

です。

つまり、悪というものは人々の心の中に潜むものであり、正義もそういうものだと言う事なんだと

考えます。

途中の場面で、柔沢十の母親、紅香が正義の味方なんていない。

だけど、TBやらのヒーローは、みんなに正義の心を忘れさせないために、いるんだと柔沢十が

思い出す場面あります。

これは正義の心への内在性を示唆しているのではないでしょうか?

しかし、最後、柔沢十は、売買行為を仕切っている犯人を殺せません。

しかし、犯人は、お前が大人になって子供ができたときには刑務所が出て、お前の子供の眼を

とってやるといいます。

悪はなかなか滅びないというのもこれからわかります。

あと、堕花雨の事件に対する言葉で、解けない問題は、問題でないことが多いと言うんですが、

これは猟奇的な犯人でなく売買行員によるものだということなんですが、

クライマックスで、堕花雨が、解けない問題でも、柔沢がそうしたいなら、考えて
ゆきましょうというのがよく覚えてるシーンです。

やはり、それが人間味のある積極的な生き方なのかもしれません。

だから、今回の副題が「愚か者の選択」なのでしょう。

それから、斬島雪姫という脇役が出てくるんですが、

臆することなく自分勝手に行動して、破天荒なんですが、

そこが彼女が自由であこがれました。

臆することなく自由に振舞って人生をエンジョイしてるような素敵な人でした。

でも彼女は、軽いわけではなく、楽しむ分だけ、実は、まじめな人と同じように、深く考えていて、

やるべきことはちゃんとやる人でした。

また彼女は、他人との距離感がまったくなくて、臆することなく話しかける人でした。

つまり、恐怖が彼女にはないのかもしれません。

このシリーズは、人生哲学を登場人物たちが、語り合うシーンがあるのがとても、

好きです。

また変人が出てくるのがとても好きです。

アバター
2009/07/05 17:55
読んでみますねw

電波的な彼女は一押しですよ。
片山憲太郎著です。
アバター
2009/07/05 16:01
おもしろそうなので、次の機会に読んでみようと思います!

それぞれのキャラクターがそれぞれの哲学を持っているところは、私が先日読んでいた『戯言シリーズ』にも似ているかもしれません。(講談社文庫 西尾維新 1巻『クビキリサイクル』タイルが結構エグイ^^;)
私は日本語が好きなので、この手の言葉を巧みに使った文章がおもしろいと感じたのですが、結構人気があるシリーズみたいで、ニコットでもサークルがいくつかあるようです。
機会があったら読んでみるのもいいかも。



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