蛾の戯れ
- カテゴリ:自作小説
- 2012/08/18 13:45:52
蛾を擬人化したお話
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姐様、お母様はどこへ行かれたのです?
九月中旬
楓が雨の如く降り 彼岸花の咲き誇る道で
そのころ まだ幼い私は 姐様の手を強く握ったままそう聞いた.
ふっ、 と姐様は地面に膝をつき、私と目線を合わせた
姐様 どこか具合が悪いのでございますか?
私達は、義理の姉妹. 種族が違うから生きる道も到底違う..
姐様..何を言っているのです?
貴女は何も知らない、今は何も知らなくて良いのかもしれない
姐様は悲しそうな顔をして、私の手を離した
姐様、種族が違うって..私の腕にも姐様の腕にも同じ模様があるではありませんか
私は着物の袖を捲り、腕に有る奇妙な目玉模様を見せた
私は蝶だったの. 貴女と同じ目玉模様は私がジャノメの種族だから
似た模様が有るの.
姐様は道端に咲く彼岸花の茎をプツリと千切る
私達、蝶と蛾. 生きる道は違ってしまうけど 忘れないからね
生きる道が違う?
少女は分からない 親に捨てられた事も現実も自分が下等種族の蛾であった事も
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続かない
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